文学男子―BUNDAN/いのうえさきこ
![]() いのうえさきこさんが描いた「「問題な日本語―どこがおかしい?何がおかしい?」の挿入マンガが大変おもしろかったので、半端なく期待値が高かったです。 しかし、身も蓋もなさが極まって、ちょっと身も蓋もなさ過ぎました。この「文学男子」を読んで、原典の文学作品を読んでみようと思う人はほとんどいないんじゃないかと思います。 冷静で、多角的な視点は著者の強みなのだけれど、登場人物をけなしてばかりだと、そんなに気に入らない文学作品を取り上げないで自分がいいと思う文学作品を取り上げれば?と思ってしまいます。 しかし、文学作品に出て来るダメンズ数多さぶらいける中でも、「舞姫」の豊太郎紹介は非常に説得力がありました。これで豊太郎に肩入れする女性は誰もいないでしょう。「舞姫」を名作と祭り上げたのは男性たちってことですね。 そうか、著者は「名作」と謳われる本にだまされるな、と、それが描きたかったのね。 「文学男子」を読んで原典を読む気を無くさせられれば、著者の狙い通りなのかも・・・・。 類書に「よちよち文藝部」「日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典」があります。ただしこの2冊には原典へのリスペクトがあります。 |
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