真昼なのに昏い部屋/江國 香織
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そんな風に切りだされたら、ジョーンズさんに一目置かない女性がどれだけいるでしょう。 ややもすれば、美弥子といういう主人公がただの鈍感な女に見え、共感するのがむずかしくなるところですが、美弥子の夫の無神経さと妻への関心の粗さがものすごくよく書けていて、これに対するジョーンズさんの生き方の丁寧さ細やかさもまたよく書けていて、美弥子の心象を追うというより、私(読者)に主人公がついてきて共感してくれるかのような錯覚を覚えます。 さすがに『きちんとした不倫妻になろう』と美弥子が決心するあたりから主人公と自分は別人格だと実感しますが、そんな男が夫でいてジョーンズさんのような人から思われたら、靡くのは、木石ならぬ身なら当然と思います。ハイ。 ![]() ![]() スポンサーサイト
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