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紅玉いづき「ミミズクと夜の王」
2008 / 02 / 28 ( Thu ) 13:55:30
randokuさんに教えてもらった物語。裏庭 (梨木香歩)辺境警備(紫堂恭子)を思い出しました・・・・。

ミミズクと夜の王 (電撃文庫 こ 10-1)
紅玉いづき[著]. -- メディアワークス, 2007.

掌に乗ってしまう文庫本が異世界への入口。
ひさびさに、そんな感じを受けました。
泥にまみれる奴隷として受けた名がミミズ。自分で一字を足してミミズクと変名した少女は、自分がミミズクだからという理由で、夜の王をフクロウと呼ぶ。
そんなふうに呼び名がキイになるところで裏庭 (梨木香歩)を思い出したらしいです。
潔い(ということは度量があるということ)王と、妻をこよなく愛する騎士と、神官の心得のある妻などが登場し、それがみんな沽券に拘泥しない(つまり器が大きい)いい人だというところに辺境警備(紫堂恭子)の世界を感じたようです。どうも。

もちろん作品はオリジナルであり、知的能力が低い?と思われたミミズクが、あまりにつらい境遇ゆえに感覚を鈍磨させ思考を停止していたのだと分かってくる筋立てには、もう「してやられた」気分。気づいたときには物語世界にどっぷりです。
どんなにつらい記憶でも、記憶を奪われるのはさらにつらいというミミズク。手を引き、背を押してやりたくなるミミズク。

続編が待たれますです。
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