アンの想い出の日々(上)/ルーシー・モードモンゴメリ
![]() 「これを読まないとアンシリーズは終わらない」という意の帯コピーに、読む気が萎えます。だって終わって欲しくないもの。 それでも、上巻は読んでしまいました。アンの書いた詩は全然ピンとこないので読み飛ばしました。 ギルバートがとっても「できた男」になっていて、イメージが拡散してしまった気がします。チキンの切り分けに苦闘したり、ジム船長と一緒になってミス・コーネリアをからかったりしていた時の方が個性的だったのに、万人受けする人格者になっちゃって、つまんない。 アンもそうです。みんなに尊敬される(若干嫉妬もされてますが)立派な婦人になって、村の灯台みたいに扱われています。アンに不幸になって欲しいわけじゃないけれど、苦労なしのように書かれると、もの足りなさを感じます。 上巻の解説によれば、下巻は第二次世界大戦に際したブライス家の苦悩が描かれる模様。 上巻でアンの子育て時代の牧歌的な村の生活を読んだ後、すぐには読みたくない気がします。 苦労がまったく書かれないのに不満を言うくせに、年老いてから再び大戦に会うアンや、自分が兄弟を喪った戦争に、今度は息子を送り出すジェムの苦しみは見たくないなんて、勝手な読者ですね。 苦労はするが報われれる話、が読みたいのだけれど、テーマが戦争ではそれは無理というもの。すぐには読まないけれど、そのうち必ず、一家のその後を見届けたいと思います。そして、生涯を自ら閉じる前にこれだけは書いておこうとしたモンゴメリの思いも、受け取らなくてはならないと思います。 スポンサーサイト
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