fc2ブログ
岡田斗司夫「世界征服」は可能か? 」
2007 / 10 / 31 ( Wed ) 07:04:56
世界征服にはうまみがない。と言われて意外な人はこの本を読んでみよう。 一番読んで欲しい人は北朝鮮の指導者だけど、まず読まないでしょうね。 「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)
岡田 斗司夫 / 筑摩書房 (2007/06) 世界を征服しても、人は、自分以外の人類を滅ぼして焦土に君臨し、動物や虫けらを意のままにしたのでは、勝利の美酒に酔うことは出来ない。 支配の意味を理解する人がかしずいてくれなければ、つまり支配者層を作ってその頂点に立たなければ支配が完了しないのだ。 と著者はいいます。 支配を維持するために子作りに励み、血族を支配者層の上部に据えることで支配者層の反乱を阻む努力もしなくてはならず、支配者はいつまでも休めない。 ああ、確かに。歴史の中に例があり、現代のカンパニーにも該当事例がたくさんありそうです。 「支配する」ことのうまみは、支配できないものがあるから感じられるので、世界征服してしまったら、もう後は苦労だけかも・・・・。
スポンサーサイト




読書(社会科学) TB:0 CM:0 admin page top↑
大島真生「愛子さまと悠仁さま」
2007 / 10 / 30 ( Tue ) 21:39:59
著者はまさしく宮内庁御用達の記者です。 愛子さまと悠仁さま―本家のプリンセスと分家のプリンス (新潮新書 230)
大島 真生 / 新潮社 (2007/09) 天皇家と皇太子家は予算も携わる儀式の種類も使用する門さえも、他の宮家とは別格であり、秋篠宮家は筆頭宮家じゃあるけれどただの宮家。 親王誕生の儀式も、皇太子家の内親王の時と比べて何かと簡略。 「宮家ってかわいそうじゃん。同じ皇孫なんだから差をつけるなよ」という感想を待っているのかなーという気がしますが、しなければならない儀式が多い人のほうが気の毒だと、私は思います。 着袴の儀(一般の七五三に当たる)は内親王と親王ではやり方に差があるそうで、男女差のある儀式やしきたりについての叙述は「女だからって軽く扱われる本家の一人娘はかわいそう」という感想を導きたいのかもしれません。 男女差を問うなら、同じ宮家の中の親王と内親王を比べなければ意味がないだろうと思います。 皇太子家と宮家では格が違う。本家(皇太子家)のプリンセスと分家(宮家)のプリンスでは使用する門が違う。 皇族という階級社会の決まりだから、それは仕方がない。 皇族は天皇を頂点とするヒエラルキーを作るための装置なんだなあとあらためて思います。

読書(総記・哲学・歴史) TB:0 CM:0 admin page top↑
読み合わせ
2007 / 10 / 30 ( Tue ) 20:18:59
まんねん貧乏 2 年収19万円編 (2)を読んだ後で、愛子さまと悠仁さま―本家のプリンセスと分家のプリンス (新潮新書 230)「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)を続けて読んだら面白かったです。 「まんねん貧乏」と「愛子さまと悠仁さま―本家のプリンセスと分家のプリンス」に見る貧富の差の凄さ。 そこで「「世界征服」は可能か」と検討する著者が、日本に階層はあっても階級はない。『格差社会』は階級格差でなく階層格差の大きい社会なのだと断じています。 得能家(まんねん貧乏の著者の家)と天皇家の間にあるのは階層格差で、皇太子家と秋篠宮家の間にあるのは階級差? はてさて、次は日本の有名一族―近代エスタブリッシュメントの系図集 (幻冬舎新書 こ 6-1)を読んでみるとしましょう。日本にあるのが階層差なのか階級差なのか、わかるかも・・・・。

日記 TB:0 CM:0 admin page top↑
近況2
2007 / 10 / 27 ( Sat ) 21:17:32
今週中にと言われた仕事が、本日5時20分に終わりました。 大阪府立国際児童文学館ホームページの向川幹雄氏の書誌リストと、羽曳野市図書館課ホームページの「小学校・国語教科書に出てくる本」リストに大変お世話になりました。 先達はあらまほしく、ありがたく、偉大でした。 すでに所蔵してしているものを除いて発注するから、購入する本は150冊くらいになると思います。 品切れや絶版が少ないといいのですが。
この書籍は、「日本書籍総目録」に存在しますが、品切れの場合もありますので予めご了承下さい。
というのは本当に心臓に悪い文句です。 おとなを休もうが入手できればと祈っています。これがだめだと代替資料10冊以上を再発注しないとなりません。 自分がアンソロジーをほとんど読んで来なかったので、こういう本に目配りが出来ていませんでした。まだ版元にあるといいんだけど・・・・。

日記 TB:0 CM:0 admin page top↑
近況
2007 / 10 / 26 ( Fri ) 07:18:03
今週は仕事が忙しく、残業続き。いつもの読書室(通勤電車の中)で本は読んでいるけれど、なかなか感想が書けません。 仕事は「小学校の国語教科書に載っている作品の掲載本をそろえてくれ」という依頼に答えるためのリスト作り。 G 学校図書 K 教育出版 M 光村図書 N 日本書籍 T 東京書籍 O 大阪書籍 出版社数×6学年・・・ 面白い仕事ですが、期限は10日。楽苦しい今週です。

日記 TB:0 CM:0 admin page top↑
レッズ勝利漣
2007 / 10 / 24 ( Wed ) 23:25:21
ACL準決勝にレッズが勝ちました。いやもう、大変な試合で。 生半可なファンである自分がこれだけハラハラしたんだから、サポーターは魂を刻まれるような思いをしたことでしょう、、、、お疲れ様でした。 鼻骨骨折のワシントンがフェイスガード付けて出場し、体を投げ出すようにヘディングする姿に涙が出そうでした。 勝っておめでとう。 負傷した選手たちの、怪我の回復が早いことを祈ります。

日記 TB:0 CM:0 admin page top↑
得能史子「まんねん貧乏 2」
2007 / 10 / 24 ( Wed ) 23:11:51
このみみっちさに激しく共感してしまいます。デパートってほんとに、全ての正札に0が1個余分についてる気がする・・・・。 まんねん貧乏 2 年収19万円編 (2)
得能 史子 / ポプラ社 (2007/09) ささやかなことで幸せになる才能があって、ささいなことで不幸せにならない能力があれば、人生万々歳なのだけれど、これがなかなか。 すったもんだしながら、持っている幸せを大事に抱きしめなおすような「まんねん貧乏 2 年収19万円編 (2)」。 著者は、性別国籍を超えた理解者を得て幸せだと思います。「貧乏だけど幸せ」を満喫できる男は稀。よくおツカマエなすった。えらかった。

読書(コミック) TB:0 CM:0 admin page top↑
絹雲
2007 / 10 / 22 ( Mon ) 23:15:30
雲刷きし空高くあり鳥の声
鳴いている鳥の種類が分からないのでただ「鳥」の声としましたが、 センダイムシクイだったらどうしよう。 どうぞ名前が二文字の鳥でありますように嶺

テーマ:詩歌集 - ジャンル:本・雑誌


自作歌・句・小説 TB:0 CM:2 admin page top↑
奥谷啓介「世界最高のホテル プラザでの10年間」
2007 / 10 / 22 ( Mon ) 22:50:57
サイパンからニューヨークに赴任した著者は、冬物の着衣を持っていなかったので、デパートでまとめ買いをしました。スーツ3着・コート2着・皮靴4足。そして言ったんです。「プラザに届けてくれればいい。プラザに住んでいるから」 世界最高のホテル プラザでの10年間
奥谷 啓介 / 小学館 (2007/07/21) 著者はたちまち大富豪とみなされ、仕立てに2週間かかると言われたスーツがその日のうちに(!)プラザのフロントに届いたそうです。 このエピソードには笑ってしまいました。さもありなんという感じです。 著者が住んでいたのはプラザホテルの中の従業員寮で、著者が意図したわけではない先方の誤解だったのですが、金払いのいい顧客を大事にするアメリカのビジネスの話を(プラザでの具体例を挙げて)いろいろ説明された後でこのエピソードを読むと、デパートのマネージャーが何を期待したのか手に取るようで、おかしいです。 (マネージャーはお金に踊らされているというより、ビジネスマンとしての使命に殉じているんだと思います。可笑しいというより、全力投球ぶりが微笑ましいと言ったほうがいいかもしれません) さてさて当のプラザです。 歴史と伝統と格式のあるホテルですが、最新式の設備は臨むべくもなく、従業員の愛社精神もあてにはなりません。 へええ、そうなのか。です。 しかしそこは老舗。「世界最高のホテル」という人だっているところ。あの手この手その手で、よいサービスに努めています。 しかしどうやら、一生懸命サービスしても、日本のお客さんには通じないことが多いらしい。そして苦情の中には、他のアジア諸国のゲストには少ない、日本人客特有のものがあるらしい。 日本人のトラブルとなると必ず呼びつけられた著者は、日本での商習慣や日本人のメンタリティに理解は持ちつつも、アメリカのビジネス論理やアメリカの労働者の気持ちも汲んで折衝に当たりました。 つまり、日本文化とアメリカ文化のせめぎあいの場に身を置いていたわけです。 彼が経験した「もめ事」から見えてくる二つの国民性の話を、非常におもしろく読みました。 これで「帝国ホテル 伝統のおもてなし」を思い出すと、さらに味わい深いです。 帝国ホテルにできてプラザにできないことと同じくらい、プラザにできて帝国ホテルに出来ないことがあったんだなと思います。

読書(生活・産業) TB:0 CM:0 admin page top↑
佐々木幹郎「雨過ぎて雲破れるところ」
2007 / 10 / 21 ( Sun ) 10:07:02
山小屋の作り方の本だと思って手に取ったら、山小屋での暮らし方でした。 それも焚き火料理の仕方や天候の読み方ではなく、世代単位の時間の流れの感じ方や、文化の出来方が語られる本。 雨過ぎて雲破れるところ
佐々木 幹郎 / みすず書房 (2007/08/24) 実際には著者が自分の経験を語っているだけ、ハウツー本ではありません。 それでこの著者、詩人だったんですね。現在生きている詩人の名前を5人くらいしか知らないので、小室等が山小屋コンサートで著者の詩に曲をつけて歌うというところまで読んではじめて、おっとプロの詩人でしたかと著者紹介を読み直しました。 四季の流れだけでなく、年を経て、世代を超えた繋がりになっていく「時」を感じる山小屋。 月に数回終末を山小屋で過ごし、詩人だから「シジン」と呼ばれ、山小屋を拠点に遊ぶ仲間とコミューンを作り・・・それらを自然に、「楽しいから」やってきたという記録。 浮世離れした、まさに山小屋生活の話です。 <追記> 下世話な興味かなと思って、一度は筆を擱いた(パソコンを閉じた)のですが、やっぱり気になって・・・。 この本には山小屋が誰の物なのか、著者に食事を作ってくれる人がどういう立場の人なのか書かれていません。 所有者(一個人?複数人?)や日頃の管理者のことに触れないと、コミューンの発展振りはわかりますが、成り立ちが分からないという点で難が生じると思います。

読書(エッセイ・読物) TB:0 CM:0 admin page top↑
吉野朔実「吉野朔実劇場」
2007 / 10 / 20 ( Sat ) 20:54:23
尾崎翠を読む前に、こちらを立て続けに読んでしまいました。 お母さんは「赤毛のアン」が大好き― (吉野朔実劇場) お父さんは時代小説が大好き―吉野朔実劇場 弟の家には本棚がない―吉野朔実劇場 (吉野朔実劇場) 犬は本よりも電信柱が好き (吉野朔実劇場) どれを読んでも思うのが、こんなふうに本の話ができる相手がいていいなあということ。ビール片手に「あの本がよかった」「どこが」「じゃあ読んでみるか」「装丁が泣かせるね」なんて話ができるのが、いいなあ。 あと、「短歌はじめました。 百万人の短歌入門 (角川文庫ソフィア)」でお馴染みの登場人物(穂村弘さんやら澤田康彦さんやら吉野朔実さんやら)が活躍するのもうれしい。今度「「治らない」時代の医療者心得帳―カスガ先生の答えのない悩み相談室」も読んでみよう。 本は「読むもの」「人に貸すもの」と思ってきた自分には、本を「出すもの」(編集)「書くもの」(著作者)と心得ている人たちの読み方が興味深かったです。資金の糸目が自分よりずっと上であること、同じようなペースで本を読む人が回りにいることが羨ましい。 あらまた、さっきと同じような話の展開になっちゃった?! 「お母さんは「赤毛のアン」が大好き」の中に
本読まない/人間って/それだけでオレ/信用できない。 だってさ 君/つき合える!?/本読まない人間と?/面白い!?/本読まないヤツ!!
と言ってのける春日武彦先生が出てきます。ああ、羨ましい。いっぺんそう言い切ってみたい。 だけど私はそんなこといいません。 同業者に「一ヶ月に一冊の本も読まない図書館員なんて信じられない」ということさえできないんだから、一般人の方々に何をいえるでしょう。 吉野朔実劇場は次の本のタイトルが楽しみです。文庫化も進んでいるようで、こちらは解説を読むのが楽しみです。

読書(コミック) TB:0 CM:0 admin page top↑
無季句
2007 / 10 / 20 ( Sat ) 17:20:55
野球する間も育つ子と暮らす

テーマ:詩歌集 - ジャンル:本・雑誌


自作歌・句・小説 TB:0 CM:0 admin page top↑
内藤みか「美男子のお値段」
2007 / 10 / 19 ( Fri ) 21:24:34
これからの女は男を食い物にするのではなく、男(特に美男)を消費するようになるんだなと思いました。 美男子のお値段
内藤 みか / 角川学芸出版 (2007/08) なにこれ、みんな著者の経験談だったり趣味だったりじゃない、と、思わないこともないけれど、その経験(男のルックスとサービスを消費する)談が、ものめずらしくかつなかなか面白いのでした。 著者は、何度も出張ホストを呼んでデートした経験から言います。 「ホスト業は逆援助交際」じゃないんだ。客を癒してくれない男にプレゼントなんかするものかと。 それは著者の流儀でしかありませんが、お金を出して何を買っているのかがよくわかるポイントです。 興味本位でホストクラブに行き、入れあげ貢がされて破滅する女はこれからもいるでしょうが、破滅しないでホスト遊びを楽しむ女性が増えてくると思います。 他人の心の機微を読み取る能力を備えた男性が増え、その能力が買われるようになるのは男女平等のよい進み方だと思います。 しかし、男も商品価値が外見の美醜に大きくされるようになると、辛い思いをする人が増えますね。かつて男は、「男は顔じゃない」と言われ、顔の造作がちょっとくらいバランスを欠いていたって悲観しなくてもよかったのに、これからの不器量男は、器量良しの何倍も努力しなくちゃならない。 「男女共に、顔はよく洗ってあればそれでいい」という時代が来るといいんだけど。実際は逆に「男だろうが女だろうが、キレイでなければ話が始まらない」ことが多くなっていくようです・・・・。

読書(社会科学) TB:0 CM:0 admin page top↑
「平成男子図鑑」
2007 / 10 / 19 ( Fri ) 07:19:14
数字の裏打ちなど何もないんだけど、「そうだね、いるよね、こんな男子」と思います。 平成男子図鑑 リスペクト男子としらふ男子
深澤 真紀 / 日経BP社 (2007/06/21) 全編通して見て、平成男子は「女子化」しているように見受けられます。それもよい面で。 親和力が高まり、自分を知り(自分であることを楽しみ)、不要なしがらみからは脱していく傾向があります。 女子化しても女子にならないのは、彼らが「僕は」「私は」という人称でしゃべり、やたら「僕たちは」「私たちは」と言わない故、と私は踏んでいます。 彼らが自分の意見を言う習慣を捨て、集団代表のような口を聞き始めたら、危ない。 そうならない限り、平成男子の出現は歓迎!です。

読書(社会科学) TB:0 CM:0 admin page top↑
岩城祐子「幸せのある老人ホーム」
2007 / 10 / 18 ( Thu ) 06:03:24
タイトルだけ見て手に取ったのですが、おやおや、この著者、母のいる場所―シルバーヴィラ向山物語 (文春文庫)でお馴染み《シルバーヴィラ向山》の経営者でいらっしゃいました。 幸せのある老人ホーム
岩城 祐子 / 扶桑社 (2007/09/13) 《シルバーヴィラ向山》は恋愛OK、煙草も飲酒も外泊も自由の、「高齢者専用長期滞在ホテル」。必要な人には介護もします。お分かりにならなくなってもすなわち認知症になっても、お世話します。という施設。「有料老人ホーム」という呼び方もあります。 このホームの変わっているところは、外泊が自由なことではなく
九十歳を超えたようなお客様がお倒れになったりご病気になられたときは、いじりまわさず、重湯やカルピスを差し上げて静かに経過を待ちたいと思っていますし、今までもできるだけそうしてきました。
というところ。 「放っておく」のと「いじりまわさない」のは違うこと。私なら、90歳を過ぎて、愛情と良心を持って見守られているなら、薬や栄養剤の管に繋がれて、心電図だけを見守られるよりいいと思います。ずっと。

読書(社会科学) TB:0 CM:0 admin page top↑
石渡嶺司「最高学府はバカだらけ」
2007 / 10 / 17 ( Wed ) 09:32:41
大学生はバカで大学はアホという本でした。 最高学府はバカだらけ―全入時代の大学「崖っぷち」事情 (光文社新書 318)
石渡 嶺司 / 光文社 (2007/09) 大学進学率が5割を超えて、その大半がバカだったら日本はエラいことになるのですが、大学在学中に化学反応を起こす(バカを脱する)学生もちゃんといて、その化学反応を起こすためにがんばる大学教職員もいる。 日本の将来を思うと、絶望と希望の間を行ったりきたりしてしまいます。 しかし、前途有為な若者を預かる大学の責任や大。 学生として預かったなら、預かった学生に力を付けて送り出すのが、預かった者の責任だと思います。

読書(社会科学) TB:0 CM:0 admin page top↑
久保帯人「BLEACHオフィシャル・ブートレッグカラブリ+ 」
2007 / 10 / 16 ( Tue ) 06:16:43
本編より面白い!なんて、それは言わない約束か。 BLEACHオフィシャル・ブートレッグカラブリ+ (ジャンプコミックス)
久保 帯人 / 集英社 (2007/08/03) 日番谷冬獅郎って133cm28kgだったの? 吹けば飛ぶような体格じゃないですか。 それに十番隊の隊花が水仙?? ・・・百合だと思ってましたよ。 と、いろいろ発見がある『カラブリ』でした。

読書(コミック) TB:0 CM:0 admin page top↑
袖山卓也「笑う介護士の極意」
2007 / 10 / 16 ( Tue ) 05:15:45
老人ホームの住人で要介護の人は老人ばかり。 そこにあるのは50年前のモラルです。 笑う介護士の極意―SODEYAMA式“笑いの介護”のつくり方
袖山 卓也 / 中央法規出版 (2006/06) 痴呆症の老人の気持ちに寄り添い、介護をするためには、彼らの価値観を知らなければならず、プロなら時には現代の価値観を曲げて「おつきあい」しなければならないのだ・・・・と、この本を読んで気付きました。 著者は自分が「大の男」であることを自覚していて、怒り狂う老女を落ち着かせるために、彼女の膝下に座り込んで話しかけます。 老女は男性を低いところに座らせて置くことに居心地の悪さを覚え、彼の言うことに耳を傾けます。 こんな心理戦のさまを読むと、げんなりします。 威張っている男性とかしずく女性という図式が今も生きていて、そこにうまくはまり込むことが「心」の交流につながるなんて。 女性介護士にはずいぶんとストレスフルな職場だと思います。 老人の集団には、われわれが忘れてしまった美徳の表出もあるでしょう。 時代に関係の無い、普遍の思いやりだって、見られるでしょう。 だけど私は、図書館で老人福祉の本を借りていく女子学生の背を、労しく見送るようになりました。 彼女たちは施設実習で「前時代のモラル」が支配する社会を知るのです。 しっかり、しっかり頑張れ、福祉科の彼女たち。口に出さないけれど、図書館のおばさんは応援しているよ。

読書(社会科学) TB:0 CM:3 admin page top↑
枡野浩一「57577」
2007 / 10 / 14 ( Sun ) 23:00:33
4コマ短歌英訳付き。まれに4コマまんが付き。変わった形の歌集で読むと、いつもと違う歌が浮き上がります。 57577―Go city,go city,city! (角川文庫)
枡野 浩一 / 角川書店 (2003/02)
塩酸を/うすめたものが希塩酸/ならば希望は/うすめた望み
投げ出された諦念と、希塩酸のように染みとおる悲しみが感じられます。
あさがおは夏の花/っていうよりか/小学生の花/って感じ
まんがを付ける余地のない歌だと思います。歌そのものがまんがですから。

読書(小説・詩歌) TB:0 CM:0 admin page top↑
プランティ「幸せな結婚はパンケーキの匂いがする」
2007 / 10 / 14 ( Sun ) 21:22:15
バーナディーンとかトレッサとか、はたまたニアブとか、聞きなれない名前がたくさん出てきて、さすがモラグ・プランティ(こんな名前も聞いたことがありません)、アイルランド人なんだなあと思いました。 幸せな結婚はパンケーキの匂いがする
モラグ・プランティ, 柚木しのぶ / 徳間書店 (2007/08/28) トレッサに幸せになって欲しいと念じながら、バーナディーンには幸せを手放さないよう願いながら、同時進行する二つの結婚生活の話を読み進めます。 そうして最後に、バーナディーンの夫であるジェームズの今際の科白に、涙しかけて気付きました。 自分はバーナディーンと同じことはしないし、トレッサと同じ目にあったこともないけれど、バーナディーンと似たようなことはするかもしれないし、トレッサと同じような目に会うかもしれないと。 二人の轍は踏むまい。 しかし、『人はこの教訓を、歳月以外の教師から学ぶことはできない』という言葉もありました。 340ページを費して、プランティは「過ぎてみなければ分からないこともある」と語りたかったのだと思います。 私は「きっとそうなのだ」と思いつつ、そっと、本を閉じたのでした。

読書(小説・詩歌) TB:0 CM:0 admin page top↑
キンモクセイ
2007 / 10 / 13 ( Sat ) 07:15:21
ちろちろと木犀もゆる西のまど

テーマ:詩歌集 - ジャンル:本・雑誌


自作歌・句・小説 TB:0 CM:2 admin page top↑
奥田祥子「男はつらいらしい 」
2007 / 10 / 13 ( Sat ) 06:35:22
飛び切りの美貌か飛びぬけた収入(社会的成功)、または超感度の女心センサーを持たない限り、若くない男に、若い女を望む資格はない。 男はつらいらしい (新潮新書 228)
奥田 祥子 / 新潮社 (2007/08) 引く手数多の若い女がただ古びた男を選ぶはずがないと、どうして気がつかないんでしょう、花婿学校に通う40歳過ぎたこの男は。 若さに勝る武器がないことには、若い女の眼中に入れない。未婚の若い女性から見たら、とりえのない40男は箸にも棒にも歯牙にもかからない存在だと、なぜわからない? 「オレ様」育ちの男に、花婿学校が何を教えようとしてもダメだろうと思いました。 他にもいろいろな男のつらさが書かれていましたが、同情できる例は少なかったです。法は無知を罰す。人生も、また。

読書(社会科学) TB:0 CM:0 admin page top↑
松井重信「寝たら治る」
2007 / 10 / 11 ( Thu ) 08:20:55
おっちゃんが書いた本はおもしろい!。ふとんやさんのCMになっている部分もありますが「おや、こりゃ宣伝だわな」のような自分ツッコミが入っていておかしいです。どこから見ても気が抜けるような、のんびりした挿絵もナイス! 寝たら治る~失敗しないふとん選び
松井 重信(大阪・ふとん屋のおっちゃん) / SSコミュニケーションズ (2007/08/30) よい睡眠を求める人にとって、真面目にいい本だと思います。でも本当は、睡眠の大切さに気付いていない人に読んで欲しいです。 布団屋は睡眠の専門家。そんなふうに考えたことがなかったので、目から鱗です。前書きに香山リカ先生も同じような驚きを述べています。病院に行く(すなわち病人になる)前に、市井の専門家を活用しないのはもったいないと思います。 私もこの本を読んで日頃のごろ寝居所寝を反省、、、、 。のんびりした気分を味わうために、たまにするはいいけど常態化してはあかんなあ、といつの間にか移っているおっちゃん口調で考えてしまいました。 よい寝具は高価で、かつかさばる物だから、買物に失敗したくないもの。おっちゃんの店のように、お試しセットを貸してくれるところが増えればいいなと思いました。 本を読む前におっちゃんの話を試読したいかたはこちら

読書(生活・産業) TB:0 CM:0 admin page top↑
矢嶋嶺「医者が介護の邪魔をする!」
2007 / 10 / 11 ( Thu ) 07:55:55
山の領と書いて「たかね」と読ませるなんて、いかにも長野のお医者にふさわしい名前です。 医者が介護の邪魔をする! (介護ライブラリー)
矢嶋 嶺 / 講談社 (2007/08/28) 著者は長野県上田市(旧武石村)で診療所を啓いています。往診を大事にしています。 あるところに、父一人子一人で暮らす体の不自由なおじいさんがいました。おじいさんは朝息子が作って置いていくラーメンを昼に食べ、長時間一人で過ごしています。おむつ交換の回数が少ないせいで肌がただれ、部屋は散らかり放題。いろいろ行き届かない介護だけれど、おじいさんは毎日息子が帰ってくるのを楽しみにしています。 またあるところに、息子夫婦と暮す体の不自由なおばあさんがいました。ある日この家に保健婦が来て、「おむつ交換をまめにして、いつも乾いたオムツで過ごせるようにしてください」といいました。家族は懸命にオムツの世話をし、疲れ果て、おばあさんを遠くの特養に入れました。おばあさんはそこで死にました。 なんて話を紹介されると、なにがいいんだか悪いんだか、わからなくなってきます。 90代の姑を看取って70代になった嫁が「私の人生はなんだったの」と嘆かないで済むように、著者はいくつかの提案をしています。 医者が介護の邪魔をしていいと言う気はさらさらないけれど、介護する人とされる人が共にいい人生だったと言えるための提案のほうが、ずっと重要だと思いました。

読書(社会科学) TB:0 CM:0 admin page top↑
「いつまでもデブと思うなよ」の影響
2007 / 10 / 08 ( Mon ) 19:31:06
いつまでもデブと思うなよ (新潮新書 227)を読んだ影響は大きく、別にダイエットを決意したわけでもないのに、ついつい購入した食品のカロリーを確認してしまいます。 家族のおやつの時間にも『私は今お腹が空いているか?』と自問した上「私は今いいわ」とお菓子をことわっちゃったし。 でもその後ご近所からいただいた柿は食べました。(早く甘いか渋いか答える必要があったため) こうしてみると、自分にはけっこう「つきあいで食べる」シーンが多かったんだと気付きます。 いっしょに飲み食いするのは交際の初歩。 これは何キロカロリーだろうと考えながら、失礼にならない程度に茶菓をつまみ、あとからそのカロリーの分、自分の食べたいものを削るのはストレスだなあ。 レコーディング・ダイエットは自分には向いてないわ。 と思いつつ、今の自分のお腹の満腹加減は10段階のどこだろう?とか考えてしまいます。なかなかの影響力ですいつまでもデブと思うなよ (新潮新書 227)

日記 TB:0 CM:8 admin page top↑
神宮球場 2007/10/7
2007 / 10 / 08 ( Mon ) 18:12:53
運動会の花形リレーを見ずに神宮球場へ急行。 古田敦也選手の引退試合だから。 監督としての古田は必ずまた見られるでしょうが、選手としての彼を見るのはこれが最後。 現役最後の試合が終わり、引退セレモニーも済んだ後、古田選手はグラウンドと観客席の間の金網をよじ登ります。金網の縁にまたがって客席に手を振っている古田選手。 ありがとう、お疲れ、待っていると叫び続ける観客。 やがて古田選手はグラウンドに戻り、深々と一礼して、去っていきました。幾度も振り返りながらグラウンドから消えて行きました。 神宮球場は彼の姿がまったく見えなくなるまで、ありがとうを連呼したのでした。 さようなら。さようなら。さようなら古田選手。 帰宅して午前零時。就寝して午前一時。 「古田さんは寝たかなあ」 「古田さんも自分の布団に入れていたらいいね」 そんなことを話しつつ、我が家の『古田引退の日』が終わりました。

日記 TB:0 CM:0 admin page top↑
地区運動会 2007/10/7
2007 / 10 / 08 ( Mon ) 08:20:35
10歳の息子は「学校の運動会は代休があるのに、地区の運動会は代休がないからやだ」なんて屁理屈をこねるようになり、もはや純粋に運動会を楽しみにしているのは親のほうです。 私は綱引きの選手です。練習は全くしていませんが、体重は減らさないようにしています。 運動会が終わったら、こころおきなくスリムになろうと思っていました。 ら、ら・ら・ら、あらら なぜか勝っちゃって、あれよあれよと勝っちゃって、優勝です。スポーツと名のつくもので決勝というものに出たのも初めてなら、優勝するのは生涯で初めてです。 「今まで生きてきた中で一番うれしい」というほどじゃないけれど「今まで生きてきた中で初めて」でビックリ。それも今まで生きてきたのが14年やそこらじゃないんだから。14年や24年や34年じゃないんだから。あな珍し。 いなかのオヤジと若い衆(わかいし)とおばさんの寄せ集めなんだけど、相手もそうなので、こちらが勝てる理由も負ける理由も見当たらない。 ただ伝統的に足が速くて力がない字でしたから、運動会のアナウンスで 「私も長いこと運動会を見てきましたが、熱川の優勝は初めてみました」 とコメントされる始末。しかし、聞いている人がみな「そうだそうだ」と歓声をあげていて、誰も失敬だなんて思わない、無欲の、意外な、ウソダロウ?の優勝。 アナウンスは続けて 「本日の綱引き部門優勝チームは、大谷地区代表として来年4月29日の市民体育祭に出場します」 と発表します。例年こうして代表選考をかねた地区運動会だったのだけれど、『出ると負け』だったのですっかり忘れていたのでした。 「区長、どうしましょう。心の準備が出来ていません」 「ははは。これから準備してください。まだ日がありますから」 そんな蓮 市民体育祭は運動会じゃないんだから、強いチームばっかり出て来るんだよ。そんなとこに行くの、いやだよう。

日記 TB:0 CM:0 admin page top↑
岡田斗司夫「いつまでもデブと思うなよ」
2007 / 10 / 07 ( Sun ) 07:40:53
一年でマイナス50キロ。体重117キロから67キロへ殮 著者はもともと超重量級でしたから、「みるみるやせる」という喜びや気持ちの張りがありました。目に見える達成感が彼ほど得られない人には無理かも。 いつまでもデブと思うなよ (新潮新書 227)
岡田斗司夫 / 新潮社 (2007/08/16) 「あらゆるダイエット本を無力化する」かというとそうではなくて、ミネラル豆乳ダイエット」赤星 たみこ / 小学館 (2004/05) を自らのレコーディングダイエットと併用するといいからと薦めていました。 あまり褒めてなかったけど「胃袋ダイエット」にも触れていました。「不要な食べものを取っておかない。自分の胃の中に捨てるよりゴミ箱に捨てる」という発想について、胃袋ダイエットもレコーディングダイエットも共通しています。 レコーディングダイエットの特徴は「楽しく続けられる」です。この楽しさは、限られた人にしかわからないと思います(私にはよくわからない)が、体の声を聞く、欲望と欲求を聞き分ける、ミネラル不足が食欲を増進するなど、参考になりました。

読書(自然科学) TB:0 CM:2 admin page top↑
久保帯人「BLEACH 30」
2007 / 10 / 06 ( Sat ) 15:16:20
ルキア、かわいそうに・・・。
眼が/体が/目の前で起きる/現実が この男を海燕殿だと/叫び続ける――・・・!
BLEACH 30 (30) (ジャンプコミックス)
久保 帯人 / 集英社 (2007/10/04) 心は体の中にあるのではない。 心は人と人の間に生まれる。 関係性の無いところに独自性もないわけで、もし世界に自分一人し居なかったら心なんて生まれないかもしれない。という海燕の言葉に肯く。
お前が心から/此処に居たいと/願うなら お前の心は/此処にある お前の心が/此処にあるなら それが“お前が此処に/居るべき理由”だと
そう言ってくれた人を手にかけ、その人の記憶と経験と姿態の全てを体現する虚と再び、戦う。惨酷な・・・・・・。
心は/仲間に/預けていくんだ 仲間に/あずければ/心は そいつの中で生き続ける
ありがとな お陰で/ 心は此処に 置いていける
海燕から預かった心があったから、ルキアは海燕の姿、海燕の技と戦うことができた。・・・・・・悲しい。

読書(コミック) TB:0 CM:0 admin page top↑
秋の夜
2007 / 10 / 06 ( Sat ) 08:12:36
書を閉じて眼(まなこ)を閉じて虫を聞く

テーマ:詩歌集 - ジャンル:本・雑誌


自作歌・句・小説 TB:0 CM:0 admin page top↑
* HOME * next