朗読会 |
2015/10/21(Wed)
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![]() 「そのお約束は最初から?」 「いいえ。開館以来この落とし所にたどり着くまで、紆余曲折がありました。勇気があったりありすぎたりする常連さんも絡んでますから・・・・(ニッコリ)。 それで青木さん、嫌いじゃなかったら白くまくんカップアイスいかがですか?」 「はい。いただきます」 「よかった。じゃ、私も」 明石さんは<館長用>とふたに書いてあるアイスを二つ取りだし、横に座って食べ始めた。アイスのさじを舐めているときは、気取った話はできないものだ。 「青木さん、黒岩さんに会われましたよね」 ![]() 「館長と黒岩さんが二人で朗読する『チャリング・クロス街84番地』は素晴らしいんです」 「もしかして、閲覧席が空になる?」 「ホワイエでやればそうなるでしょう。私はまだ遭遇したことがありません。二人の朗読が突発的にホワイエで発生するのは、なにか伸るか反るかの大勝負があったときらしくて。確かこの前は、うちのブックモービルに居眠り運転のトラックがつっこんだときだったそうです」 「だったらホワイエ以外で聞きたいね。じゃ、明石さんはどこで聞いたの?」 「毎月1日の午後7時から職員の朗読会があります。館長も黒岩さんも別の本を朗読しますが、アンコールをかければ必ず『チャリング・クロス』をやってくれます』 |
ありのままの私/安冨歩 |
2015/10/10(Sat)
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ファッションは女物が好きで、女性装が落ち着く。自意識は女性で、昔から女性の友達の方がしっくりくる。 恋愛の対象は女性で、性器を女性化したいと思ったことはない。オネエ言葉は使わないという著者。 性同一性障害の障害という言葉が、男性の体を持ったまま女性装で暮らしたい人、身体的性別を変えずに同性を愛する人を圧迫するという指摘には、その通りだと思います。 生まれ持った体のまま、同性のパートナーを持つことは許さない。体にメスを入れるなら許す、というのは非道でしょう。 それにしても、『異性装は本人の自由』で通る東京大学という職場の、揺るぎない学問への信頼よ。真理は我らを自由にする、ということですかね。 |
伊礼智の「小さな家」70のレシピ/伊礼智 |
2015/10/07(Wed)
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小さい家はそれだけでエコだけど、快適でなければわざわざ新しい家を建てる意味がない。だから、「小さくて」「快適」の両立を目指すこの本は大変面白い。 機能的なキッチンならあんまり動かなくて済むし、廊下がなければ廊下の掃除をしなくていいし、ものぐさな私は広い家になんか住めない気持ちになってきました。 俵屋旅館は建築家にとってものすごく疲れる旅館。勉強になりすぎて思わず実測しまくっちゃうから寝る暇がない・・・という話は「むべなるかな」と笑ってしまいました。 |