「かつて覆面作家だった北村薫氏に」という献辞のついた、オマージュ作品。
西村香という名の覆面作家が主人公です。
ファンレター
-- 講談社, 1999.2 -- (講談社文庫)
私は、これだけたくさん出版物があり、読みたい本の数に読む時間が追いついていかない今、相手が命の恩人でもない限り、素人の書いた本は読みたくないと思っています。
『ファンレター』には素人の書簡や作家ならぬ編集者のFAXという形で筋の進行がなされる話が多く、作中は素人のファンや作家ならぬ編集者の文章が頻出します。
もちろん著者の折原氏はプロ。作中の素人の文章が素人らしく書けていて、これがこそばゆいし落ち着かない。少しく苦痛を感じました。
それに、西村香氏は北村薫氏よりいささか品行不正なのではないかと思われます。
ああ、円紫師匠のたたずまいがなつかしくなってきました。
円紫さんに会うにはシリーズを再読すればいい。
淡々と謎を解くところがかっこいいです。円紫師匠。
北村薫作品を読みたくさせる点でとても有効な、『ファンレター』でした。

theme : ミステリ
genre : 小説・文学