2015年のドラマ「下町ロケット」 |
2015/12/31(Thu)
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![]() 我が家も『下町ロケット2 ガウディ計画』を読んでテレビを見ました。 先に原作を読んでおかないと、ハラハラして体に悪い・・・・とは、我ながら小心なことです。 原作とドラマの差異でもっとも大きいのは、盗撮した写真や盗聴した録音が重要な働きをすること。それがあることで、会議参加者の心証は鮮やかにひっくり返るけど、あざといなあと思いました。そんなにもきれいにひっくり返さなくても、雌雄は決するのに。 それとこのドラマ、人の顔の大写し(超アップ)が多かった。人一人の顔を、画面からはみ出すほどの大きさで写されると、面食らうというか違和感ありというか。どんなイケメンでもこういう撮り方をすると気持ち悪いです。 大企業に軽んじられていた小企業が、技術だけを頼みに、大企業にとって「なくてはならない存在」になっていく。汚い手を使った競争者はその汚さの露見で破れて行く。「窮鼠猫を噛む」と「勧善懲悪」が視聴率を取る秘訣? |
2015年のドラマ「偽装の夫婦」 |
2015/12/30(Wed)
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![]() 同性愛者を差別しないのは結構です。それはいいです。異性愛者が同性愛者と夫婦になったって、本人同士が納得してたら全然かまわない。(ドラマの第1回から8回まではこの範疇だったので、興味深く見てました) でも、差別しないこと=自分が同性愛者になることのようにえがかれると、それは違うだろうと思います。自分のセクシャリティを変えずに、他人のセクシャリティを尊重すればいいじぁないですか。異性愛者だったはずのヒロがしおりの、異性愛者だった保が超治の求愛を受け入れて同棲するようになる第9回は不自然過ぎました。 異性愛者が同性の求愛に応じるって、異性愛者である限り無理だし、性的指向が簡単にコロコロ変えられたら、偽装の夫婦の偽装は必要ないでしょう。面白いテーマだったのに、結末は無茶苦茶だったと思います。残念。 |
2015年のドラマ「ナポレオンの村」 |
2015/12/29(Tue)
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![]() 高野誠鮮の『ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?』を原案に、限界集落を立て直す「スーパー公務員」の奮闘を描くドラマでした。 一話完結のドラマなので、一話ごとに危機を乗り越え、努力の成果が表れるという都合のよさがありました。必ずしも(ほとんど?)苦労が報われないサラリーマンから見ると夢物語ですが、現実にない夢を見せるのもドラマの役割だから、それはOK。 善玉・悪玉・追従玉等主要キャラクターの役割がはっきりしていて、見るのが楽ちん。かつ、回ごとに登場人物の一人か二人が劇的に変化します。そうして最終的にはみんなが変わっててしまう。なんてスーパーマン!夢の塊! 最終回は、誰かに変えてもらうのを待つのではなく、自分が変わらなければだめだというメッセージが伝わるもので、「よし、見た」という気持ちになりました。ああ、面白かった。 |
危険なふたり |
2015/12/26(Sat)
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大人の話 |
2015/12/22(Tue)
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![]() 「ええ、今年は彼ら自身の言葉を少し削るだけで、コピーらしくなりました。布袋君のは本人の書いたまんまですが」 「黒岩さんの添削は、直された人が唸るような切れ味よね。でも、実習生の出来がイマイチだったときの、力技も見たかった(笑)」 「ああ、『13歳のハローワーク』が出てきたときですね。あの時は台風に関係なく好きな本を上げてきたので往生しました。
![]() 「それが今年は時事ネタまで飛び出して」 「映画『海難1890』の関連書ですね。さっき聞いたら、青木君はお父さんと一緒にテレビで映画の予告を見て、興味を持ったんだそうです」 「そうだったの。お母さんの大病は大変だったけれど、父子のコミュニケーションにはよかったのかもしれない。あざなえる縄だわね・・・・」 「はい。それで明日は館長が実習生担当ですよね?」 「そ、それなんだけどね。明日は8月31日でしょ。防災の日に庭でやる避難小屋作りのリハーサルで、私、手が離せないのよ」 「それは隣のふっか市のホームセンターから館長の友達がきてくれることになっていたでしょう? 館の職員のリハーサルは不要では?」 |
ポップに挑戦 |
2015/12/21(Mon)
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![]() 「え・え・え、ポップになる推薦理由を書くなんて、よく考えないと、時間がないとできません」 「推薦する1点を見つけるだけでもハードだったのに・・・・」 「ふふふ。急にハードルが上がった気がしますか。私は鬼ではありません。考えたり書いたりするのに1時間あげます。推薦の弁はこのポップカードに書いて、選んだ本の書名のそばに貼ってください。筆記具はこれ。さあどうぞ。<実習生:誰誰>の著名も忘れずに」 さらに一時間後、実習生のお奨め本が出そろった。 『小説 あらしのよるに (きむらゆういち)小学館』
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『海の翼 (秋月達郎)PHP出版』
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オヤジの赤毛のアン |
2015/12/13(Sun)
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![]() 『赤毛のアン』は今年は1冊も刊行されていません。児童向けは別ですが、大人向けのアンだったなら、それは数年前の刊行物ですよ。 『大奥』で12巻というと、コミックスの男女逆転『大奥』ですね。これは確かに発売後3カ月以内だったことでしょう。妻が買っているので私も読んでいます。 さて、今日のメンバーで見る限り、発売後3カ月以内売れた本は3分の1ということですね」 「えー、 じゃ、俺ってもしかしていい客かも。オシム以外はマンガばっかりだし、マンガは大概発売日に買うから。 最近買った本って言われて、無意識にコミックスを外して考えてました」 ![]() 思ったことをそのまま口に出せるって幸せなことだと知っている点で、実はもう大人だった。 「黒岩さん、一体どれだけ出版物の発行年を覚えているんですか? まさか全部??」 「まさか。たまたま知っていただけですよ。もしあなた方から自分の知らない作品名を言われたらその場で調べました。 もしかして遠藤さん、中高年男子、いやオヤジか。オヤジが赤毛のアンを読むの~?って思ってます?」 |
本屋はノーリスク? |
2015/12/12(Sat)
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![]() 遠藤が開いていた本を見ながら言った。 「章末ごとに書いてありますね、発行部数、関連本が出たかどうか、文庫化していれば文庫タイトルと解説者、ドラマ化や映画化の記録もあるし、文学賞や文化賞を受賞した時はその記録もある。すごい」 「ふふ。実はこの記録部分を書いてくれているのはヨーリーブックス店長です。彼が長く棚に置きたいいい本でも、返本しなければならない時がある。そんなとき1冊はナンセンス・ライブラリーが買いとって蔵書にしているので、恩義を感じているみたいなんですよ、葛城さん。私たちは葛城さんの選書眼を信用しているだけなんですが」 「あの、本屋さんが返本するってどういう・・・?」 「本屋さんは本を預かって販売しています。 ![]() 「え、そうなんですか。預かって、売れ残りを返してそれで済むなら、本屋さんはリスクが無くていい商売なんじゃ?!」 「詳しいことは明日葛城さんに説明してもらいましょう。なにしろ、およそ3カ月を超えて本を返品しないと、支払いが発生します。本屋さんは3カ月以上かけて売りたい本を多く持ちすぎると、経営が危うくなります」 「3カ月で売り切れる本ってどれくらいあるんでしょうか」 「君たちが最近買った本、雑誌は除いて、今年買った単行本は発売後どれくらいたった本でしたか?」 「僕は『オシムの言葉 』です」 「え、えと、私は『赤毛のアン』です」 「僕は母に頼まれて『大奥の12巻』を買いました」 「『オシムの言葉』は増補改訂版 (文春文庫)が去年の何月だったかに出ましたね。 |
ライブラリー文芸 |
2015/12/10(Thu)
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![]() 「製本についてはまた後で、町立図書館に行って、近代文学館の名著複刻全集や昭和万葉集あたりを見ながらゆっくり講義しましょう。 今はこの当館オリジナルの製本資料をみてください。市販のアルバムである最新刊と、形態以外に何が違いますか?」 「最新刊は日付順に写真が貼ってあって、写真の側に書いてあるのは日付と花の名前くらいです」 「でもバックナンバーは品種別に編集されています」 「その上、名前がしつこくなっています。学名・和名・別名とか作出者名とか」 「はい。一体どれだけ時間をかけているのかわからない、館長の道楽です。 ![]() 館長が自分で撮った写真を使わず、写真コンテストクレマチス部門の入選作を使ったのが勝因だと、私は踏んでいます」 「へえええ・・・」 「あれ? これは?! これ佐伯先生??」 「ああ、それはヨーリー・ナンセンス・ライブラリー文芸です。面倒だからこれからはライブラリー文芸と省略しますよ。 ヨーリー文芸が小説・詩・短歌・俳句が柱なのに対して、ライブラリー文芸は、推理小説、と川柳がメイン。 そして推理小説の事件はかならずナンセンス・ライブラリーで起こすことが条件です」 「何でまたそんな条件を・・・」 「防犯カメラのアピールです」 |
相違点 |
2015/12/06(Sun)
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![]() 「違いは、趣味を本職にしようとするかしないかかな・・・・」 「そうか。『ワン チャンス』はその点が違うね」 「その点は『炎の営業日誌』も微妙に違うよ。著者は熱心にバカがつくくらい熱心な浦和レッズサポだけど、<サポーター>は仕事として成立しないから、本職にしようが無いんだ」 「一番の違いは、本職への熱心さじゃないのかな。炎の営業って熱心に営業してるんだろうし、不熱心で作家活動なんて無理だろ。 オペラ歌手を目指してワンチャンスを待っていた人は、熱心に販売員をしていたのかな?」 「うーーん」 「お金を稼ぐのに、常に熱心さが必要なわけじゃないだろ。生きる為の賃仕事だっていいんだ、多分」 ![]() だけど一番の違いは趣味の質だよ。<レッズサポ><ガーデナー><オペラ歌手>が並んだ時、誰がレッズサポを尊敬してくれるんだよ。 俺は、人にどう見られようがレッズサポーターであることを優先する杉江さんの潔さが好きなんだぁ」 「いいね、布袋君。でも手も動かして。しおり紐を付け忘れないようにね」 「はい。黒岩さん、やっぱり僕、提案を取り下げます。相違点が大きすぎると<もう読んだ?>と言われてもピンときません。もう読んだ?て言うためには、それがどうした?って言われないくらいの関連性が必要です」 「提案取り下げを了解します。いやあ、よく考えてくれてありがとう。 |