息子の都合
![]() ![]() 「姉ちゃん、俺にも見せて!」 「実、破かないでよ」 姉ちゃんが母ちゃんみたいな口ぶりで何か言うのは気に入らないが、今は無視だ。 俺は職業体験実習でヨーリーナンセンスライブラリーに割り振られてる。死活問題だ。死活問題の割には部活優先で、まだ見学に行ってないが。 夏休み最後の3日間が僕らの実習の日。実習がこの施設に当たると、みんなより夏休みが3日短くなる。みんなの実習期間に入院していたとか、試合で県外に行っていたとかいう事情がないのに、この施設実習に当たるのは、不運の最高到達点だ。 ![]() 舐めるように見たが、トイレの記載がない。なんて変な図書館。 舐めるように見たら、このマップの改訂者が城北中学校職業体験チームになっているのを発見。 俺たちはいったい実習で何をするんだ? やっぱりいっぺん見ておくべきだった。部活にかまけて偵察を怠ったのを後悔する。だがしかし、実習の下見で姉ちゃんや父ちゃんも行かない日に行きたい、そこが男子中学生の苦労なところ。 「実、悪いけど明日、お父さんが今日借りたバスタオルをナンセンス・ライブラリーに返してきて来てくれないか。お父さんは行けないし、美咲は用があるっていうんだ」 時の氏神渡りに舟天の配剤雨霰だ。 スポンサーサイト
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