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タイニー・ビレッジ その45
2017 / 02 / 03 ( Fri ) 22:08:42
20160925田野沢 (2)「寝床にする部分だけ2段目の棚の奥行きを浅くしているのね。でも、この寝床スペース、せいぜい幅1メートル奥行き2メートルくらいでしょう。布団を敷くには狭くないかな?」
「大丈夫。熊さんはここで寝袋で寝てます」
「寝袋? 小さな可愛い家のドリームから、サバイバル小屋暮らしにシフトしてきてるような気がする・・・・」
「封筒型の寝袋はなかなかスタイリッシュですよ。熊さんは加齢臭を恐れているから、洗える寝具が一番です。合理的な暮らしぶりですよ。
それから天井を見てください。全面が木の格子で、きれいでしょう。冬はこの格子の上にテント素材の布を広げて、そう、部屋にふたをして、暖房効率をよくするんです。格子の枠になる木の太さが5センチ、穴の正方形の一辺も5cmです。格子天井の上に出られるように、下から押し上げて開けられる部分があります。

20160925田野沢 (3)格子がいつも全部見えていれば綺麗だし、破風窓からの通気もいいのですが、熊さんが格子にS字フックをかけては吊るす収納をやっちゃうから、残念です」
「大丈夫。格子天井が大部分見えてるわ。それに、天井の格子は使い勝手がよさそう。ここに衣類を架けるのは、むしろ機能的とも言えるんじゃないかしら」
「好意的なコメントありがとうございます。熊さんが忙しくなると、なんでも洗濯ネットに入れて天井からつるしてしまうから、サンドバックの鈴なりに生っているみたいなんですよ。
では振り返ってこちらをご覧ください。玄関扉の両脇の壁には、飛行機内の収納棚と同じ、オーバーヘッド・ラックが付いています。ここには非常持ち出し袋、ヘルメット、冷蔵不要の非常食などが入っています」
ひよりが次の説明にかかっても、澄江は天井の格子のあらゆるところから荷物がぶら下がる様子を想像していた。



写真は田んぼに植えられた彼岸花。本文とは関係ありません。
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