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♯9:生命は
2006 / 11 / 26 ( Sun ) 23:36:24
のだめを読んでいると思い出す詩があります。 吉野弘さんの「生命は」という詩です。   
「生命は」 生命は 自分自身だけでは完結できないように つくられているらしい 花も めしべとおしべが揃っているだけでは 不充分で 虫や風が訪れて めしべとおしべを仲立ちする 生命は その中に欠如を抱き それを他者から満たしてもらうのだ 世界は多分 他者の総和 しかし 互いに 欠如を満たすなどとは 知りもせず 知らされもせず ばらまかれている者同士 無関心でいられる間柄 ときに うとましく思うことさえも許されている間柄 そのように 世界がゆるやかに構成されているのは なぜ? 花が咲いている すぐ近くまで 虻(あぶ)の姿をした他者が 光をまとって飛んできている 私も  あるとき 誰かのための虻(あぶ)だったろう あなたも  あるとき 私のための風だったかもしれない
二ノ宮 知子 / 講談社のだめカンタービレ (9)
千秋が感じていたことを、言葉にして示した佐久間学。 佐久間もこのとき、千秋のための風だったかもしれない。
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こんにちは。
のだめにはまってらっしゃるようですね。
かく言う私もずっぽりはまっております。
このお話しの登場人物は、みな多かれ少なかれ無垢な素直さを
持ってるんだと思います。それに気づかずに終わるはずだった
者まで、千秋やのだめ達との出逢いを経て否応無しに音楽の
前に頭を垂れる。そして自らも虻となるのでしょうか。
読み返したいんですが。手元にありません。(T-T)
続きを待ってる連中がいるので、買ったとたんに速攻で読み、
差し出さねばなりません。くすん。
by: randoku * 2006/11/27 00:14 * URL [ *編集] * page top↑
 

randokuさま
コメントありがとうございます。
randokuさんのコメントを読んで、あごが胸にめりこみそうになりました。
私も、このお話の中には無垢な素直さがおちこちにきらめいて、互いに照らしあっているという気がします。直接教えたり教えられたりできないものを「見る」ことのできる魂を、無垢と呼ぶのかもしれません。
randokuさんには口を開けて餌を待っている雛たちがいるんですね。
お察しします。
私もデスノートのとき、雛でした。ハチクロのとき、親鳥でした。
でも、本が回るそばから変態の森の仲間が増えていくのって、愉快ですよね!?
by: わくわくふわく * 2006/11/27 22:29 * URL [ *編集] * page top↑
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