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三浦しをん「悶絶スパイラル」
2008 / 02 / 28 ( Thu ) 13:58:46
悶絶するほどおもしろく、読み終わるやいなや著者のブログを見にいき、一時間も読んでしまいました。

悶絶スパイラル
三浦しをん著. -- 太田出版, 2008

あんまり感心したので長きを厭わずに引用します。
 私が思うに、披露宴のスピーチで避けるべきなのは、
一、子どもに関すること
二、夫唱婦随をほのめかすこと
三、これからは社会のために的展開
 である。
 子どもは結婚しなくてもできる。男が提唱することに従うしかできない女は妻になるべきではないし、男が提唱することに従うしかできない女じゃないと家庭生活を営めないような男は夫になるべきではない。独身であっても社会に貢献するのが当然であって、そういう心構えがなかったものは結婚したって社会に貢献などしない。

いやまったくだ。
三の見解はちょっと厳しいかな。結婚を機に社会を意識し、自分に出来ることを考える晩成型もいると思うぞ。

ただスピーチで避けるべきなのはその通りです。これを機に社会貢献を期待するというのは(言いたければ)新郎新婦に言えばいいことで、「この人たちいい大人なのに今まで社会のことなんか考えてきませんでした」と他の客に公開するのは招かれた客として非礼ですから。

他に、お父さんの話が可笑しくてなりませんでした。
柳沢教授と漆原教授の中間を行く感じ。娘にこんなことを書かれて、大学でのお立場は? といらぬ心配をしてしまいます。
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紅玉いづき「ミミズクと夜の王」
2008 / 02 / 28 ( Thu ) 13:55:30
randokuさんに教えてもらった物語。裏庭 (梨木香歩)辺境警備(紫堂恭子)を思い出しました・・・・。

ミミズクと夜の王 (電撃文庫 こ 10-1)
紅玉いづき[著]. -- メディアワークス, 2007.

掌に乗ってしまう文庫本が異世界への入口。
ひさびさに、そんな感じを受けました。
泥にまみれる奴隷として受けた名がミミズ。自分で一字を足してミミズクと変名した少女は、自分がミミズクだからという理由で、夜の王をフクロウと呼ぶ。
そんなふうに呼び名がキイになるところで裏庭 (梨木香歩)を思い出したらしいです。
潔い(ということは度量があるということ)王と、妻をこよなく愛する騎士と、神官の心得のある妻などが登場し、それがみんな沽券に拘泥しない(つまり器が大きい)いい人だというところに辺境警備(紫堂恭子)の世界を感じたようです。どうも。

もちろん作品はオリジナルであり、知的能力が低い?と思われたミミズクが、あまりにつらい境遇ゆえに感覚を鈍磨させ思考を停止していたのだと分かってくる筋立てには、もう「してやられた」気分。気づいたときには物語世界にどっぷりです。
どんなにつらい記憶でも、記憶を奪われるのはさらにつらいというミミズク。手を引き、背を押してやりたくなるミミズク。

続編が待たれますです。

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梅沢富美男「梅沢さんちの台所」
2008 / 02 / 28 ( Thu ) 13:50:29
現実的でおいしそうな料理が並んでいます。ほんとうに愛と食欲で作ってるんだなーって感じ。
なお、私の言う「現実的」とは「簡単そう」と同義です(笑)

梅沢さんちの台所 梅沢富美男愛情レシピ集
梅沢富美男 /日東書院本社 2007/12出版

料理には愛情がこもっているというのが素直に読めます。料理で女を篭絡しようなんて姑息な魂胆じゃないのがよくわかる。
僕が作る立場になったとき、ふと気づいたんです。毎日おいしい料理を食べていた、あぁ、僕はずっと愛情をそそいでもらっていたんだなって。
 今度は僕が家族に愛情をそそぐ番です。ありがたいことに、家族はいつも「おいしい」と言ってたべてくれるんです。
という「はじめに」の文章がとてもいい。
自分ももっともっと感謝して、おいしいって言いながらごはんを食べようと思います。

今夜のごはん、なにかなあ。

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漫画と文学
2008 / 02 / 28 ( Thu ) 13:48:47
読売新聞にピアニッシモが紹介されていました。世に小説が原作の漫画が増えてきたと思っていたら、ついに出た小説のコミカライズ雑誌。

「文庫になるのを待ってから読もう」じゃなく「コミックになってから読もう」時代の到来か??



そういえばさくらももこさんが自分のエッセイを漫画化していました。文学と漫画の境界が低くなると、こういう例も増えてくるでしょうね。

  

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日記 TB:0 CM:0 admin page top↑
「珍名さんのいろいろ」「読みにくい名前はなぜ増えたか」
2008 / 02 / 28 ( Thu ) 13:45:14
まずは姓の部。ハンコやさんが集めた珍しい姓の数々。新風舎の本ですが、おもしろいので図書館でどうぞ。

珍名さんのいろいろ ハンコやさんが案内する名字の不思議 森下恒博 /新風舎 2007/10出版


お次は名の部。
苗字と違って(文字の制約はあるが)ほぼ親の自由に選べる名前なのに、なんだってこんな読みにくい名前が多いのか。個性的な名前はいいけど、人に読んでもらえなくては名前の用をなさないですよ。これから親になる人は、この本を読んで冷静になってもらいたいです。

読みにくい名前はなぜ増えたか(歴史文化ライブラリー ; 236)佐藤稔著. -- 吉川弘文館, 2007.

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腐女「腐女子の品格」他
2008 / 02 / 28 ( Thu ) 13:42:09
なぜ地元図書館は、この本を入れて、「結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日」を入れてくれないのか。

腐女/腐女子の品格制作委員会 /リブレ出版 2008/01出版
あなたは今「彼氏がいない」んじゃなくて
「彼氏は必要じゃない」のよ

という腐女子の先輩の科白は、ある人たちについては真理だろうなと思いました。

それにしても、地元図書館はオタクに優しいです。「ぼく、オタリーマン。」も「ぼく、オタリーマン。2」も入っています。「すーちゃん」は入ってないのに。

ぐだぐだ言ってないで結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日

をリクエストすればいいんでしょうが、リクエストを「マンガだから」という理由で断られるのは一度だけで充分です。

ちなみに以前この理由で断られたのは勤務地図書館。私たちは繁殖している (5)でした。1巻から4巻まで入っているのに5巻目をこの理由で断られ「資料費削減で選書基準が変わったのだろう」としか考えられませんでした。

以来、図書館に入っていないマンガは入るのを待ってからリクエストするようにしています。(入らないときは諦めます)
今日の早川さんは図書館を当てにせずに買っちゃったけど、結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日は買おうかどうか迷うところです。あーあ、迷う。

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