旦那(アキラ)さんはアスペルガー―4年目の自立!?/野波ツナ |
2015/02/28(Sat)
|
アキラさんは1人暮らしでしあわせになりました。本人の自由の範囲が広すぎず狭すぎないのがアスペルガーの幸せで、適度な枠がアキラさんには1人暮らしだったみたい。 小さな1DKで1人暮らし、週払いの給料。→二部屋以上の住まいで月給生活というふうに、枠の広さを広げてから、他人との共同生活にチャレンジしていたら、借金による家族離散はさけられたかもしれません。でも、本人と親にアスペルガーがわかっていなかったから、なにか訓練が必要という発想がなかった・・・・。 困り感がないと訓練の必要を感じない。 困り感が強いと二次障害を受けやすい。 本人が困らないとパートナーがカサンドラ症候群になる。カサンドラになったら離れることが最良の治療。 ・・・というのがシリーズ4冊の流れ。 「アスペルガーの人とパートナーを組むときは保護者マインドが必須。保護者じゃいやで、家族の問題に協同で当たりたいと思う人はアスペルガーの人と結婚しない方がいい」というのが自分の結論です。 ツナさんとアキラさんは、アスペルガーに気付いたのが結婚・2人の子ども出生後だったから、別れて暮らすしかなくなりました。でも、この一家が不幸なわけではないので、私の結論は「幸せになるためには」ではなく「カサンドラ症候群にならないためには」という前提で成り立つ限定理論です。 スポンサーサイト
|
賢者の愛/山田詠美 |
2015/02/27(Fri)
|
痴人の愛を下敷きに、直己という少年を調教する親世代の女性真由子をえがきます。 調教という言葉では言い尽くせていないけど、教育じゃないし飼育でもなくて、何だろう? イライザや紫の上が、世間に認められる理想の女性像を目指して育てられたのに対して、直己は「ヴェルレーヌを読む土方」に育てられるのだから、世間の評価より真由子の美意識が絶対です。 真由子に手なずけられた直己は幸せそうで、大人になっても我から真由子に付き従っています。 淫行条例にも抵触せず、本人同士が幸せで、社会に害をなさないなら、痴人だろうが賢者だろうが、余人(親も)干渉できません。干渉できない愛の中に、かつて自分を裏切った男女を親とする息子を取りこむのが、真由子の復讐。 一度は成立した復讐だけど、作者はラストに事件を用意しています。 登場人物の誰が幸せで誰が不幸なのか、読む人によって違う感想を持つだろうと思いますが、女は過去をこじらせるが、男は脳天気だなあというのが私の感想です。 |
困ったときには図書館へ/神代浩 |
2015/02/26(Thu)
|
確かにいい話ですが、前提として困ったときに本を読む人がいなければなりません。窮状(失職したとかガンに罹ったとか)を本を読んで脱出しようと思うほど、読書の効用は信頼されているんでしょうか? 反響があったとしても、普段から図書館で本を読んでいる人が、図書館の特集で貧困問題や闘病記に興味を持ったというケースが多いんじゃないかと穿って読んでしまいました。 図書館の外から人が集まるためには、読書人口が問題だろうと思います。2週間に1冊単行本を読む大人が、10人のうち何人いるのでしょう。活字に親しむ人を増やす努力を、出版業界書店業界と共にしないと、日本のジリ貧はまぬがれないと思います。 |
旦那(アキラ)さんはアスペルガー しあわせのさがし方/野波ツナ |
2015/02/25(Wed)
|
世間では婚約時代の2人に「今が一番いいときよ」という人が珍しくありません。でも著者の結婚は、夫になったアキラさんの気持ちが、婚約時代と寸分かわらなったゆえに、別居にいたりました。 定型発達の人は、子どもが成長する間だけでなく。大人になっても変わり続けることを求めているものなんですね。自覚がありませんでした。 ドラマも物語も「変わらない気持ち」を美徳とすることが多いけど、それは多くの人の気持ちが変わって行くから、変わって行くのが当たり前だから、その中の変わらない部分が貴重に思えるってだけで、変わらないのがいいことではなかったんだ、とこの本を読んで思いました。 変わろうとも、変わりたちとも思わない、アスペルガーのアキラさん。もう一度家族一緒に暮らしたいと、自分から言うことはないだろうアキラさん。自分の好きな人で自分を好きな人とだけ付き合っていれば不満はないアキラさん。 誰か怒っていても、黙っていればいずれ怒りが静まります、と言い切れるのは、怒って去っていた人を追ったことがないから。相手があきらめたことを解決(怒りが解けた)と思えるなら、そりゃあ困り感はないでしょう。アスペルガーの中の、生きづらさを感じないのタイプの人は、ある意味最強の人だと思います。 しかし「本人が困らなければそれは障害でも病気でもない」という医療者の態度は、どうなんでしょう。 本人の変わりに困っている家族や同僚は、誰が助けてくれるのでしょう。その辺は「旦那(アキラ)さんはアスペルガー 奥(ツナ)さんはカサンドラ」に出てくるかな? |
旦那(アキラ)さんはアスペルガー ウチのパパってなんかヘン!?/野波ツナ |
2015/02/24(Tue)
|
妻は夫と添い続ける努力をするも、別れてやり直す努力をするも、自分の選択で選べます。でも、子どもは親を選べないんだな。。。。 「なんかヘン?」なパパだけど、子どもたちはパパを好きだから、大変。親を嫌ったり憎んだりするのも大変だが、好きなパパに傷つけられることが残酷に思えます。 愛しているのに愛させてもらえない子どもと、愛しているのに傷つけてしまう親は、残念な組み合わせ。 ただ、子どもはいつまでも子どもじゃないから、いつかこのASパパ(アキラさん)に傷つけられない強さを獲得できるかもしれない。それが希望です。 しかしパパの方は、いつまでも親役割を果たすことはないでしょう。親役割を果たさない親を子どもたちが受容していく物語はまだ、緒についたばかりです。 |
旦那(アキラ)さんはアスペルガー/野波ツナ |
2015/02/23(Mon)
|
旦那(アキラ)さんシリーズ第一弾。 どうしてアスペルガーのアキラさんが「心がひろい人」に見えたのか、なぜ子どもが2人生まれるまで旦那(アキラ)さんのアスペルガーに気付かなかったのか、読んでみてその疑問が解けました。 アキラさんには嘘も演技もなくて、ツナさん(現在は妻)が自分にいいように解釈していただけ。 ただ、その解釈は、当時にしたら無理のないものだったし、ツナさん以外にもアキラさんのことを「心が広い」「穏やかな人」と思った人は少なくなかったんじゃないかと思います。他人の性質をネガティブにとらえるより、ポジティブにとらえられた方が、社会的にうまくいくことの方が多いのですから、ツナさんの受け止め方は(解釈の仕方)は前向きなキャラクターならではだと思います。 「善意に解釈」したことが自分にとって都合がよければ、人は自分の解釈を信じてしまうと思います。配偶者がアスペルガーと知らずに一緒になった人は、ツナさん以外にもたくさんいるだろうと思いました。 |
滝壺の夢ふたたび |
2015/02/22(Sun)
|
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 大きい3株は鉢中鉢を止めて直植えにし、ロウグチの1年生苗は鉢ごと抜いて、空いた所にエリオステモン2年生苗を入れてみることにしました。 エリオステモンもまだ花を見ていないので、イメージに合わなかったら植えかえられるよう深型5号鉢鉢ごと植えこんでいます。(左写真) これで青や白の花が多ければ、今度こそ花の「滝壺」。チェリーリップ実生の花が多くを占めるなら・・・「レインボーシャワー」とでも名前を変えましょうか。 いやはや、問題なのは寄せ植えの作品名ではなく花の咲きぶり咲かせ方。命名はとらぬ狸のなんとかだとわかってはいるのですが、今できることはもうないので・・・・。 |
考えるマナー |
2015/02/21(Sat)
|
あー、面白かった。しをんさんの話は特に面白いけど、「しをんさんいつマナーの話になるの?」とドキドキさせられました。いつもかかろうじてマナーに着地するんですよね。ニクイわ。 町田康さんの話はなんか微妙に「ルール違反」な感じで、騙されてうれしくない読後感です。 穂村兄さんは弱弱しく微笑むたたずまい。かっこいいのは荒野の姉さん。「どんな言葉もそのときそれが存在する理由を携えて唇から世界へ出て行くべきなのだ」って。 もっとも深い味わいだったのは鷲田清一さんの「アホのマナー」。 マナーというテーマで編まれたエッセイのアンソロジー。大人が楽しめる読物です。 |
いつもとなりに/ジョンソン祥子 |
2015/02/20(Fri)
|
マル(柴犬)は相変わらず安定のかわいさだけど、一茶君は大きくなりましたね~。表情が以前の巻に比べてキリッとして、意志のある人間だと感じます。 丸っこい頭で4頭身にの体。ここに「キリッ」とした表情がつくと、かわいいったらありません。この年に歩き始めた幼児なのに、成犬マルの世話をしようとしているのが、けなげです。 もちろん、若干2歳の一茶くんが油断しまくった顔を見せてくれる時も多く、そんな写真ではマルが保護者みたいに寄り添っていて、まさしく「いつもとなりに」です。 ああ、かわいかった・・・・。 |
わが子よ/共同通信社社会部編 |
2015/02/19(Thu)
|
日本の妊婦の100%近い人が受けているだろう超音波診断。これも出生前診断だと言い切ればいいのに、なぜそう言わないんだろう?と思いました。 羊水検査は望んだ人が受けることが多いけど、超音波診断は受けるかどうか希望を問わずに為されているところに大いに問題があると思うんだけど。 超音波診断で四肢の異常が認められたり、赤ちゃんが夫婦の望む性別でないという理由で中絶されることはないのか、その辺は全然取材されていませんでした。 がん検診もそうだけど、検査ならなんでも受けないより受けた方がいいという妄信はもう卒業して、どうしても必要な検査だけを選んで受けられるようになりたいものです。 不妊治療をどこまでするか、養子を迎えることの抵抗をどう減らすかといった問題についても取材されています。多くの人の心情が集められ、正解は示されません。 正解はそれぞれの心の中にあるということなのでしょう・・・・。 |
海外マラソンRunRun旅/たかぎなおこ |
2015/02/18(Wed)
|
映画「ぶどうのなみだ」 |
2015/02/13(Fri)
|
![]() 挫折した兄と、孤独に傷ついた弟。海道空知の自然の中でしあわせのパン同様、真実味はあっても現実味がない警官や郵便配達員が出てきて兄弟を支えます。 でも何よりも力になったのは、ぶどうの木・・・・。 愛嬌のあるキャラクターを演じることが多い大泉洋ですが、今回は大いに屈託のある役で、映画の最後の3分くらいになってやっと笑顔を見せます。 この役なら他の人でもいいんじゃないか。なんか勿体ない使い方だったな、という気がします。 |
『DOCTORS3~最強の役者 |
2015/02/12(Thu)
|
![]() ![]() 正義感で2枚目の先生(勿論腕がいい)は、2枚目なら誰がやっても人気が出そうだけど虚栄心が強く視野が狭い悪役は、やり方によってはただ憎まれて終わり。 大人子供の医者を演じる高嶋政伸が、素直になれない大人の悲しみを伝えてくれます。 |
映画「マエストロ」 |
2015/02/10(Tue)
|
![]() いやー、コンサートマスターって大変なんですね。まして松坂桃李くらい若年のコンサートマスターが、63歳までの年長者たちを束ねて行こうとするとなると。 でも、この間読んだばかりの「棒を振る人生 (PHP新書)」いにあった通り、音楽家たちはまずよい音楽に魂を捧げているのいるので、苦労しつつも指揮者と団員が理解し合って行きます。 ![]() 指揮者役の西田敏行の指揮指導をしたのは佐渡裕。 「いい音を得るためだったら何でもやる」という佐渡さん。指揮台で飛び上がるのなんか序の口で、寝転がったこともあるとか。そんな佐渡裕指揮スタイルは西田敏行マエストロ(天道徹三郎)にピッタリでした。 ![]() 多分楽器や指揮の訓練を初めて受けたであろう役者さんたちの、指揮ぶり演奏ぶりに、あらためて「役者ってすごい」と思いました。 |
棒を振る人生 /佐渡裕 |
2015/02/10(Tue)
|
指揮者朝比奈隆の最後の舞台の話に感動。指揮者も大切だけど、オーケストラはまずオーケストラありきだと思いました。 全編を通して、オーケストラと指揮者と観客の三者が音楽を作っており、どれが欠けても本当の音楽は作れないと語られていました。この1冊を読むと、コンサートホールに足を運んでみようかという気持ちになります。 93歳の朝比奈さんは指揮台に立つのがやっと。最初の3秒しか棒を触れなかったけれど、オーケストラはコンマスの弓を頼りに、火の玉のようになって楽曲を奏しきりました。 |
映画三昧 |
2015/02/08(Sun)
|
![]() ![]() 見たかったけど機会がなかった映画を見まくった週末でした。しかし、同じ予告を何回も見せられるのに辟易しました。 3日で4本の映画を見る客が悪いのかな? 映画業界は予告を見たくない客へのサービスを考えてほしいと思います。 |
赤壁スタンバイ |
2015/02/07(Sat)
|
![]() ![]() 人目につきにくい場所なので、一番花の後はほったらかしになりやすいこのコーナー。やっと春の準備ができました。 |
ぼくはアスペルガー症候群/権田真吾 |
2015/02/06(Fri)
|
有職アスペの人たちが周囲に求める支援は、「私だって我慢してやってるのに」と思うことが多く、「我慢できない人はしなくていいが、我慢して努力できる人はどこまでも我慢しろ」といわれているような気がして来ます。 できない我慢を求められるつらさと、今している我慢をし続けろと求められるつらさはどっちもどっち。 共生するためには、アスペじゃない人に負担が集中しない方法を考える必要があると思います。 |
ゆるい生活/群ようこ |
2015/02/03(Tue)
|
個人的な経験談だから、普遍化して考えたらいけないわ、そう思いながら読んでいるのに、いつの間にか我がことのように思えてしまいます。いわゆる「さもありなん」です。 自分は漢方薬に頼ろうとは思わないけど、体を冷やさないように気をつけようと思います。 |