ぼくたちに、もうモノは必要ない。 /佐々木典士 |
2016/02/29(Mon)
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ものはいらないっていうだけに、どうしてこんなにたくさんの言葉(本一冊分も!)が必要なんだろう?と思いながら読みました。 いらない人はいらないんだし、たくさん持っていたい人は持っていたい。持っているか捨てるかは、個人の勝手であって押しつけるものじゃない。と、かなり早い段階で著者自体が述べているのに、なぜその後にも言葉を費やすのか。 それは、本当に持っていたい物じゃなく、かつて欲しかった物に囲まれて、今はそれがいらなくなっていることに気づかない人のために、「それ、いらないんじゃない?」と呼びかけるため。 持っているものをみんな捨てたい。でも・・・と迷っている人はご一読ください。 自分はもうスモールハウス 3坪で手に入れるシンプルで自由な生き方 (DO BOOKS)を読んでいたから驚かないけど、持ち物を減らすと人生が変わるのはきっと本当。多く持っても人は変わらないけど、持たなくすると変わるって、面白いなあ・・・。 スポンサーサイト
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エコハウスのウソ/前真之 |
2016/02/28(Sun)
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増補改訂版が出てからほぼ1カ月で第2刷が出ています。 時宜を得ているということでしょう。 エコが錦の御旗となり、エコだと謳ってあればそれで満足してしまう人、場面が多くなりました。 本当にエコなのかどうか、住まいのあれこれを冷静に、平易に科学的に検証していく本です。 エコというイメージ戦略にひっかからないために、家を作ろうとする人買おうとする人は読んでおいたほうがいいかも。 |
「まだ結婚しないの?」に答える理論武装/伊田広行 |
2016/02/27(Sat)
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「まだ結婚しないの?」という単純な問いには、おなじくらい単純な答えでないと負けると思う。長いとそれだけで「結婚できない言い訳」ととられてしまうから。 「まだ結婚しないの?」などと単純な問いを発する人に、理論で向かっても理解は得られないだろう。だいたいそんな単細胞に理解されなくても構わないじゃないか。 この本は「まだ結婚しないの?」と聞かれて動揺したことのある女性が自分のことを分かるための本で、世のオヤジやオバタリアンを説得また諦めさせるための本ではないのでした。 この本を読んで私が考えた独身所女性のための解答例。 ①余計なお世話です。・・・・発言者と今も将来的もなるべく関わりたくないと思っている場合。 ②(語気静かに)それはおせっかいというものよ。・・・相手が若輩で、その将来に期待が持てるほど口調はやさしく。 ③(びしっと)詮索しないで。・・・相手が若輩で、おバカな場合。「せんさく」の意味が分からなそうな時は「ノーコメント」の一言。 ④心配しないで。・・・相手が同僚で、悪気はないが無神経な場合。こちらが話したくないのだと分かるまで「心配しないで」とだけ繰り返す。 ⑤ご心配には及びません。・・・相手が同僚で、皮肉や嫌みでこの質問をしてきた場合「心配ご無用です」とだけくり返す。 ⑥それは過保護です。・・・相手が年上で老婆心で話しているとき。そんな相手なら「この問題は私が自分で考えていますから、任せてください」と付け足すこともできるでしょう。 前振りなくいきなり「まだ結婚しないの?」なんて聞き方をする人に、直接答えなくてもいいんです。それはあなたが口を出すことではないというメッセージさえ伝わればいい。 口を出してもらってありがたいという思える相手が、「立ち入ったことを聞くけど」のような慮りをしつつ親身に心配してくれたときだけ、この本で語られているような、あなた自身の事情を語ればいいんです。 |
沢村さん家はもう犬を飼わない/益田ミリ |
2016/02/26(Fri)
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有川浩の造語? |
2016/02/23(Tue)
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![]() それは「強与」。 強いて与える。強奪の逆ですね。 有川氏はお気に入りのキャラクター、カツオ人間のグッズを周りの人に強与しているんだとか。配っているのでも贈っているのでもなく、無理でも受取っていただくという心意気に溢れた言葉。 「強与」。広辞苑に載ってなくても、使いたくなる一語です。 |
ダーリンは外国人 まるっとベルリン3年め/小栗左多里 |
2016/02/22(Mon)
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このシリーズをずーっと読んできましたが、ダーリンの大上段ぶりがちょっと鼻について来ました。 でも、何事にも(どんなちっちゃなことにも)全力投球直球勝負なキャラクターは、あいかわらず面白いです。 「旦那さんはイラン人」と「世界ボンクラ2人旅! タイ・ベトナム前半戦」をリクエストしてきました。「結婚自体が異文化交流」という本が増えているのは、ダーリンシリーズの功績かと思います。 |
倒れるときは前のめり/有川浩 |
2016/02/18(Thu)
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端正なエッセイ集。 いつも真摯で、いつもどこかの「立場が違う人」の目を意識しているのを感じます。 それは大人の抑制。 それは大人の優しさ。 ときどき「そんなわけねえ」式の汚い言葉を混ぜていますが、それは決して混ざってくるのではない、混ぜている言葉。 くずれない、乱れない、有川浩です。 有川さんがゆるキャラの《カツオ人間》が大好きと書いていてビックリ。ゆるキャラ好きってことと《カツオ人間》って何?という二重の驚きでした。 あと、筆が走っているなーと思ったのが「スゴイゾ万城目学」の行(くだり)。万城目本を読んだことのない私が「今迄読んで来なかったのは失策だったか・・・」と不安になるような勢いがあります。 |
生きるための選択/パク・ヨンミ |
2016/02/17(Wed)
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北朝鮮で暮らしていた時、知人の家のゴミの中に、ミカンの皮があったことに衝撃を受けたヨンミ。野草と昆虫を食べて命をつないだヨンミには、ミカンの皮を捨てるなんて考えれらなかったんですね。 自分で考える習慣のない北朝鮮人は、すぐに人に騙されてしまう。でも北朝鮮に送還されたくなければ、すべてを受け入れるしかない。どんなにひどい「すべて」でも。 自国の民を搾取する北朝鮮と、脱北者の人身売買をする中国人と、どちらが酷いのだろう。 ヨンミと、ヨンミたちを助けたために罪を負った人が、幸せになれますように。。。。 |
ペコロスの母の贈り物/岡野雄一 |
2016/02/13(Sat)
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時間軸を飛び越えて、自由に行きたい時間で生きていたみつえさん。亡くなったあとは、彼岸此岸を往き来して、ペコロス氏の前に現れます。 先に亡くなった夫(ペコロス父)とむつまじく「気配」になって子どもたちを訪れるみつえさん。その姿は既巻で見慣れていたので驚きませんが、みつえさんが(生前は酒乱で家族を苦しめた)父と子の和解を橋渡ししていたという一面には驚きました。 痴呆症の見せる夢を「ボケ」で片づけていたら、みつえさんにしかできない贈り物を受け取り損ねてしまったでしょう。母が見るうつつの夢に入り込んだことで、息子がもらった豊かさ。 この豊かさを描き切ったことが、ペコロスシリーズの珠玉たるゆえんです。 これから叔母の通夜に行きます。明日が告別式です。 元来陽気な叔母が、自分の葬儀を覗き見してどんな感想を述べるかと思いつつ、参列してきます。 |
ワンチャンス/ポール・ポッツ |
2016/02/11(Thu)
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ポッツくんたら、なぜそこで事故に合うの、なぜそこで病気になるの、なぜそこで保存しないの?? と、やきもきして読みました。ポッツくんがうちょっとだけ注意深かったら、もっと家族は楽だったでしょう。不運だけでは片づけられない、自己管理能力の低さです。 しかし人はおうおうにして、欠点あるものに親近感を感じるもの。ポッツの声を聞いたことはないけれど、きっと愛すべきおまぬけさんなのでしょう。 東日本大震災のあと、時を置かずにチャリティーコンサートに来日したポッツ。 映画「マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと」 の監督がポッツの人生を映画化したのは必然だったと思います。 映画「ワンチャンス」では、ポッツ自身が歌の吹き替えをしたが、歌唱力が未熟でオーディションに落ちる場面なのに完璧に歌いあげてしまい、監督を悩ませたという。ダメじゃん、ポッツ。 |
『罪と罰』を読まない/三浦しをん |
2016/02/10(Wed)
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最初は「罪と罰」を読まずに「罪と罰」を語る妄想読書会。 後半は「罪と罰」を読んでから論じるほんとの読書会。 前半と後半の境目に「罪と罰」のあらすじが紹介されている。 妄想読書会がおもしろいのは、4人の作家が「私なら話をこう持って行く」という発言を繰り返すから、4人の創作秘話を聞いているような気がすること。 一番おもしろいのは三浦しをんの物語への飛び込み方。 「いい加減にしろ、ラスコ(ーリニコフ)」 「だめじゃん、ドスト(エフスキー)」 と、炸裂するしをん節。 読み(推理)を外したときは 「すまん、ドスト」 と謝っちゃうし、まるで著者と相談してストーリーを練っているよう。 ああ、これが「読む」という行為なんだなと思います。 読者は皆、タイトルから中身を想像して本を開き、この先どうなるかとやきもきしながら読み進む。 自分は最近速く読み過ぎて、物語への参加率が低かったなと反省しました。 |
琥珀のまたたき/小川洋子 |
2016/02/09(Tue)
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静かな静かなお話で、読んでいる自分も物語の静寂を破らないよう緊張します。 塀の中に監禁されて育つ3人の姉弟は、見方を変えれば、大人になることを期待されない子ども。ずっと子どもであることを、保障された子ども。 そこには幸せと不幸があり、確かに幸せだってあるのだと感じさせられます。 もちろん現実的ではないし、起きてほしいことではないけれど。人は置かれた環境の中で幸せを探し、あるいは幸せを作りだして、心のバランスを保つ生き物なんだと、この1冊が語っている気がします。 |
作家の収支/森博嗣 |
2016/02/08(Mon)
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作家の収支「自分の場合」をあっけらかんと公開してます。自慢するでも卑下するでもなく、この湿気のなさは森博嗣という人の個性なんでしょう。 作家になりたきゃ作品を書け。最上のセールスは新作を書き続けること。 ・・・確かに。 ミステリを読まない自分は知りませんでしたが、著者は2008年に引退宣言してたんですね。引退後は午前中庭仕事、午後は模型作り、夕食後の1時間だけ趣味で執筆という生活だとか。いいなあ。 |
日本のみなさんにお伝えしたい48のWhy/厚切りジェイソン |
2016/02/07(Sun)
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IT会社役員と芸人はどちらも本業で、本業副業はないというのが新鮮でした。確かに、どちらの収入がより多いかとか、どちらにかける時間が長いかとかは計れるけれど、何を以って本業というのかは本人次第。どちらも本業という人だっているわけです。 専門バカが許される国、日本。職人や名人は口下手でも許される、日本。一意専心が好きな日本人は、二つ、三つのことに同時に本気で取り組むという発想がないんですね。 二つのことに同時に本気でチャレンジというのも「あり」なんだと、あらためて思い至る、厚切りジェイソン本です。 のっけから「日本を変えたい」と発言していて、ちょっと引きました。外国人に言われたくないセリフです。 |
スマートサイジング/タミー・ストローベル |
2016/02/06(Sat)
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著者のスマートサイジング歩みは、①生活の無駄を削ぎ、②タイニーハウスに住んで、③コミュニティへの貢献に生きがいを見出す。 ①と②はその苦労が分かるというか決断を祝福したいと思うが、③はボランティア文化のある国ならではだなと思いました。 しかし①②③とも、単身ではなくパートナーと共に、話し合いけんかもしながら、夫婦単位で歩んだところがスゴイ。 ダウンサイジングとスマートサイジングとの違いは、「減らす」のがダウンサイジングなのに対して「必要なものだけ残す」のがスマートサイジングだそうだ。 スマートサイジングへの道は、世間の基準でなく自分の基準を採用する道。著者の不安や躊躇の軌跡を読むと、個人主義だと聞いていたアメリカ人だって、世間の基準に縛られている部分がけっこうあるんだなと思います。 断捨離流行りの日本の方が、スマートサイジングの道が易しいかもしれないですね。 |
中国嫁日記 (五)/井上純一 |
2016/02/05(Fri)
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北欧女子オーサが見つけた日本の不思議/オーサ・イェークストロム |
2016/02/04(Thu)
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日本語の「ちょっと難しい」の意味は「交渉の余地がある」は×で、「無理」が○だとか、梅酒を飲むかを聞かれて「大丈夫」と答えると、「飲める」という意味になるときと「もう結構」という意味になるときとがあって面食らうとか、「外国人の知らない日本語」の話は期待通りおもしろい。 が。 日本人は外国人に優しい。でもそのせいで、間違った日本語を間違っていると教えてくれないのが困る。と、オーサは言う。 でも、そうかなあ。オーサが白人で、ユーロ圏の人だから余計に甘やかしているんじゃないかな。 少なくとも漢字の国から来た外国人にはもっと「その日本語は変だよ」と教えると思う。 主観ですが。 |
カアチャン本舗/たかはしみき |
2016/02/03(Wed)
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