大奥 第3巻/よしなが ふみ
![]() なか睦まじい家光と有功でしたが、1年経っても子どもができなかったため、春日局の強引な手管で側室は交代、有功は退けられます。 子どもが出来なければ戦乱の世に戻ってしまうからと、家光の感情は無視する春日。世継ぎを生むという役目を果たさなければ、家光自身が生き延びられないと因果を含める有功。新しい側室を抱き、子をなしながら有功を思い続ける家光。 大奥の無用の用に徹しながら、家光を思い続ける有功の「私はあなた様を母にしてさし上げることができなかった」という台詞がどこまでも悲しい3巻です。 政治の道具として子作り子生みをさせられる家光ですが、自分の役割にともなう権力をも自覚し、政治家として成長して行きます。赤面疱瘡の再流行で男女の人口比が1:5となった頃、武家が女子相続を正式に認めることとし、自分も女将軍として姿を現すラストシーンは見事。お見事です。 新側室の捨蔵が大奥で紹介されるシーン、わずか2ページで捨蔵の皮相さを描き切るのみならず、1巻で水野の装束を仕立てるときに出てきた「お万好み」の語の由来が明かされています。有功はファッションリーダーでもあったんですね。 ![]() ![]() |
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