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田代秀敏「中国に人民元はない 」
2008 / 02 / 09 ( Sat ) 04:25:07
北京大学てなもんや留学記以来何冊の中国本を読んできたことか・・・。つまらなかった本は記事にしなかったので読んだ冊数は定かじゃないけれど、間違いなく、この本が一番面白くて分かりやすいです。 中国に人民元はない (文春新書 588)
田代 秀敏 / 文藝春秋 (2007/12) 中国には人民元も市場(しじょう)も定期券もない。 いろいろな「無いもの」を通して中国という国、中国人の国民性を語ります。 個人的経験(見聞)でなく、社会制度や現象から中国人の特性を炙り出す、鮮やかなお手並み。 現象の読み解き(解釈)に間違いがあればとんでもない人間像が描かれるでしょうが、他の本で語られる中国人と印象はそう変わりません。ただ、「そういう社会構造では『明日の百元より今日の十元』になるでしょうね」とか、「そういう精神風土だから、『家の便器はピッカピカだけど公衆便所は目も当てられないくらい汚す』のね」と、すごく納得が行きます。 中国には定期券がない。←誰も買わないから必要ない←「お金をこれだけ出せば、一カ月先までも電車に乗っていいですよ」なんて契約は、明日反古にされるかもわからない。今日大切な金を余分に払えるかという心情←猫の目のように変わる政策。身内(親しい友人)以外は信用できない社会 荒っぽく書くとこんな具合。 個人や企業の土地所有が認められておらず、土地の使用権(期限付き)が認められるだけ。それもいつ政府に保障無しで取り上げられるかわからない国で、日本と同じ資本主義が機能するはずがないなあと思います。
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