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ヤングアダルトパパ/山本 幸久
2010 / 07 / 15 ( Thu ) 21:57:08
山本 幸久
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010-04-29

四半世紀ほど前に、「15歳の母」をテーマにしたドラマがはやりましたが、これは14歳の父の物語。
父になる原因行動があったのは少年が13歳の時。相手の女性が20代で、ふたりの間に暴力はなかった。つまり、これは淫行では?
少年が女性を愛しているというなら、幼い父子を捨てた女性にはかどわかしの罪があると思います。

生後5か月の赤ん坊と14歳の少年を置き去りにして出奔した女性に、憤りを覚えます。救いは少年が赤ん坊と赤ん坊を愛し育児が好きなことですが、また周囲が少年を「ふしだら」と責めないことです。
が、女は過去にも赤ん坊を男の手元に残して姿を眩ましたことのある人でした。産み捨てを繰り返していたなんて、まったく非道だと思います。
こんな女に我が子ともども見捨てられながら、まだこの女を恋しがる少年の、孤独と業が哀れです。

少年が自分のしたことをまっすぐ受け止めて、親としての義務を果たそうとするところが、いい加減な親たちへの痛烈な批判になっています。
また、十分に慈しまれることができなかった子どもが、自分よりさらにさらに弱い赤ん坊を庇護し慈しむシーンは哀切でもあります。これから困難なことにであった時、少年が運命を恨まずに進んで行くことができるのか、心配でなりません。


世間は中学生の男の子が懸命に赤ん坊の世話をすることに、少年に誠意を見出すけれど、それが少女でも同じかしら。若年で子をなすことについて、産んだ子に対して適切な世話さえできればそれでいいと見るかしら。
海のものとも山のものともどこの馬の骨ともつかぬ少年が、自分で育児をすることを何より優先するといったら「将来を棒に振るのか」という忠告がきっとどこかから出るでしょう。でももし中学生の女の子が、自分の産んだ子どもの成育を保障するために自分の将来に備えることを擲つと言ったら、「産んだからには当然だ」という声が上がりはしないかしら。
小説に書かれていたことより、書かれなかったことが気になる私です。



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