三回戦敗退
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新旧アーチのクレマチス
![]() ![]() ![]() 右は地面の上で咲いちゃったマダム・ジュリア・コレボン二番花のつるを無理やり新しいアーチに誘引したところ。花は葉っぱの陰になって見えません。誘引とは程遠い、ぐちゃぐちゃに伸びたつるをぐちゃぐちゃのまま宙に吊るしたところです。 ![]() ブルー・エンジェルの後ろに、ほとんど黒く見えているのがビオラ。近くで見ると濃い菫色なのですが、ちょっと遠くから見ると黒ですねえ。塀の向こうの県道を通る人にはかろうじて濃い紫に見えるようです。 ビオラよりさらに奥、写真ではビオラの右手に位置するのがジェニーです。 アーチが傾いで見えるのは、弟がでっかいアーチ製作中に既設アーチにぶつかったから。二番花剪定の時、直します・・・・。 |
秋霖の忌/波津彬子
![]() お盆の頃になると読みたくなる波津彬子。 波津作品はコメディタッチの時とシリアスタッチの時があり、これはシリアス系。 特に表題作は、幽霊より生きた女の情念の方がずっと恐いと思わせます。 会話より心中語(モノローグ)の多い、落ちついた男と女。季節感ある花木。美麗な調度品や着物の文様。波津テイストはここでも健在でしたが、体(特に肩幅)に対して顔が大きいのが気になるときがあります。 同じ頭でっかちバランスでもコメディのときは気にならないんですが・・・・。 |
人間仮免中/卯月妙子
![]() 統合失調症ってどんなものだろうと読んでみたけれど、すさまじい「普通じゃなさ」。 肩から背、臀部に渡る大きな刺青。この掘りものがあっては、普通の人ならタンクトップを来て人前に出ないと思います。 が、著者は出てしまう。この普通じゃなさのどこまでが病気で、どこまでが個性の問題なのか、読み終ってもよくわかりません。 著者には病識があり、障害者手帳も持っているけれど、強い自己肯定感を持って生き生きと生きています。 (とはいっても病気だから、希死念慮にとらわれることもあります)。 感謝はしても卑屈にならない著者、そして家族や恋人の愛と理解は本当に深い。なので、読んでる最中はハラハラして苦しいけれど、読後感が爽快な作品になっています。 ただし性描写について実に端的直接的絵柄です。通勤電車等では読まない方がいいでしょう。 |
恐れていたこと マダム・ジュリア・コレボン二番花
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仙台ぐらし/伊坂幸太郎
![]() 初めて読んだ伊坂 幸太郎作品でした。エッセイの後に短編小説もついていて、とっつきやすい本です。 小説の中に という文章がありました。俳人なら歌にしないで句にしろよ!と思いました。 俳人長谷川櫂さんの例(震災歌集)もあるから、あり得ないことじゃないけれど、普通は俳句を作る人のことを俳人と呼ぶよね・・・・。 浮気のお父さんというのも落ちつきが悪いです。浮気なお父さんか浮気者のお父さんでないと、納まりが悪い気がします。 重版の時に直されるものかもしれないので、本屋に行ったら2刷り以降の本を見つけて確かめなくちゃ。 |
合点(ガッテン)
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オリンピックの言葉 2
![]() ![]() 前書がつかなければそれはただの聞いたままであり、一英国人がそれを言ったという報告でしかありません。でも「英国人は日本をよく知っていた」という前書きには、発言内容への全面肯定が見てとれます。 ![]() 負けないように、歯を食いしばって立っているところじゃないの? 原発事故と津波被害が別々に語られがちだけれど、津波がなければ原発忌はなかったはず。全村避難を余儀なくされ、いつ帰れるか分からない人々に、日本は津波から立ち直ったと、完了形で語るのですか? 発言したのは英国人だけれど、全面肯定しているのは記者です。記者である石井康夫さんの言葉は新聞という公器に載って世の中に流布されます。 苦しんでいる人を無視したり忘れたりすることが、棄民の国の始まりです。 |
ラブコメ今昔/有川浩
![]() 文庫本の宣伝を見て存在を思いだし、単行書を読みました。 なぜ、刊行当時に読まなかったのだろうと記憶を探ってみれば・・・・タイトルを見て小説(NDC913.6)と思わなかったんだな(笑)このタイトルのせいで近現代小説の評論(NDC910.26)かと思っちゃってた。 で、読んでみれば全編自衛隊が舞台のラブコメ短編集。 個人的な好みでいえば『ラブコメ今昔』のラストシーンが一番好き。新郎予定者の「さりげなく自然な」答えが素晴らしい! 短編タイトルは言えませんが、新婦の父に「任せたぞ」と言われて新郎が「任されました」と答えるシーンがあり、好きでした。「了解しました」よりずっと個性的です(笑) 『広報官、走る』は問題解決が容易過ぎる話で、ラストが溶けかけたアイスクリームのように甘く、イマイチでした。 どの話も2008年以前に書かれたわけですが、話が書かれてから本当に有事(東日本大震災)があったわけで、ここに書かれた人物たちがどのように出動し、家族がどのように過ごすことになったか考えながら読まずにはいられませんでした。 で、どの人物もみな、それぞれの荷物を背負って任務あるいは(夫または妻の)留守に耐えたろうと思えるので、すべての短編が、ただののろけ話ではなかったなという気がします。 |
パット・コールマン二番花など
![]() ![]() やはり1年生苗(いただきもの)のジョセフィーヌが初めての蕾をつけています。摘み取って株の養生をした方がいいのは分かっているけど、一目花姿を見たいものです・・・・・。 ![]() ![]() エルサスパスがどんどん咲きます。いっぱい咲きます。親株がこう元気だと、つる伏せ苗2ポットが生育順調なのを見てもホクホクします。 |
クレマチス ラプソディ他・イン・ブルー
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舟を編む/三浦しをん
![]() 主人公馬締(まじめ)は自分の世界に夢中なタイプ。馬締が恋する香具矢も板前道一直線。 対する西岡は、個性派の辞書編集部の中で、部員のいびつな才能のフォローをしつつ潤滑油になるタイプ。そして西岡は、自分が一芸に秀でていないことを知っている・・・・。 『舟を編む』はさまざまな個性を持った人たちが目的のために力を合わせる話。得意なことを頑張るしかない馬締と、自分の得意なことではなく馬締の出来ないことをがんばる西岡。チームワークの肝はみんなが他の人が出来ないことを頑張るところにあると、西岡に教えられる気がします。 そして忘れてならないのは、馬締が自分の限界を知り、西岡の助力に心から感謝していること。特化された才能のある人が、往々にして失くしがちな謙虚さゆえに、馬締は可愛いのです。西岡も、この可愛さにやられたクチかもしれません。 この小説は読めば良くわかるけれど、実写化するとどうかなあ。同音異義語が多い日本語。字を見ないで、話す速度で科白の真意を酌めるかどうか、ちょっと心配。 |
真夏に「荒野より」を聴く
![]() ![]() ![]() ここのところ毎日、中島みゆきアルバム「荒野より」を聴いています。 息子が「暑いから南極気分に浸ってるの?」と聞きますがいやいや、そんなことはないのですよ。 ![]() 楽曲自体のドラマ性が高い曲で、私好みの対句表現多用作。 ええい、も一度リピートだ。 |
泣き虫チエ子さん 1/益田ミリ
![]() 幸せは目に見えるというチエ子さん。聞かれたことに正直に無理に作らずに答えるさくちゃん(作太郎:夫)が好きだというチエ子さん。チエ子さんの目のつけどころが、私は好き。 さくちゃん(夫)がお土産にムースを買ってきてくれました。気持ちはうれしいけど、ムースはそれほど好きじゃないチエ子さんのとった作戦は?! 高度に政治的でいながら気持ちいい、チエ子さんのお手並みに脱帽です。 チエ子さん行きつけのカフェでは「すーちゃん」が働いています。チエ子さんとすーちゃんの係わりに、独身か夫婦者かの違いより、気持ちの近さが表れていてうれしくなりました。すーちゃんの誠意ある接客がお客さんに伝わっていたのがうれしく、またしてもチエ子さんの目のつけどころをいいなあと思いました。 巻末付録まんがでチエ子さんとさくちゃんが福井にソースかつ丼を食べに行きます。お店はヨーロッパ軒です。おいしそう。 |
やりたいことは二度寝だけ/津村記久子
![]() 最初のエッセイが面白くなかったので、電車を待っている間だけ(数章)読んで、返却してしまいました。 初めて知ったけど、この方、32歳独身なんですねー。数ある文学賞のなかの×○新人賞を取って会社を辞めてしまう人の話はよくあるけど、芥川賞受賞後も会社員を続けているってところが、素晴らしい。どう素晴らしいのかよくわからないけど、周囲に流されず自分の意思でそうしているらしいことが、数章しか読んでないけど感じられました。 でもなぜかしら、エッセイの内容にはあんまり共感できないんです。ま、こんなこともありますよね。次は小説を読んでみようと思います。 |
HFヤング二番花など
![]() ![]() ![]() 右は昨日買った子犬の鉢カバー。もっと大きいサイズがよかったんだけど、この顔の魅力に負けました。 ![]() ![]() テンテルは10輪以上咲いているつるが3本あり、そのどれもが長さ50cmくらい。非常にコンパクトな株姿で多花性。確かこれ、去年の売れ残りを500円で買ったんでした。本来の草丈にならないのは店頭での苦難の1年が響いているのか、私の腕が悪いのか、はたまた? ![]() ![]() たまの作業時に見ていると、弟はクレマチスのつるを踏んでも平気の平左。こっちが見ていられなくて逃げ出しています。日数がかかっているうちにつるが伸びちゃったんですよね・・・・。 |
オリンピックの言葉
![]() ![]() 私が卓球技で一番好きなのは「つっつき」。 動体視力が弱くても、「つっつき」だけは見えることがあり「あっ出た?! 今のつっつき??」と盛り上がります。そして息子に『だから何だよ』という顔をされます。 ![]() 息子に『レベルが違うだろ!』と怒られそうで、口には出しませんがね。 それにしても世界最高レベルの選手が繰り出す技にしては、あまりにも和語。「つっつきで返しました」が出ると、急に世界が狭く感じられます(笑) |
ぽっかり
![]() ![]() ということなので、土左衛門が<ぽっかり>浮かぶというのは不謹慎でしょう。また、泳いでいるクジラが<ぽっかり>浮かぶのもちょっと違う気がします。 ![]() <ぽっかり>の語釈が『水面や空に軽々とまたは忽然と浮かんでいるさま』ならいいんだけどなぁ。 いやいや、日国(ニッコク)の語釈に物申すなんて畏れ多いことです(笑) |
栄枯盛衰のエルサスパス
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世界中が夕焼け/穂村弘
![]() 穂村弘の歌って何なんだよ、どこがいいのかわかんねーよ。と思っている人にお奨め。 穂村弘の歌を読む達人山田 航が解説(観賞)を書き、穂村弘本人が観賞を解説します。穂村短歌の読者なら、自分の読みと山田 航さんの読みを比べて見るのも楽しいでしょう。私はふまじめな読者なので、一読して好きな短歌だけ解説を読み、わからんと思った短歌は放っておきました。 ちなみに解説を読んだのは以下の三首。
好きだけど、解説を読む必要ないやと思ったのが
です。 |
分け切れないクレマチス
![]() ![]() ![]() ![]() アメリカフヨウをバックにしたジェニー、キウイの棚の陰に憩うエルサスパス。→ 青系の花は涼しそうですね。 ![]() ![]() ![]() 色が若干薄いテンテルと、比較的濃い色のテンテル。同一株です。→ 弁央に入った緑が涼しそう? ![]() 咲く時期別(早咲き・遅咲き・冬咲き)、剪定別(弱剪定・強剪定・任意剪定)、花色別(紫系・赤系・白系)、系統別(パテンス系・ジャックマニー系・ビチセラ系・他)など、色々考えたけど、たとえばこの記事をどこへカテゴライズするかと考えると、もうどこに入れたらいいか分かりません。いい分け方を思いつくまで、現状のまま突き進みます・・・・。 |
驚きの介護民俗学/六車由実
![]() 老人介護施設の利用者(痴呆症患者や統合失調症患者を含む)から聞き取りをして民俗学の記録を残すことが、学問と施設利用者のどちらにも有益だという驚きの介護民俗学。 介護の実践または勉強をしている人なら、「そんなこともあるかもしれない」とけっこう受け入れてくれそうな気がするが、民俗学者はどうかなあ。村の古老は知恵の宝庫でも、養老院のぼけた年寄りの言うことを真に受けてくれるかしら。 幻聴幻視妄想の中から、過去の真実を見極めるのは難しいが、真実に近いものはきっとある。そしてそれは「100%真実でないから価値がない」わけではないと思う。健常者の過去の話だって、意図しない虚飾や自衛のための改変が混じり込むのだから。 介護民俗学が介護者の支えになることだってあるかもしれない。 もしかしたら今自分が読んだ本は介護界(?)の革命を呼ぶ本かもしれないと思いつつ、読了。 サントリー学芸賞受賞の気鋭の民俗学者がちゃんと資格をとって介護職になってしまうところがすごい。研究のために老人を利用するのではなく、「驚き」を持ってわくわくしながら老人と向かい合っています。この「驚き」無くして介護民俗学は成立しないのでしょう。 逆に、民俗学の学者でなくても介護者に「驚く」能力があれば、介護民俗学は全国通津裏うらで豊穣の実りを見せてくれると思います。 |
雪辱の君
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ジェニー二番花OPEN
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立秋
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八月の光/朽木祥
![]() ファンタジー世界に仮託しない、原爆を主題にした短編小説集。 「助けて」と呼ぶ女子中学生を見捨てて逃げた青年の話が秀逸。 本当は、人の心の綾を丁寧に書いた物語に「秀逸」なんてほめ言葉は使いたくないのですが、今は相応しい言葉がみつかりません。 どの短編も辛い話ですが、読後感が暗くはありません。この悲劇を越えて生きてきた先人への尊敬と親炙を感じます。 自分も、悲劇に負けなかった人たちに学びたいと思います。 |
節分のクレマチス
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あなたなら誰が好き?
![]() 三浦しをん著「舟を編む」を再読しています。
![]() 『島をどう説明する?』と問われて A「周りを水に囲まれ、あるいは水に隔てられた、比較的小さな陸地」 B「海にぽっかり浮かんでいるもの」 C「じゃあクジラの背中も土左衛門も島なのか」 と答える人から選んでください ![]() Cもちょっといいかなと思うけど、人間の死体や泳いでいるクジラに『ぽっかり』は使わないと思うんです。私はこの人と議論を楽しむことはできるけど、恋愛対象にはならない気がする。 Aは、誠実で、同僚としては頼りになると思いますが、つきあうのにはつまんない人って感じ。 ![]() 今日の読売新聞書評欄で三浦佑之父さんが日出処の天子 完全版 (MFコミックス)を紹介していました。作中の蘇我毛人の紹介を、味わい深く読みました。 |
おニューのアーチ
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週末家族/桂望実
![]() 小説として欠点はあると思うんですよ。「思いこみに負けるな」というメッセージが生で出て来過ぎるところとか、冒頭から登場する瑞穂のネガティブでじめじめした性格が感情移入しづらいとか。 それでも私はこの作品に5つ星をつけます。 家族はチームであるという発想に星5つ。 チームなら解散だってあるわけで、今より幸せになるための離婚するカップルがいるように、合意の上で解散する家族だっているでしょう。 離散ではなく解散なら、離れることで幸せになることもあるはずです。実の母親から離れたひなたのように。 親が一方的に解散を宣言するとホームレス中学生などが出来てしまいます。 合意のない解散は解散じゃなく、子捨てや姥捨てと呼ぶのが妥当でしょう。 |