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ヨーリーショップ
2015 / 10 / 11 ( Sun ) 07:43:32
HFヤング20150505 (1)あいさつなしで帰ってしまうという手もあったが、煙のように消えるのは人生の最後だけでいい。帰るときは館長か他の職員に挨拶して行こう。俺はエレベータを室内側に降りて、カウンターに向かった。
入場時にちらっと見た時は自動貸出返却機しか気付かなかったが、その手前にサイドテーブルのようなものがあるのが目に入った。いかにも素人が作った、手漉き和紙葉書がならべてある。<残暑見舞いを書きませんか?/1枚100円(52円切手込)>というポップが立ててあり、台の隅っこには貯金箱のような料金箱。小さいテーブルだけど、無人販売所でしたか。

カウンターの職員と目があったので
「こんにちは。今日は館長さんにお世話になりました」
と、挨拶した。

HFヤング20150509 (13)「こんにちは。呉間さんですね、こちらこそ、館長がお世話になりました」
「クレマ、じゃなくて青木ですけど、クレマでもいいです。あの、和紙葉書を作っているのはどんな人ですか?」
「3軒先の小学6年生です。牛乳パックで葉書を作って館長に売り込んできました」
「へえ。小学生の面倒を見てるんですね」
「いいえ。面倒は見ていません。あのテーブルも持ち込みだし、ポップはお姉さんの手作り、場所代も1日100円頂いています」
1日100円って、高いのか安いのかよくわからんが、コスト計算は大切だ。
「ご本人には業者パスを渡していますから、1日に何回も来て葉書を並べ直していますが、ご家族が一週間で7回1日券を買って売れ行きを見に来てくれるので、私どもはホカホカでございます」



写真はクレマチス`H・F・ヤング’
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