♯9:生命は
![]() のだめを読んでいると思い出す詩があります。
吉野弘さんの「生命は」という詩です。
「生命は」 生命は 自分自身だけでは完結できないように つくられているらしい 花も めしべとおしべが揃っているだけでは 不充分で 虫や風が訪れて めしべとおしべを仲立ちする 生命は その中に欠如を抱き それを他者から満たしてもらうのだ 世界は多分 他者の総和 しかし 互いに 欠如を満たすなどとは 知りもせず 知らされもせず ばらまかれている者同士 無関心でいられる間柄 ときに うとましく思うことさえも許されている間柄 そのように 世界がゆるやかに構成されているのは なぜ? 花が咲いている すぐ近くまで 虻(あぶ)の姿をした他者が 光をまとって飛んできている 私も あるとき 誰かのための虻(あぶ)だったろう あなたも あるとき 私のための風だったかもしれない 千秋が感じていたことを、言葉にして示した佐久間学。
佐久間もこのとき、千秋のための風だったかもしれない。
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キャスティング。原作の持つ世界観を壊していないキャスティングに楽しみも倍増です 【基礎知識】のだめカンタービレ【2006/12/09 11:23】
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