出店条件
![]() ![]() 「あのー、どうしてコーヒーに和菓子なんですか?」 「以外に合うんだよ。美味しいコーヒーにはクッキーもせんべいも合う」 「どっちもいいならどうして和菓子?」 「洋菓子よりローカロリーだろ?」 「そう?なんですか・・・」 「うん。ローカロリー。だけど一番の理由は、近所に伊瀬屋さんが昔からあったこと。伊瀬屋さんが休みの日は、やっぱり近所の<ベーカリーほかほか>さんからベーグルと焼き菓子を仕入れてるよ」 「近所だから・・・?」 「分からないよね、中学生じゃ。僕も始めはよくわからなかった。でもその条件で、場所を無料で貸してもらってる」 ![]() ここは駅近で、中央公民館に来た人も町立図書館に来た人も寄ってくれる。ナンセンス・ライブラリーが花盛りの時なんか、たくさんの人が庭を見に来てコーヒーを飲んで行く。かけだしの僕には願ってもない場所だよ。 ハイ」 僕は淹れてもらったアイスカフェオレを神妙に飲んだ。 僕は何でも親がかりだけど、この兄ちゃんは、さっきの産直おじいさんや、ライブラリーの館長や、仕入先の人に血縁じゃない人に支えられて生きてるんだな・・・と。 もう少ししたら職業体験実習が始まる。とりあえず草むしりをすることだけはわかったけど、どんなことをするのか、どんな人に会えるのか、楽しみだ。 スポンサーサイト
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