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♯37:燕尾服(スワローテールコート)研究Ⅳ
2007 / 02 / 18 ( Sun ) 13:05:54
これで燕尾服研究の最終回、総仕上げです。 「文化服装講座5 / 文化服装学院,文化女子大学編 ; 男子服編 -- 文化出版局, 1976」を引用しつつ、進めていきます。
燕尾服 夜間(午後6時以後)の正式礼装ですが,国家的な儀式や行事に昼間着ることもあります。この場合は上着と共布のチョッキを着ます。名称はスワローテールコート,イブニングドレスコートなどといい,女性のローブデコルテ,イブニングドレスと同格のものです。
昼間に燕尾服を着る行事とは勲章を着けていかなければならない行事(王族の結婚式など)です。燕尾服用のドレスシャツは勲章の重みに耐えるために固く糊付けされています。 ローブデコルテも宝石を着けるために胸元が大きく開いています。国家の威信を示す行事には、勲章と宝石をつけられる服でないとだめなんですね。
欧米では夜間の儀式,正式なパーティなどに着用されますが,わが国では国際的な会議や国家の公式行事以外は着る機会が少ないのです。
宮廷晩餐会の「夜の正礼装」も、近年は「ホワイトタイ」から「ブラックタイ」タキシードになりました。 叙勲、授章で宮中に上がるときも、勳2等以上の叙勲でなければ燕尾服にする必要はない(勲3等以下はモーニング)そうですが、どっちにしても我が家には全然用がないようです。
また、クラシック音楽の演奏会で演奏家がこの服を着るのは,ドレッシーなムードがふさわしいからと思われます。
演奏家が燕尾服を着る理由は定かでありませんが、指揮者については「燕尾服(スワローテールコート)研究Ⅱをご参照ください。 ウィーンフィルハーモニーはマチネ(昼の公演)ではモーニングコートを着用したとどこかで読みました。 こういう話に接すると、彼らの衣装は作業着ではなく礼装なのだなあと思います。
上着の布地は黒または濃紺の礼服地を使用して、衿はセミピークドラペルまたはショールカラーで,必ず拝絹をかぶせます。
ピークドラペルは剣衿、ショールカラーはへちま衿です。 拝絹(ハイケン)は平綾絹(地が厚く、綾目がつぶれて、一見平らに見える綾織りの絹地)もしくは絹の朱子織で衿を覆い、光沢を出すものです。燕尾服とタキシード、チェスターフィールドコートにのみ用いられます。 余談ですが、夜の男性礼装の条件は、「黒」「光沢」「婦人同伴」です。燕尾服やタキシードを着て婦人をエスコートしている限り、ホテルの従業員と間違われることはありません。
前丈はチョッキのように短く,左右3個ずつの飾りボタンをつけます。後ろは裾が燕尾状になって,ウエストから下にベンツがあけられたドレッシーな服です。
ここに書かれていませんが、後方のウエスト部分に飾りボタン2個がつきます。騎乗時にテールをこのボタンで留めていた時代の名残とか。
チョッキは白地で衿あきの大きいドレスベスト、ズボンは上着と共布で裾はシングルにし,脇に2本の側章を飾ります。
チョッキの替わりにカマーバンドを巻いてもいいです。(カマーバンドの方が涼しい)。ベルトは使用不可でサスペンダーを用いますが、サスペンダーは下着なので、絶対に外から見えないように振舞わなければいけません。 側章はサイドストライプ(side stripe)のこと。礼装用パンツの、脇縫い線に沿って施される、絹の飾りテープ。燕尾服には2本、タキシードには1本が正式だそうです。
シャツは白地の堅胸,カラーは前折れ(ウイングカラー),ネクタイは白の蝶結び,手袋も白,帽子はシルクハットまたはオペラハット,くつは黒エナメル,くつ下も黒,ポケットチーフは白麻,シャツの胸ボタンとカフスボタンは真珠がいいのです。
要はなんでも白と黒ってことです。付け加えれば燕尾にあわせるタイは白い綿のピケ織り、ポケットチーフはスリーピークに折り、フラワーホールに花を挿すなら白のカーネーションにすると間違いないでしょう。 ボタンは白いことが肝心?なので白蝶貝でもいいのです。
正式の招待状にホワイトタイと書いてあるときは燕尾服着用のことで,葬儀の場合でも白い蝶ネクタイ,白手袋を用います。
着こなしとして、腕時計はしてはいけないとか、座るときにはズボンの膝上の部分を上に引き上げて燕尾服の裾は後ろへはね上げるとかの注意が必要です。 以上、私が知る燕尾服の知識は余さず出し尽くしました。 私の誤解や理解のいたらないところにお気づきの方はどうぞ教えてください。 主な参考図書と参考にさせていただいたサイトは以下の通りです。 川渕勉紳士礼装の「かたち」と「こころ」 オーダースーツ テーラーヨシダ:Word Book 男の「装い」一科事典:Hormar タキシード会議:燕尾服の正礼装 市川裕之フィンランドで学位審査を体験して 引用文献 文化服装講座 5男子服編 -- 文化出版局, 1976
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