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朽木 祥「彼岸花はきつねのかんざし」
2008 / 02 / 22 ( Fri ) 15:12:14
―戦争の悲しみとは、あたりまえにあるやさしい時間が、とつぜん失われることかもしれない。
という著者の思いがそのまま、一冊の本になったようです。
<結末を知ってもかまわない方だけ、続きをどうぞ・・・>

彼岸花はきつねのかんざし (学研の新・創作シリーズ)
朽木 祥 (著), ささめや ゆき (イラスト) 学習研究社 (2008/01)

ピカドンを受けて昏倒したかの子が意識をとりもどしたとき、もうピカドンの日から一月以上が過ぎていて、コウさんもねえやも再会かなわぬ人になっていました。

それは確かにこの本の結末なのだけれど、味わうべきは往時の夢。往時のうつつ。おきつねさまのいる暮らし。

ひめじょおんの花のなかで、はためくこぎつねのしっぽ。
きつねと遊んで帰りが遅くなったとき、迎えに来てくれたねえやの、少し荒れた手。
すぐそこにあったはずの、二度と戻らぬものの手触り・・・・。

過去が少しずつ思い出に変わることを、平和と呼ぶのだと思います。
何月何日何時何分に突然、ここから先が現実でそれ以前のことは過去の思い出でしかないと、他者によって決められてしまうことの異常を思います。



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テーマ:子どもの本 - ジャンル:本・雑誌


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