近江哲史「図書館でこんにちは」
![]() 図書館のヘビーユーザーが高じて、ついに図書館運営を受託するNPOを作っちゃった?!
図書館でこんにちは―本に出会い、人に出会える楽しい場所へ (日外選書Fontana) ![]() . 日外アソシエーツ, 2007. 概ね面白い本で、ときどき膝を打ちながら読んだのですが、あとがきに引っかかってしまいました。それまできれいな風景に見とれながら歩いてきたのに、最後に犬の糞を踏んで散歩が台無しに終わったときのような気持ちです。 「君は図書館を使うばかりか、今度は運営に関わりたいとまで言っているようだな」と彼は驚き顔で言った。 このやり取りの中で、なんでわざわざ括弧に入れてまで(ご婦人ならなおさらだ。)と書かなきゃならないんでしょう。 私は美味しいものをたべたら「また食べたい」と思うのみ、ついぞ自分で作りたいとは思ったことがない女です。著者にとって、こんな女はご婦人ではないということなんでしょう。不愉快です。 著者はフェミコードに鈍感な男ですが、いいことも言っています。参考になる本です。 でも著者は嫌いです。 |
きむらゆういち「小説 あらしのよるに」
![]() これは「ロミオとジュリエット」の上を行く究極の純愛小説です。二人が同性だから友情の物語だなんて、だまされるのは子どもだけ(?)です。
小説 あらしのよるに ![]() 二人は秘密の恋に落ち、周囲が見えなくなるほど幸せ。秘密が露見し、群れにいられなくなった後はさながら道行き。 そこにはもう帰ることを心配しなくていいなくていい、ずっといっしょにいられるんだという喜びがあって、まさしく蜜月の心地。 相手を群れから引き離し、本来の生活環境を失わせてしまったことへの悔悟があったり、生活習慣の違いと疲れから二人の間の言葉数が極端に減って、孤独と将来の不安を感じるのもまた人生。 人が、いつパートナー(の時間を愛を労働)をエサにしてしまうか分からない存在であると考えると、ガブの苦悩は他所事ではないと思います。知らず知らず相手を食いつぶす悲劇は、ありふれすぎていて悲劇と認識されませんが。 ラストは紅涙をしぼります。(絵本とも映画とも違う結末です)既に絵本や映画を見た人も、ぜひ小説を読んでみてください。 ![]() ![]() 映画を見たときは友情物語としか思いませんでした。絵本ではほとんど何も感じなかったし。自分は映像を読むのが下手なのかなと思います。 |
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