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息子の宿題
2007/11/30(Fri)
来週月曜日提出期限の息子(小五)の宿題。 「家の中にある外国製品を10種類みつけてメモしてくること」 家にある衣料品の多くが中国製だからすぐに10種くらい見つけられるけれど、箪笥だけ見てすんでしまったのではつまらないから、他にはないかな? という話になりました。 すかさず夫が 「ワインのヌーヴォーとウィスキーのバランタイン12年ならあるぞ。岳志のためなら老酒も買ってくるぞ」 といいます。何が『岳志のためなら』じゃ。 「あなたには見栄というものがないの? あたしゃ図書館で *と**を借りてくるよ」 「読めるわけないだろう。見栄だってことがバレバレだぞ」 「読めんとも。見栄は見栄と分かりやすく張らないとカッコ悪いの。『法螺は3倍に吹け』***っていうでしょう」 「ならオレはバランタイン30年にするぞ」 「ウソはだめ」 「かあちゃん ウソとホラはどう違う****の」 ・・・・・・・・宿題は月曜までにできあがるのか令 注 *  ハリーポッターシリーズ第7巻(未訳出) 産出国:イギリス ** 早川さんも吹っ飛ぶ名著「重力の虹」原作 産出国:アメリカ *** 「ホラは3倍に」発言者は我が実母 **** バランタイン12年よりずっと値段が高い24年よりもっと高い酒(縁が無いので幾らするのか知らない) *****事実かそうでないかよくわからないのが「ウソ」。あきらかに事実でないと分かるのが「ホラ」。
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大田垣晴子「わたくし的読書」
2007/11/30(Fri)
この手の本(書評や読書録)は、それを読んで新たに自分が読みたくなる本や、人に紹介したくなる本を見つけられればアタリ、そういう出会いがなければハズレと分けているのですが、これはハズレでした。 わたくし的読書 (ダ・ヴィンチ・ブックス)
大田垣 晴子 / メディアファクトリーダヴィンチ編集部 (1999/04) でも、暇つぶしには手頃です。30分楽しめました。
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大石圭「出生率0」
2007/11/29(Thu)
アレックス シアラーの「世界でたったひとりの子」を先に読んでいたので、どうしても比べてしまいます。 出生率0(ゼロ)
大石 圭 / 河出書房新社 (1996/09) シアラー版は出生率が0(ゼロ)ではありませんでした。0.001いや0.0001くらい? 「なにしろ子どもが希少である」シアラーの世界と、「もはや子どもが生まれない」出生率0(ゼロ)の世界は、殺伐度が段違いです。 次世代の人がいないということは、次世代に残すべきものが何もないということで、人は刹那的享楽的になり、自他の命を軽んじるようになります。「どうせいずれ死ぬ。人間は滅びるんだ」というふうに。 金持ちは人身売買はするし、どちらかが死ぬまで戦うデスマッチを余興にするし、貧乏人は暴動や略奪に走るし、人口が経るばかりの時代に、何で今生きている命を粗末にするんだか。 次世代という希望無くして平和はありえないといわれているかのようで、この展開には違和感があります。 そりゃあ、虚無的になる人も自暴自棄になる人もいるでしょうが、種の断絶すなわち絶望ではないと思うんです。 人類最後の子どもが7歳になっていたとしても、大工には100年保つ家を建てようとする人がきっといるでしょう。小説家という小説家が「いずれ読む人がいなくなるから」という理由で筆を折ったりはしないはずです。将来がどうであれ今読んでくれる読者の為に書き続ける作家が、必ずいると思います。 そういう人が、出生率0(ゼロ)には一人も出て来ず、あきらめて朽ち滅びる人ばかり。食傷します。 人間の強さは、尊厳は、簡単に絶望しないことで証明される。動物は希望も絶望しない。 人間がその尊厳を試されない世の中を、「平和」というのかもしれません。
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島田雅彦「佳人の奇遇」
2007/11/28(Wed)
島田雅彦という小説家の本はまだ読んだことがありませんでした。初めて読んで、面白かったです。
佳人の奇遇
島田 雅彦 / 講談社 (2007/10/30)
出版社 / 著者からの内容紹介 今夜、コンサートホールに奇跡が起こる ある日、コンサートホールに集まった人々 超問題児のオペラ歌手と即席マネージャー、マエストロと過去の女たち、大学講師とOL……それぞれの恋の行方は!?島田雅彦による最新恋愛小説 死んでいくためだけに表れたもの静かな登場人物がいたり、おとなしいキャラクターだと思っていたら最後にどんでん返しをしてくれる登場人物がいたり、荒業も小技も見せてくれる作家さん。 イッツ エンターテイメント です。
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天野彰「六十歳から家を建てる 」
2007/11/27(Tue)
元気な六十代が家を建てたからといって、なに驚くほどのことがありましょう。 六十歳から家を建てる (新潮選書)
天野 彰 / 新潮社 (2007/09) 驚くべきは著者の母の晩年です。 足腰が弱り、立ち歩けなくなってからは家中に渡した紐を引っ張って滑りのいい絹の座布団に座ったまま、移動したとか、浴槽に入れなくなっても、洗い場のすのこの上に寝転がって自分で体を洗っていたとか。 老後には老後にふさわしい家があるし、何より、老後にふさわしい暮らし方があるものだと、ほとほと感心。住み続ける意思に勝る意匠はないと思いました。
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酒井順子「ひとくちの甘能」
2007/11/26(Mon)
おいしそう! 文章も写真も甘能的です!! ひとくちの甘能
酒井 順子 / 角川書店 (2006/04) 自分にとって未知の食べものが3種類載っていました。この年になって「まだ食べたことのないもの」で、出会うのが楽しみなものがあるのはうれしいことです。(ちなみにそれはマロン・シャンテリー、バナナ・スプリット、タルト・タタン)。 たくさん欲しいわけではなく、頻繁に欲しい。 少しでいいのだが、欠かしたくない。 なくても生きていける(はず)だが、それがない人生は淋しすぎる。 まさしく甘味は官能的。
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柳沢有紀夫「日本語でどづぞ」
2007/11/25(Sun)
海外で集めた、外国人による日本語いいまつがい集。ささ、「エしぺ-タ-で-階へどラざ」 日本語でどづぞ―世界で見つけた爆笑「ニホン」誤集 (中経の文庫 や 2-1)
柳沢 有紀夫 / 中経出版 (2007/09) ノートルダム大寺院に立つ歓迎の看板。 大書された日本語は「よこそう!!」。 いいたいことはかろうじてわかるけれど、なんとなくぶっそう。 パリのカフェでの日本語メニューにある「風邪は飲む」という見出し。 その下に並ぶのは玉子酒でも生姜湯でもなく、いわゆる普通のコールドドリンク。 なあんだ。 ペルーのデパートにかかった垂れ幕には堂々と「明けましておめでとうございました 元旦」。 ここで働く人たちは、なんだかちょっとおめでたいかも。。。。 非ネイティブジャパニーズの人たちが、なんとかして日本語を使おうとしてくれているのは日本人としてうれしい限りです。ほんとに「つかれたさまでした~劣」で、ますます「ばんがれ~」と応援したくなります。
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西原理恵子「サイバラ茸7」
2007/11/25(Sun)
初出から単行本化までに時間がかかるので、亡き鴨志田さんの活躍?暗躍?が見られます。ここで再会できてうれしいです。 サイバラ茸7
西原 理恵子 / 講談社 (2007/10/31) サイバラが各誌に描いた挿絵ならぬ挿しマンガを集めた本。もう7冊目になりました。挿しマンガがそれだけで独立して読めるのは、漫画家の力量でしょう。 添え物に止まらないサイバラ漫画。というか、本文に勝負を挑むサイバラ漫画です。 「私の方が面白く描いたら私の勝ち」って感じ? 本文と全く同じことを描いたのでは読者へのサービスに欠けるから、本文とちょっとずらせた内容にして。 ちょっとずれているから、本文に寄りかからなくても楽しめるようになったのでしょう。最初にサイバラ茸(西原だけ)企画を考え、纏めた人ってエライと思います。
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養老孟司「バカにならない読書術」
2007/11/21(Wed)
子どもに本の読み聞かせをするより、外で遊ばせた方が脳の発達に有効令 バカにならない読書術 (朝日新書 72)
養老 孟司/池田 清彦/吉岡 忍 / 朝日新聞社 (2007/10/12) 外遊びをして五感を使い、脳を鍛えた結果読み聞かせを理解できるようになるのである。読み聞かせは大人が自分の為に時間を使っているという実感を与え、愛情を感じさせるから重要なのだ。と、養老先生は言います。 裸足で遊びぬいたわが子の幼児期は間違っていなかった! 脳が鍛えられた結果は・・・・これから出るのでしょう。
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富坂聰「中国という大難」
2007/11/20(Tue)
水不足、環境汚染、汚職蔓延、受け皿のない退役軍人。 このうち対岸の火事として遠く見ていられるものはどれでしょう。 中国という大難
富坂 聰 / 新潮社 (2007/04/27) 中国の国土が乾けば大量の黄砂が日本にやってくる。 汚れに汚れた河川の水が注ぎ込むのは東シナ海。 在日中国人の数は50万人。不法滞在者も含めれば60万人を超えるという。 でもそんなのは後付理由。中国は中国だから、近しい国。 千年単位の昔からのお付き合い。肌の色目の色髪の色骨格の近似。 幸くあれ栄えてあれ。我がはらから。(でも私を脅かさないで) 中国で、貧しさゆえに結核菌を身の内に持ったまま田を打つ農民の話を、他所事とは思えません。権力を持たない、賄賂で潤うことのない人たちに幸せになってほしい。そう願いながら、一冊を読みました。 最後まで、農民が幸せになれそうな希望のある話は出てきませんでした。
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夏目漱石「直筆で読む「坊っちやん」」
2007/11/20(Tue)
「坊ちゃん」を最初から最後まで全部直筆で読めて、それでいて1200円?! これはスゴイ企画。当たるかも! 直筆で読む「坊っちやん」 (集英社新書 ビジュアル版 6V)
夏目漱石 / 集英社 (2007/10) とは思いましたが自分じゃ買わず、図書館にリクエスト。漱石は悪筆だと聞いていたし、読めなかったら困ります。 150枚の原稿全部を「見たい」ほどの漱石フリークではないので・・・・。 果たして、読めませんでした。 しかし冒頭に置かれた秋山豊さんの『自筆原稿を「読む」楽しみ』という文章がすこぶる興味深く、借りた価値は十分ありました。 今日も「借りられるから読める本」を読んで幸せでした。
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野火迅「使ってみたい武士の日本語」
2007/11/18(Sun)
しぶい! 今度使ってみたいことばがいっぱいです。 使ってみたい武士の日本語
野火 迅 / 草思社 (2007/09/22) 「小遣い値上げだなんてたわけたことをぬかすでないよ。一週間に三回もお手伝いを忘れる慮外者が。母の勘気が簡単に解けると思ったら、とんだ心得違いだからね」 とか 「この痴れ者。沙汰あるまでお預けというたであろう。犬小屋に遠慮申しつくる」 と言っていれば、児童虐待やペット虐待を防げるかも。 (言葉を選んで手間取るうちはいいけど、慣れてしまったら元の木阿弥?) ちなみに「遠慮」は蟄居・閉門・逼塞・遠慮という禁足の一番軽い段階。夜間に限ってくぐり戸からの外出が認められ、親戚や友人の訪問に対応することも可能。つまり昼間だけの外出制限ですね。 現在の「遠慮」からは想像もつきません。 そしてこの本で覚えたのは「下らない」の由来。
ところで関西から江戸への物流は、京都の権威を重んじて「下り」と呼ばれた。上方の物産は、どんなものでも江戸へ下っていったので、江戸へ下らない商品は、よほどツマラナイ商品とみなされた。「下らない」という言葉は、そこからきている。
のだとか。 かにかくに江戸の言の葉面白しいざ尋常に続き読むべし というわけで、これにてご無礼つかまつります。
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藤森照信野蛮ギャルド建築
2007/11/18(Sun)
建築家本人が書いた「タンポポ・ハウスのできるまで」とニラハウスの施主が書いた「我輩は施主である」を読んでいたので、大体の見当はついていたのですが、大きい写真で見るとますます面白い家です。 藤森照信野蛮ギャルド建築 (ギャラリー・間叢書)
ギャラリー間 / TOTO出版 (1998/02) 「もう大体のことは知っているけれど、A5より大きな写真で見たい」なんて望みを、叶えてくれたのは県立図書館の蔵書でした。 県立図書館の本を最寄の市立図書館で借りて、30分眺めて返す。・・・・なんとまあ贅沢で、恵まれた豊かさかだと思います。 ふとした好奇心に答えてくれる本が手元に届く幸せ。 確実に日本はいい国だと思います。 「健康で文化的な最低限度の生活」を全国民が保障されているとは言わないけれど、全国民が保障される日を目指して、投票したり税金を払ったりしていきたいと思います。
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荻上チキ 「ウェブ炎上」
2007/11/16(Fri)
新書だけど内容は濃いです。読みでがあります。 ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性 (ちくま新書 683)
荻上 チキ / 筑摩書房 (2007/10) 要約しようにも重要事項の連続で、どこから切り出していいか迷いました。芸がないけどカバー折り返しに載っている文章を引きます。
ブログやミクシィで、ある人物への非難が燃え上がり、収拾不能になることがある。 こうした現象を「炎上」と言う。 時に何千もの批判が押し寄せ、個人のプライバシーすら容赦なく暴かれる。有名無名を問わず「炎上」の餌食となるケースが頻発する今、そのメカニズムを明らかにし、そうした集団行動(サイバーカスケード)にはポジティブな側面もあることを指摘する。 ウェブという「怪物」の可能性を見据えた、現代の「教養」書。
インターネットの危険性を知った上でこれを使いこなすために、一読をお薦めします。
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尾崎左永子「短歌カンタービレ」2
2007/11/16(Fri)
この本の凄さを、私は隠していました。 本当は凄いんです。実作している人が読んだら即効性があると思います。 短歌カンタービレ―はじめての短歌レッスン
尾崎 左永子 / かまくら春秋社 (2007/09) 実際「尾崎さん困るよ。こういうことを結社外の人に教えてしまっては」と思っている結社のお偉いさんは多いんじゃないかと思います。 自分だけが読んで上手くなろうと思って、隠していたんですが、よく考えると自分は歌人じゃなかったのでした。 誰かこういう俳句の本を書いてくれないものかしら。
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よしたに「ぼく、オタリーマン。2」
2007/11/16(Fri)
2巻が出たのか、と思ったらもう巻頭マンガで3巻の宣伝をする編集者。 編集者も(それを描く著者も)・・・強気だなあ。 ぼく、オタリーマン。2
よしたに / 中経出版 (2007/08/31) お仕事良かったランキング(2006年から2007年に意かけて、よしたに氏が仕事上の「良かった」ことをマンガにするコーナー)が面白かったです。 特にランキング第一位が、泣かせます秊
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のだめカンタービレ #19:敗者の涙
2007/11/13(Tue)
コンクールは優劣をつけるのが目的だから、敗者だって出る。敗者の涙が描かれる19巻。 のだめカンタービレ #19 (19) (講談社コミックスキス)
二ノ宮 知子 / 講談社 (2007/11/13) のだめは相変わらずだし日本から峰くんはやってくるし、話のトーンは全体に明るいのだけど、シュトレーゼマンの聴力低下など、先行きの波乱を予想させる案件がいくつか出てきます。 ああ早く20巻が出ないかなー。 (と言ったら鬼が笑いますね。のだめカンタービレ19巻は本日発売です)
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尾崎左永子「短歌カンタービレ」
2007/11/13(Tue)
歌うように短歌を作ろうという尾崎さん。ある程度語彙の豊富な人なら誰でも短歌を作れそうなレッスンです。 短歌カンタービレ―はじめての短歌レッスン
尾崎 左永子 / かまくら春秋社 (2007/09) 巻末の特別対談が面白かったです。この対談を読むためにこの本を取寄せたので、正解でした。 対談の相手は穂村弘(1962年生)。私は今まで穂村氏の短歌に感心したことは一度もないのだけれど、エッセイや談話はすこぶる面白いです。 今回は座談の最後に 「・・・ところで、茂吉を超えようとしています?」 と問われて
はい。
と答えていました。 「できれば」とか「努力します」をつけずに、ここで「はい」だけを答える胆力。「はい」以外の全てをそぎ落としているところが美しいです。
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阿曽山大噴火「被告人、前へ。」
2007/11/13(Tue)
痺れるタイトルです。盛り上がる期待感! 被告人、前へ。―法廷で初めて話せることもある
阿曽山大噴火 / 河出書房新社 (2007/09) 著者は大川興行所属のタレント、というよりインディーズ司法記者(←自称)。週に5日東京地裁に通い、傍聴記もこれで3冊目、なんですね。 事実は小説より奇。だけど事実は小説より散漫です。 「おお、それは気の毒に・・・」という事情もないわけじゃないけれど「だからって・・・・するなよ」と思うような事件がほとんど。 とまれ、新聞報道と裁判の審理はずいぶん違っていることが多い、というのが分かります。 報道されたことだけ信じてないで、想像力と、「~とは限らない」という保留の態度を持つことも必要だと思わされる法廷レポートでした。 しかし、裁判員制度は本当に社会のためになるんでしょうか。「霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記」と「被告人、前へ。」とで同じ事件が扱われ、同じ被告についてずいぶん印象が違うのを見ると、こんなにも人の感じ方はさまざまなのに、訓練を受けていない人を裁判に参加させて大丈夫なのか? と不安になります。
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気弱ず
2007/11/10(Sat)
GGR見ていたら、選手インタビューの字幕に何回も「気弱ず」が出てきました。 これは、文脈からして「気負わず」でしょう・・・・。 しっかりしてくれ。テレビS玉。
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山粧ふ
2007/11/10(Sat)
紅葉の山よ絵の中分け入りぬ 長き夜がいただきますで始まれり 秋灯を低く掲げて爪を塗る
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田村裕「ホームレス中学生」
2007/11/10(Sat)
衒いも捻りもない文章。事実の重さだけで押してきます。一生に一冊しか書けない本だと思います。 <以下ネタバレ> ホームレス中学生
麒麟・田村裕 / ワニブックス (2007/08/31) 著者は11歳で母と死別。その後、癌を病みリストラされた父は、差し押さえられて入れなくなった自宅の前で、子どもたちに「解散」を宣言。そのまま姿を消した。 残された中学生の著者、高校生の姉、大学生の兄は塒と庇護を一度に失い、その晩から路頭に迷うことに・・・・。 周囲の尽力によって、全くのホームレス常態から、生活保護を受けての兄弟3人の生活へ。 本当に、親切な友人の親、近隣の大人に恵まれて、よかったねー。 その後、助力してくれた大人の一人が亡くなったとき、初めて自分の母親の「死」を理解したという著者。 実母を亡くしたとき小学5年生だった著者は「お母さんはいつか帰ってくる」という希望を捨てられなかったそうです。 けれど、中学3年になって親切な小母さんの死と、小母さんの死を嘆き悲しむ人たちの様子に触れ、『死んだ者とは二度と会えない』ことが分かった。 「幼さ」が子どもに親切だったから、母は死んでもわが子を守ることが出来たんだと思います。(愛するものをきっちり愛した母だったからこそ出来たことですが)。 母の死を受け入れた著者は、金があればあるだけ使ってしまうような高校生になります。中学時代にホームレス生活までして「蓄える」必要を学ばなかったあたり、幼いというのは悲しいことでもあります。 が、彼は、親の責任を途中放棄した父を恨まず、今度は自分が父を助ける番だとさえ言います。 なかなか言えないことだと思います。
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「霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記」
2007/11/10(Sat)
ミーハーな4人の女性の傍聴記。キャッキャラキャッキャラ。こちらも軽ーく読んでいきます。 裁判所の見取り図から隣の建物である農水省の食堂メニューまで、傍聴初心者にいたれりつくせりの本です。 霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記
高橋 ユキ, 多岐川 美伎, 長谷川 雫, 加賀美 はる子 / 新潮社 (2006/08/17) 自己主張の激しい被告、頭の悪い弁護士、感情的な検事、セーラー服を着た男の傍聴人。 法廷には本当にいろいろな人が集まるものです。 これだけいろいろな人がいるなら、私がテレビで見て「ありえない」と思ったクラブママのような弁護士も存在するかもしれません。つけ睫毛二枚重ねなのかマスカラ五重塗りなのかわからない庇のような睫毛に、日展工芸部門に出品したいような造形的巻上げ髪の女、霞が関ならいるかもしれないと思えてきました。 しかし、美しく苦悩する裁判官は滅多にいないでしょう。 理路整然としゃべる証人も、味のある証人被告もそうそういないのです。 NHKの土曜ドラマ「ジャッジ」のように役者が揃った見ごたえのある法廷を探すのは、浜の真砂の中から一粒の金砂を探すように難しいだろうと思います。 やっぱりドラマはドラマ。 今日の最終回は絶対見よう! P.S. 学生さんには「法廷傍聴へ行こう」をお薦めします。
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谷崎光「北京大学てなもんや留学記」
2007/11/09(Fri)
中国がこんなにも弱肉強食の世界になっていたとは・・・・とビックリします。 北京大学てなもんや留学記
/ 文藝春秋 (2007/06) 貧富の差は大きく、ありとあらゆるところで賄賂が動く。金持ちの意思だけが通っていく国。 それが中国。 そうなのか? とビックリしました。 小学校の子どもの座席まで賄賂で決められる(先生の目がよく届き、黒板が見やすいいい席につけるのは金持ちの子だけだなんて、本当?? 「ウソだと思いたいけれどきっと本当なんだろう」と思える話がたくさん出てきました。 政治に疎く歴史に暗く地理が大嫌いだったけど、ついつい「人間・周恩来 紅朝宰相の真実」「中国という大難」に予約を入れてしまいました。 中国共産党が15億人の命運を握り、大自然を壊していく。「党」が何を考えているか(無視しているか)なんて今までまともに考えたことがなかったほうが問題なんでしょうが、てなもんや留学記に出てくる北京大学の人々が誰もが「党」の意向から逃れられないのを見て、知ろうとしないではいられないという気持ちになりました。 留学記は明るく逞しく挫けない青春記だけれど、留学生になくて地元学生にある『しばり』が見えます。 彼らがいつかそれを脱ぎ捨てるのか、負ったまま駆け抜けるのか、そのとき著者は伴走しているのか競走しているのか、これからも「てなもんや」を書いていってほしいと思います。
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読書週間の過ごし方
2007/11/08(Thu)
読書週間の恩恵なのか呪いなのか、二つの公共図書館にリクエストしていた本が一時に届きました。年に2・3回こういうことがおきます。 通常10冊を超える時点で、取り置き本を受け取りにいくタイミングを遅らせるようにします。 本の取り置き本期間が一週間あるので、連絡を受けてから5日くらい放っておき、5日間で既に借りている本をガーっと読んで、読んだ本を返却しがてら取り置き本を借りに行きます。 驪マンガ、麗写真や絵の多い本(見るための料理本を含む)、黎頭を使わないで読める軽い本を先に読むと効率的です。 今回なら というところ。二日で三冊読めます。 次に優先するのが自分の後に予約が入っているのが分かる本。また、予約が入りそうだと思う本。今回は「ホームレス中学生」に予約が入っています。これから予約が入るかもしれない予感(当たるも八卦?)がするのが「使ってみたい武士の日本語」。この2冊は早めに読んでしまおうと思います。 あとはまあ好きな本から読みます。自分の後に予約が入らない限り、読み終わらなければ貸出を更新すればいいのですから。
買えば積読(つんどく)借りれば濫読。
(12月の図書館標語にしよう。ちなみに11月の標語は「燈火親しむべし」です)
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2007/11/08(Thu)
友垣が来たときにのみ柿取る子 他家の柿ばかに美味しと子等のいふ 柿を剥く子にピーラーを置いていく
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なんしか
2007/11/08(Thu)
山本文緒の「再婚生活」を読んでいたとき『なんしか』という言葉が出てきて、あれ?と思いました。 最初は「『なにがしか』の誤植か」と思ったのですが、その後何回も出てきたので誤植説は放擲。 方言か、私の知らない流行語かと思い、ネット検索してみました。 どうやら京都を中心にした関西地区の方言だったようです。 意味は「とりあえず、なにはともあれ」かな? 著者は生まれも育ちも関東圏だったと思うので、ちょっと不思議です。東京山の手育ちの人が「どまん中」というようなものでしょうか。 (「どまん中」は関西方言。東京弁では「まんまん中」)
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ドラマと読書
2007/11/07(Wed)
ドラマ「ガリレオ」を3回目から見て、4回で逃れられなくなりました。ええもうどこへも逃げられません。湯川先生の虜です。 原作を読んで湯川先生を私物化したい(読んでいる間は私のものですから)という欲求がムラムラと起きてくるのですが、もともと人気作家の原作にドラマの影響で、公共図書館の「探偵ガリレオ」予約者は二桁に上ります。どうしよう。 待つか? 文庫を買うか? この秋はドラマの獲れ秋で、NHKの「ジャッジ」がまた素晴らしいのです。これも3回目から見て4回で心酔。深酔いの泥酔です。 普段は優しい表情なのに、裁判となると被告人の言葉にも被害者の言葉にもにも厳しい表情を崩さない裁判長が、渋い。若いのに渋いでございます。 もうこの法廷から離れられない、と思って「霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記」を借りてきてしまいました。キャピキャピした本だけど仕方ありません。ドラマはオリジナル脚本なので原作がなく、ノベライズ「ジャッジ―島の裁判官奮闘記 (角川文庫 ん 26-1)」はまだ図書館に入ってないのです。 勤務先図書館では「鹿男あをによし」のドラマ化が話題になっていました。 この本は貸出中だけど予約はかかっていません。今から予約をかけておくべきか、否か?  鹿男の主演は玉木宏。「ガリレオ」の轍はもう踏みたくないけれど、現在公共図書館から借りている本がしめて12冊。受取待ちが1冊。一週間のうちに「鹿男あをによし」の順番が回ってきたら、一日一冊ペースで読まないと間に合いません。 さすがにちょっと無理です。 ああああ。読みたい本がたくさんあるとき、テレビドラマを見るのは危険です。
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酒井順子「黒いマナー」
2007/11/07(Wed)
酒井順子の真骨頂。 今まで誰も口にしなかった、黒いマナー。 再婚同士の結婚式で客はどう振舞うべきか、ハゲ始めたことを気に病みながら他人にはハゲと気付かれたくない男にどう声をかけたものか、同性同士で異性の悪口を言い合うときどんなあいづちを打つべきか、etc・・・。 黒いマナー
酒井 順子 / 文藝春秋 (2007/09) 格差マナーの項。 昔は同じような貧乏学生同士だったのに、今や稼ぎが雲泥の差という間柄で友情を保とうとするなら、稼ぎが下の人は上の人に対して
「すげえなぁ」 とは言ってもいいけれど、 「いいよなぁ」 とは言わないほうがいい
と著者は言います。
「すげえなぁ」という言葉には、無邪気さと敬意とが含まれるものです。相手の才覚とか努力を認める空気が、そこにはある。  しかし「いいよなぁ」の裏にあるのは羨望です。
「すげえなぁ」と言われると、人は「そんなことないよ、俺だってさ・・・・・・」と返すことができるわけですが、「いいよなぁ」と言われても返しようがない。相手が返球可能な球を放ってあげるのが、やはり人付き合いの基本というものでしょう
と言うわけです。 まったくそのとおりですよ。私は、人に答えに窮するようなことを言われたとき「コイツ、喧嘩売ってんのか」と思います。 惜しむらくは、収入の多い人が少ない人にどういう態度をとるといいかが書かれていないことです。極端な貧富の差には、マナーで対処できないということでしょうか・・・・。
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山本文緒「再婚生活」
2007/11/06(Tue)
再婚後の、うつ病生活の日記。 どうしてこんなものが面白いんだ?と思いつつ、一気読了してしまいました。 再婚生活
山本 文緒 / 角川書店 (2007/06) 低血圧の私が低気圧の来ているときに読んだせいか、引きずり込まれ、自分も動悸がしそうでした。出勤の電車で読むと、勤めに出るのが嫌になります。帰って寝たくなってしまう・・・・。 職場に行く前にファミレスに寄ってホットアップルパイを食べてしまいました。せめて血糖値を上げ、体を温めておこうと思って。 「再婚生活」だけあって夫も登場しますが、この方がなんともまめで、ケア力のある方! しかし、深い愛情や細やかな思いやりも、うつ病には効かないんですね。こんなに大事にしてもらっているのに、自分は最低だ、とますます自分を追いつめてしまう病人。 もちろん夫の存在が「効く」局面も多々あるのですが、自分がいることが重荷になるというときは離れ、必要なときに戻ってくる夫の心身の負荷は並大抵ではありません。 「出て行って」と言う人と、言われる人ではどっちが辛いかといったら、「どっちも」でしょう。 うつ病はほんと酷な病気です・・・・。 日記には中断があり、最悪の症状だったときは書かれていません。それでも、症状に波があること、揺れ戻しがあること、人前ではつい頑張ってしまって後が大変になることが多いということが伝わって来ます。いつ治るのかという見通しをつけるのが大変難しい病気であることも。 著者が治って(落ち着いて)よかったです。著者の直木賞受賞作すら未読でしたが、これから読んでみようと思います。
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