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タイニー・ビレッジ その37
2016/12/22(Thu)
ときがわ20160917 (19)「荒川さん、それは段違いの棚です。ロフトに上がる階段としても使用できますが、あくまでも丈夫な棚なんです。
これを片持ち階段だと言ってしまうと、法規上手すりをつける必要があります」
「片持ち・・・? 」
「片持ち階段。踏み板が壁から突き出して、宙に浮いているように見える階段です。片持ち階段に限りませんが、1メートル以上の高さがある階段には手すりをつけなければならないんです」
「わ、わかったわ。だけど分からない。
どうして12歳のひよりちゃんが、こんなことに詳しいの?」
「そうですよね。普通小学生は知らないですよね。
うちはお父さんがタイニー・ビレッジ紹介リーフレットを作っていて、私はその校正を手伝ったから知っているんです」
「校正を手伝った? それもまた驚きなんだけど」

ときがわ20160917 (22)「普通の校正を大人がやった他に、私が音読を頼まれました。ひよりが読んで分かるような資料じゃないとだめだって」
「ああ、そういうわけだったの」
「三校までやって、その都度読まされました。校正も嘘ではないけれど、いずれ私をガイド役にしようという腹積りだったかもしれません」
「きっとそうね。『腹積り』なんて言葉を、すらっと言ってのける小学生は、小学生の標準になんないもん」
「すみません。私、親戚や施設に預けられてる間は本を読むしかなくて、発達がいびつなんです」
「すまなくないわよ。語彙が豊富という強みは生かしましょう。
遠慮なく好きなように話して。私が知らない言葉が出てきたら遠慮なくその場で聞くから」
「ありがとうございます」



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出来るときが適期
2016/12/22(Thu)
ジョセフィーヌ20160917あっという間に年末で、あらビックリ。
今年は箱根駅伝の予選会以降、リアルの書き物が忙しくて、ブログをさぼってしまいました。

今日は振替休日を利用して、庭の片づけをやってみました。
黒く枯れたルコウソウとフウセンカズラが絡み付いたままだったグリーンカーテン用ネットを外し、ネットから枯れたつるを全部取り除いてまたかけ直しました。
そしてキウイの収穫と大剪定。キウイの収穫はもっと早くすべきだったし、剪定の本来の時期はいつかわからないけど、我が家では「出来るときが適期」です。



リアルの書き物は、名前もギャラも出ません。大学の後援会の支部会報だから。
写真は今年9月のジョセフィーヌです。


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サンタが家にやってきた
2016/12/21(Wed)
フルディーン20160904 (2)実際にやってきたのは宅急便のお兄さんでしたが、これはやっぱりサンタのしわざでしょう。
届いたのは「トキ色の君」と「夕顔」の苗です。2年前にたくさん種を蒔いたのに、まったくモノにならなかったのを知っているのは、送り主がサンタだからに違いないです。

ありがとうサンタさん。
よいお年を!


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タイニー・ビレッジ その36
2016/12/21(Wed)
ときがわ20160917 (16)大きい方の家は、9坪ハウスで、5棟あります。この5棟はそれぞれ間取りがちがうんですよ。3坪の方は北欧デザインの小さな家で、名前はキューブ。10棟あります」
「キューブってかわいいわね。ムーミンが住んでいそう」
「スウェーデンのルンド大学で、学生寮に採用されているデザインです。ムーミンも憑いているかもしれません」
「へええ。それで賃貸料は?」
「3坪キューブも9坪ハウスも月5万円です」
「あら、広さが3倍も違って、お値段が一緒?」
「はい。広さだけなら小学校の教室が一番広いですよ。教室も1部屋5万円です」
「テナント料5万円は高いのかしら、安いのかしら?」
「分からないけど、2店舗で1部屋をシェアしているところも、バンドメンバー5人でシェアしているところもありますよ」

ときがわ20160917 (20)「なに?バンドメンバーでシェアって、練習場にしているの??」
「練習場に住んでる感じです。個人のスペースは壁にくっつけた2段ベッドだけで、教室の真ん中には防音室を置いています」
「教室を借りて、その中に部屋を置くの? ダブル賃貸?」
「ふふふ、防音室のレンタル料はタマハ楽器に払ってるみたいですよ。教室が広くて天井高があって、部屋代が一人当たり1万円だから出来るって、お兄ちゃんたちが喜んでました」
「そうか、お兄ちゃんたちか」
「はい。あ、こっちのキューブにどうぞ。短期留学中の入居者から、鍵を預かってます。希望者に中を見せてもいいって。このキューブのお姉さん、ミニマリストなんです」
「中を見せてもらえるの? ありがたいわあ」
「はい、どうぞ」
「うお・・・壁から階段が生えてる」



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タイニー・ビレッジ その35
2016/12/02(Fri)
ときがわ20160917 (14)「タイニー・ビレッジの掟は<みんなで生き延びる>。です。ここの大人たちは、みんな親身になってくれます。『たまたま岩山さんを親代表にしたけれど、ひよりは村全体で育てる子だ』、という感じですね。
大人が私のことを足手まといだと思っていれば、そのうちの子は私を邪魔にしてはじき出すものなですよ、経験から言えば。
でもここでは、私は受け入れられています。『ひよちゃんは村の子だから、私のお母さんを貸してあげてもいいわ。でも、お母さんの悪口を言えるのは私だけ。お母さんは私のお母さんなんだから、って感じです」
「なんとも、子どもらしい反応ね」
「はい。まるで子どもです」
澄江とひよりは一緒に笑った。今日初めて会った人にこんな話をするくらい、ひよりの出自は公然で、当たり前なのかと思う。

ときがわ20160917 (15)「荒川さんは『赤毛のアン』を読んだことがありますか?」
「シリーズ全冊持っていますよ」
「なら、お分かりですよね。血縁も養子縁組もないままで、アンは幸せなんです。大丈夫です。お父さんがいるし、春さんは最高の春さんなんです」

本当なら一旦ヨーリーランドの外に出て、タイニー・ビレッジの門から入り直すところだろうが、ひよりの後について山茶花の垣根の中の隙間(枯れた木一本分だから幅60cmくらい)を抜けて、元小学校地「タイニー・ビレッジ」に着いた。
校庭には小さな家がたくさん建っている。
「うふふ。すごいでしょう」
「た、確かに。ここ、本当に人が生活しているの?」
「はい。大きい家でも10坪以下、小さい家は3坪です。



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