絶望の国の幸福な若者たち / 古市 憲寿 |
2011/12/31(Sat)
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これ、私の2011年読書のベストワン本です。
この本の特色は3つ。 1.専門用語の使い方 (かけだしだが)学者、の書いた本なのに、専門用語が少ない。 たまに出てきても、「専門用語でいうと何何」という解説が本文の中でされる。 2.扱う事象や参考文献の新しさ (かけだしだが)学者、の書いた単行書なのに、2011年に起きた事件や2011年に出版された本についての論評が載っている。これは月刊誌かと思うくらい、情報が新しい。 3.脚注が面白い (かけだしだが)学者、の書いた本がこんなに面白くていいんだろうかと思う。ことに脚注は、率直にしてあけすけ、ときに身も蓋もない感じ。先学に対して遠慮会釈のない解説をしており、この人学会にたくさん敵ができたろうなと思います。 特色以上。 何しろ読んでて面白いんです。 面白いからって正しいとは限らず、同時に面白いから信用ならないとも限りません。論者の正しさを信ずるかどうかは読者次第です。 |
天上紅蓮 / 渡辺淳一 |
2011/12/30(Fri)
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50歳の年齢差を越えて愛される上皇の魅力というのがとんと伝わって来ないし、50歳の年齢差を越えて上皇を愛した璋子という女性の強さ賢さも伝わって来ません。 男の魅力は性技巧と権力で、女の魅力は色香だけという感じ。共感も感動もできません。 文藝春秋読者賞受賞作だそうですが、期待はものの見事に裏切られました。 私は文春読者の大勢とは気が合わないのかも・・・・ |
死にゆく者の礼儀/遙 洋子 |
2011/12/28(Wed)
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母親を看取った記録。 兄弟、特に兄と兄嫁とその子(甥姪)について忌憚なく書いていて、「大丈夫か? これからも家族または親戚としてつきあう人のことをここまで書いて」とこちらが心配になってしまいます。 手法や表し方があまりにも違うけれど、『みんなが頑張っている』という認識があるから書けるのでしょうか。 プロのヘルパーさんも本当にいろいろな人がいますね。ヘルパーさんの洞察力のすごさに驚かされるエピソードを読み、訪問介護員や介護福祉士を国家資格にしてどんな試験を科したとしても均一化できない部分に、看取りの質が大きく左右されるんだなと思いました。 |
介護と恋愛/遙 洋子 |
2011/12/27(Tue)
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父親の介護をしながら仕事も恋愛もしていた時の記録。 婚約の日の両家顔合わせ時に、痴呆の父親が「おれはこんな話聞いていない」と言い出して、新郎予定者とその家族を激震させるところなど、悲劇なのか気喜劇なのかわからない迫力で、事実は小説より奇なりと呟きたくなります。 恋愛も介護もどちらも大事で、どちらも手放せず、どちらも全うできない悲しさは「介護と○○」の○○を抱えている人に共通する悲しさだと思います。 東大で上野千鶴子にフェミニズムを学んだ著者にして、この悲しみは避けられませんでした。自分がその時抱える○○は恋愛ではないと思いますが、せめて、フェミニズムを学んだ著者だから言語化できた経験の数々を忘れずに、自分の問題に当たりたいものです。 <ネタばれ部分追記にあります> |
師走の庭 |
2011/12/25(Sun)
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安心ひきこもりライフ/勝山 実 |
2011/12/24(Sat)
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太田出版て変な出版社なのでは? と気づかされた一冊。 なぜこの本を出すのだろう。みんなが安心して引きこもっちゃったらどうするのよ?? と思って読み始めたのですが・・・・。 実際には『ひきこもり』は引きこもらせないようプレッシャーをかける家族を含む社会との闘いだから、闘いは社会と本人にまかせ、引きこもらざるを得ない人を楽にしようという出版意図なのかなと思います。 「働きたくない」と公言してそれが通っちゃったら、社会は成り立ちません。一定数いる「働きたい」人の税金で働きたくない人の衣食住を支えていくのはキビシイ。 でも「働きたくない」人が働けるほど賃金労働は甘くないですよね。 次は「ぼくはお金を使わずに生きることにした」を読んでみます。 |
聖夜待つ |
2011/12/22(Thu)
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クレマチスと薔薇の専門店 まつおえんげいへの道 |
2011/12/19(Mon)
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地理音痴かつ方向音痴の園芸好きが、遠方から虚仮の一念でまつおえんげいに行こうとするとき役に立つ記事です。普通に地図や路線図を読み解ける人は読み飛ばしてください。
![]() 「明日はこの冬一番の寒さです」という天気予報を受けて、ヨドバシカメラ京都店に防寒グッズを買いに行きました。園芸店で長居をするのに必要なレギンス、服に貼るカイロと靴下に貼るカイロ。 ヨドバシカメラ京都店にはユニクロもジャンプショップも入っていて、ついつい長居をしてしまいました。 ![]() ![]() 私はJR京都線というのが路線図で見つけられず、京都から地下鉄で『四条』へ出て、四条と駅がつながっている阪急京都線『烏丸(からすま)』駅で乗車、『洛西口(らくさいぐち)』で降車しました。 バスは1時間に2本、平日でも3本。料金は230円でした。 ![]() 洛西口駅のコインロッカーに荷物を預けておらず、洛西口以外の駅に出てもいいならバスの本数はたくさんあります。 ちなみに私は『四条烏丸』行きに乗って帰りました。運賃は290円でした。 ![]() ![]() ほどなくして正面に小さい児童公園が見えて来ます。 ![]() ![]() ここだここだ! と一人で盛り上がります。あとは道なりに進むだけ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ☆彡(ノ^^)ノ☆彡ヘ(^^ヘ)☆彡(ノ^^)ノ☆彡 Congratulations!! |
奈良に行って来ました |
2011/12/17(Sat)
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上野先生、勝手に死なれちゃ困ります |
2011/12/16(Fri)
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上野先生が対談相手の親のことを遠慮なくけなすのにびっくりし、自身も社会学者(かけだし?)である古市さんが、上野先生に向かってあまりに初歩的な質問を繰り出すことにもビックリしました。 介護保険てなんですか? えー、そこから説明しなきゃなんないの、みたいなやり取りがリアル。でも上野千鶴子にそこから聞いてしまう古市さんの蛮勇のおかげで、『理論的かつ現実的』な上野節の説明を読者も聞ける(読める)わけです。 先達である上野先生が自分たちの為し得たことと為し得なかったことをちゃんと並べて見せて、あとはあんたたちが考えなさいというところはカッコイイ。 だけど現実に自分は古市さんの立場に近いので「かっこいいなあ」だけではすみません。これから上野先生の置いて行った宿題を考えなければ・・・・。 問題は何が問題であるか考えるところが一番難しいので、あとは答えを探すだけにしてくれる先生は後進にとってよき先達です。問いの立て方が間違っている可能性はもちろんありますが。 それを見抜くかどうかは後進の器次第です。ガンバレ古市(学者)、ガンバレ私(実践者)。 |
店員が見つけたロングセラー / 太田出版 |
2011/12/15(Thu)
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2003年に、書店員が「あと10年は売り続けたい」と願った本が並びます。現在2011年、残っている本と絶版になった本と、命運がもう大体わかります でももっと気になるのは、ここに登場する書店員さんが、今も本屋さんで働いているかどうかです。 彼ら彼女らのキャリアは10年後にどうなっているのか。書店員のキャリアを正当に評価される文化が、この国にあるのか心配・・・・。 |
書店ポップ術 グッドセラー死闘篇 / 梅原 潤一 |
2011/12/14(Wed)
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ポップはいいのだけれど、ポップそのものも製作裏話もおもしろいんだけど、「このポップで200冊売った」とかどうして言えるんだろうと思います。 それはポップの力だったの? ポップだけの? 本そのものの評判や、装丁や、タイトルの良さや、要因はいろいろあるに決まっているし、著者がそのことに気づかないはずがないのに、「このポップでしかけた」とか「売った」と言い切れるのはなぜなのかと思います。 前作同様ポップはそれぞれ面白いです。この本を読んで読みたくなった本が何冊も・・・・。 |
「本屋」は死なない / 石橋 毅史 |
2011/12/13(Tue)
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いい仕入れを(棚作り)をするために、新たに担当した分野の本を600冊読んだという書店員の話は、拡大コピーして全図書館員に配りたい。 読んだ冊数だけで選書力をはかることは出来ないけれど、担当ジャンルを知ろうとするその努力には脱帽するしかないと思います。 |
本物の四季咲きクレマチス 20111210 |
2011/12/11(Sun)
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![]() そして10日朝、「今度こそ雪?!」かと見紛うほどの強霜。そして霜柱。 冬将軍到来です。 ![]() ![]() ![]() ああ、まさに四季咲き・・・・。 |
執事のこと |
2011/12/09(Fri)
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![]() 原作を読んでいたので、原作との違いを楽しんで見ています。 出色は風祭警部。お調子者を軽々(かるがる)と演じて素晴らしい。 執事は・・・執事は・・・執事としての重厚さが足りません。常日頃は無駄口を叩かず、鉄面皮なくらいの落ちつきを見せてほしいものです。 風祭警部の警察官として破格のミーハーぶりを「テレビだから」と許すなら、軽軽(けいけい)に振る舞う執事も許すべきかな。 いいえ、やっぱり主人公だし、なにしろ『執事』ですから、執事職の夢は壊さないでもらいたい(笑) |