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きむらゆういち「小説 あらしのよるに」
2008 / 02 / 27 ( Wed ) 14:02:26
これは「ロミオとジュリエット」の上を行く究極の純愛小説です。二人が同性だから友情の物語だなんて、だまされるのは子どもだけ(?)です。

小説 あらしのよるに
きむらゆういち著. -- 小学館, 2006

二人は秘密の恋に落ち、周囲が見えなくなるほど幸せ。秘密が露見し、群れにいられなくなった後はさながら道行き。
そこにはもう帰ることを心配しなくていいなくていい、ずっといっしょにいられるんだという喜びがあって、まさしく蜜月の心地。
相手を群れから引き離し、本来の生活環境を失わせてしまったことへの悔悟があったり、生活習慣の違いと疲れから二人の間の言葉数が極端に減って、孤独と将来の不安を感じるのもまた人生。

人が、いつパートナー(の時間を愛を労働)をエサにしてしまうか分からない存在であると考えると、ガブの苦悩は他所事ではないと思います。知らず知らず相手を食いつぶす悲劇は、ありふれすぎていて悲劇と認識されませんが。

ラストは紅涙をしぼります。(絵本とも映画とも違う結末です)既に絵本や映画を見た人も、ぜひ小説を読んでみてください。


映画  絵本
映画を見たときは友情物語としか思いませんでした。絵本ではほとんど何も感じなかったし。自分は映像を読むのが下手なのかなと思います。
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テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学


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