ぼくらは海へ/那須 正幹
![]() 児童文学には2種類あって、一つは「子どもが」読むためのお話、一つは「子どもを」書いた文学。 そしてこれは後者。 死を賛美するものではないけれど、無条件に生は死より尊いとも言わず、生も死も同じ、等価であると読む人の前に差し出しています。読む人が子どもであっても、容赦せずに提示します。 作中の子どもも、作品をよむ子どもも、著者はなめていないのでした。 解説のあさのあつこさんは言ってました。毒がなければ文学ではないと。 この作品では、登場する大人の中に毒がふんだんに注がれています。 大人の正義の名を借りた保身や、「あなたのために」という衣をかけたエゴは醜悪です。 環境選択権のない子どもに、醜い姿で接することがないように努力したいと思いました。 ![]() ![]() スポンサーサイト
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