塩の街/有川浩
![]() 空から巨大な何かが降ってくるというのは荒唐無稽だけれど、ひとたび「それ」が降ってきたならこうもそうもあろうかと思います。 非常事態にあっては、死ぬ人が身内でなければ、しりあいでなければそれでいいのか? ただ恋人ひとりを守るために、国を、人類を守ることが必要だとしたら、そのためにわが身を滅していいのか? 恋人が死んだあとの世界に残りたくないから、恋人にふりかかる危険を自分が負うのだとしたら、それは自己愛じゃないのか? 大人は守るもの子どもは守られるもの。子どもは支えるもの、大人は支えられるもの。それはそれでいい。まっとうな人間社会だと思う。 しかしその大人と子どもの関係が男と女の関係に置き換わると、とたんに落ち着かなくなります。およそ10年の歳の差があるカップルで、一方が未成年の女性だと、ときどき年長の男の側に「弱者に依って立つなよ」と声をかけたくなります。 そんなこんなで、共感したり違和感持ったりで忙しいのですが、話のテンポはよく、目的のために手段を選ばないキャラクターがけれんみなく活躍したりして、エンターテイメント性は十分です。 私は秋庭(10歳年長の男)の直情径行なところが好きでした。鎧を纏っていても、基本の気持ちがストレートで。唯我独尊的なところはあっても、聞く耳をちゃんと持っているし、なにしろ自分の気持ちに素直なのがいいと思います。 女は(名前を忘れてしまいました)とても素直に成長していくのが出来すぎな感じ。自分はもっとジタバタしていたので(笑) ![]() ![]() |
さすが!と言わせる FC2ブログ徹底攻略術 第2版
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