本当はひどかった昔の日本/大塚ひかり
![]() 過去の日本。弱者に対する差別や虐待の残虐さは凄まじいものがあったなと、著者とともに古典を振りかえりながら思いました。 そしてこの「弱者」に子ども、妊婦、老人、障害者、容貌の残念な人が含まれるんです。この中のどれにも該当せずに人生を終えられる人はいません。 そう思うと、差別がないとは言えないけど、弱者が迫害されたり、直接的に危害を加えられたりせずに済む現代は、確かに幸せだと思います。 特に驚いたのは、捨て子は野犬に食われるのが当たり前であったということ。 悪評高い生類憐みの令だが、その中には捨て子を禁じる命令もあり、その点では画期的だった。お上が厳しく禁じるまで、捨て子はありふれた必要悪だったのだということ。 少しずつだが確かに、日本人は社会をよいものにしてきました。同時に、ほんの少しずつしかよくなっていません。古典の描いた社会と現代の差異を考えるのは、日本人の現実と希望を見据えることだと思います。 スポンサーサイト
|
|
* HOME *
|