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安井清「伝統建築と日本人の知恵」
2008 / 03 / 07 ( Fri ) 13:30:39
著者は、桂離宮の修理をしたときのゼネコンの監督を得がたい人だったといいます。
「鉄筋ばかりやってきた」監督が数奇屋建築に興味を持って勉強し、3・4年で私(著者)の上を行くようになった、とあっさり言うのです。
監督が知識で自分を凌駕しても、その知識を具現できるのが自分だけだと自負していなければこんなふうに言えないと思います。

伝統建築と日本人の知恵
安井清著. -- 草思社, 2007

子どもの頃にお茶に親しみ、神職に親炙していたことが、後年どんな場面で役にたったかなど、まるでドラマです。

壁土は土として3年寝かせた物を使うと「暴れない」とか、天皇が泊まる部屋の天井は二重であるとか、私が知っていたって何にもならない面白いことがいっぱい。日本にアメリカの進駐軍がいたころ、代用食にもこと欠いていた人たちが、本物の米で作った《粥》に引かれ、多勢働きに来たという話は悲しい『さもありなん』です。

実のある人は威張らない。威張る人には実がない。
淡々とした語り下ろしの本でした。
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