得能史子「まんねん貧乏」 |
2007/09/30(Sun)
|
格差社会をゆったりと生き抜こう。
金がなくても昼寝が堪能できるじゃないか。
まんねん貧乏
![]() スポンサーサイト
|
野田峯雄「プリンセス・マサコ」の真実」 |
2007/09/30(Sun)
|
削除改ざんされた講談社の「プリンセス・マサコ」と先日発売された第三書館の「プリンセス・マサコ―完訳 菊の玉座の囚われ人」を比べ合わせ、検閲者の意図を読み込む、という本。
「プリンセス・マサコ」の真実―“検閲”された雅子妃情報の謎
![]() |
ベッカム「おしゃれの掟」 |
2007/09/29(Sat)
|
サッカースターのベッカムがおしゃれの本を出した!わけではありません。著者はヴィクトリア・ベッカム。
おしゃれの掟 (GLAMOROUS BOOKS)
![]() このエピソードの教訓は、「お針子さんに『きつすぎますよ』と言われたら、素直に聞くこと」。素直に聞けないなら・・・・・・安全ピンを持たずに出かけないこと。私は今でもパーティーに出るときは必ず安全ピンを持っていくわ。つまりヴィクトリアさん、いまだにお針子さんの言うことが素直に聞けないのですね・・・・・・。 |
吉野朔実「本を読む兄、読まぬ兄」 |
2007/09/28(Fri)
|
そういえば穂村さんとお友達でしたね、吉野さん。究極の伊達眼鏡(ガラス無しフレームのみ)を掛けた人って、焼き鳥屋でも目立つでしょうね・・・・。
本を読む兄、読まぬ兄 [吉野朔実劇場]
![]() こんな人が いたのか・・・ 知られざる 少女漫画の魂が ここにはある 気がする 萩尾望都 大島弓子を足して 昭和初期で割ったよう 山岸涼子のキレも ちょっと入っている かもネームだけ引いても詮方ないのですが、ここに「絵」がつくんですよ。 「明日図書館に走っていこう!」 っていう気持ちになります。なりませんか。 とりあえず私は明日、尾崎翠を借りて来ようっと。 |
山田邦紀「明治時代の人生相談」 |
2007/09/28(Fri)
|
明治時代の記者(人生相談担当)ははっきり自分の意見を言います。「不埒千万言語道断これを西比利亜の中原に追いやりたいのである」とまで言っちゃうのでございます。あな面白。
明治時代の人生相談―一〇〇年前の日本人は何を悩んでいたか
![]() 妾(わたし)は手に相当の芸もあって独立して行けぬこともございませぬが、兄弟どもは早く縁付くがよいと申しますけれど妾(わたし)はいま少し考えてみたいと思います。 もちろん年に不足をいう妾(わたし)でもございませぬけれども、四十過ぎた男で子が三人あるというところですが、どうしたものでせう。 ▼答え お片附きなさい。良縁です。独立して行けぬことはなくても、それは当座の考え。やはり女は襁褓(おしめ)の始末をするのが天職です。手に職がっても自立はするな。女はおしめの世話で終われって說 私はこの記者を太陽系宇宙の外に追いやりたい。この記者と同じ時代の空気を吸わずに済んで本当によかったと思います。 しかし時代の違いに安心するのは早かったのでした。 息子の教育についての相談では、当時の記者の回答より、記者の回答にたいてコメントした現代の著者の方が噴飯ものです。廉 いかにもお子さんの成績はよいほうではありませんが、操行が上であるから性質のよいお子と見えます。算術や綴り方がよくないから自然他の学科にも関係しているのでせうから、先に申したように健康に注意し、それとなしに物事に気をつける習慣をおつけなさい。 ◎操行とは規律に従ったかどうかなど、その人の生活態度を見るもので、質問者の子供はこれが上だったというのである。すなわち従順でおとなしいというわけだ。ま、男の子だったら操行は中や下でもいいのではないか。男なら操行が悪くてもいいってなんなの念 卑しくも物書きなら「男ならよい」というのが「女ならだめだ」と同じ意味だと分からないはずがないでしょう。 女だけは規律に従い従順でおとなしくあれと、今も活字にする男がいる。嘆息です。 |
援川聡「クレーム処理のプロが教える断る技術」 |
2007/09/27(Thu)
|
「断る技術」というのが目を引きました。日頃、嫌な仕事を断れたらどんなにいいだろうと思っているので(笑)
クレーム処理のプロが教える断る技術
![]() |
祐天寺りえ「フランスだったら産めると思った」 |
2007/09/25(Tue)
|
タイトルにひかれて、「産みやすさ」で住む国を選ぶ人の話だと思って手に取った本でしたが・・・・。
フランスだったら産めると思った
![]() |
老い |
2007/09/25(Tue)
|
腰曲がる父に噴き出す曼珠沙華
白内障葉見ず花見ずをちこちに
いつの間にあふれいでたる彼岸花
|
柳美里「黒」 |
2007/09/23(Sun)
|
癌の早期発見を逸することになった事件、末期も末期の闘病中に見た夢うつつ、死後に見る現世、を東由多加になりかわった柳美里が綴る物語。
柳 美里 / 扶桑社 (2007/07/21)
言ってみればブラックファンタジー。
「死んだら終わりだ。死んではいけない」という読後感です。
皮相な読み方ですね。つまり私は物語に「入って」いけませんでした。
|
ベン・ヒルズ「プリンセス・マサコ」 |
2007/09/23(Sun)
|
問題は、自分の恋慕がなければキャリアを捨てることも病気になることもなかった女性を「一生全力で守る」ためにどうするか。
プリンセス・マサコ―完訳 菊の玉座の囚われ人
![]() ・・・彼と一緒に外国を訪ね、皇室外交ができるだろうと答えた。彼は外交的な役割を求婚の道具に利用したが、それは大きな間違いだった。皇室はただの象徴で、外交活動に加わってはいない・・・そうであってはならないのだ。彼は守ることのできない約束をした。約束をした彼は愚かだったし、それを信じた彼女も愚かだった。60人の関係者にインタビューしたそうですが、私はこの話が一番腑に落ちました。 恋愛と野球では殺人以外の全ての手段を講じていい、とどこかで読んだけれど、恋をして、出来ない約束をした皇太子を責めることは、私にはできません。 問題は、自分の恋慕がなければキャリアを捨てることも病気になることもなかった女性を「一生全力で守る」ためにどうするか、です。 著者は雅子妃回復のために三つの道があるといいます。離婚、皇太子一家の皇籍離脱、宮内庁の意識改革。そして一番可能性が低い(限りなく無理に近い)のが、宮内庁の意識を変えることだと言うのです。 私は、皇太子夫妻は、国のためにすでに大きな努力(犠牲?)を払ってきたのだから、その努力は報われて欲しいと思います。第三の道で、一家が救われるよう願いたいです。 |
専務 島耕作 |
2007/09/23(Sun)
|
週後半は遅番だったので、職場の最寄駅を午前11時過ぎに利用しました。
通常出勤の時間帯にはあいていない売店が店開きしており、平置きされた週刊誌のモーニング、表紙が目に飛び込んできます。
白昼堂々入浴シーン!
それも男性、島耕作が、選りによって薔薇風呂に!
一気に勤労意欲がしぼみますぅ。。。。。
|
coco「今日の早川さん」 |
2007/09/21(Fri)
|
買っちゃったよー。1000円でこの薄さはつらかったけど、登場人物が岩波文子、国生寛子、富士見延流と来ては買わないわけに行かんでしょう。岩波文庫、国書刊行会、富士見(ドラゴン)ノベルスの揃い踏みでは。
coco / 早川書房 (2007/09/07)
主人公は早川量子さん。ハヤカワと片仮名で書きたくなるような方ですね。もちろんSF好き。
純文学読みの岩波さんや、ホラー大好きの帆掛舟さんにいじられがちです。
(帆掛さんがどこの出版社のファンか分らず、すっきりしません。お心当たりの方は教えてください)
共感することもイタイことも多かったのですが、所詮この方々は書店(含古書店)を徘徊する人。
図書館人の気持ちは波立ちます。
「ダブリ覚悟で購入」「最近はダブりが多くてさ」ってなんなの!
君たち書架狭隘化という恐ろしい言葉を知らんのか。知らんだろう。
複本を避けるために所蔵検索に余念無く、時に涙を呑んで除籍後廃棄する生活なんて思いもよらないでしょう。
本に埋もれようがそれで床が抜けようが、同情に値しない。読まない本まで積んどくような豪奢な生活をしたなら、君たちの悲哀は当然の報いさ。
預かった金でなく、自分の金で本を買うことの自由と、贅沢。ハヤカワさんたちの生活はハッキリ言って羨ましいです。
私にはありません。「置く場所が無い」ことを度外視して本を買う・・・・そんな勇気は。
追記
帆掛舟の謎が判明しました。創元推理文庫のホラー&ファンタジージャンルのマークが帆掛舟(ウィキペディアでは『帆船』と説明されています)でした。
|
譜面台に吹く秋風 |
2007/09/21(Fri)
|
村松ゆり子さんのブログ「空色短歌通信」で紹介されていた歌です。栗木京子歌集『夏のうしろ』(2003年7月、短歌研究社刊)より
譜面台に吹く秋風の軽(かろ)さもてわが四十代めくられてゆく四十代がめくられてゆく(現在完了進行形)というのだから、四十歳になったばかりではなく、その上に幾つも年を重ねているのでしょう。 秋風にわが人生の白秋を重ねて、明るく歌っています。 音楽を載せた譜面のように、軽く楽しい四十代の1ページ。子育ての責任もひところよりは軽くなり、鑑賞される存在としては引退し、『自由』を手に入れつつある女たち。 わが子がほんの一瞬目を離したことが死亡事故に繋がるような幼児期を過ぎたことと、自分に対して「こざっぱりしてさえいればいい」と見てくれの基準を下げたことが、とても自分を伸び伸びさせていると思うので、ついこんな鑑賞をしてしまいます。個人的過ぎるかしら。 でもねー、容姿の衰えをいちいち気に病んでいたら明日という日が怖くなるじゃないですか。見目麗しさはさておいて、健康な今を寿いでいなければ。やがて来るのは老いと介護の日々なんですから。 |
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の問題 |
2007/09/20(Thu)
|
ウィキペディアにはいつもお世話になっています。
そして先日、気になる問題を見つけました。
著名人の家族の扱いです。
さだまさし:長男の名前が出ています。命名のとき長男が生まれたときさだ本人が命名の由来を語っていたし、長男自身がすでに演奏活動でデビューしていますから、名前を書いても不都合はないと思います。
小椋桂:次男の名前が出ていません。小椋桂公式ホームページに(サイト名は「薩摩琵琶」だけど)次男のページがあるのですが。
二男は、国内でも数少ない琵琶製作者であり琵琶の演奏者としての活動もしており、どうして名前を出さないのか不思議です。
某女性マンガ家:驚いたことに中学生以下の子ども4人の名前が列挙されています。マンガ家本人は作中で我が子を男①、男②、女①、女②のように表記しており、子どもの名前を出すのを意識的に避けています。
子どもの名前には親としての意識、思想が現れるかもしれませんが、職業的表現活動とは相容れないものです。未成年の一市民である子どもの名前を「有名人のこどもだから」と垂れ流していいはずがありません。
書き込み自由のウィキペディア。
ボランティアが管理するウィキペディア。
もはや国民の財産となりつつあるウィキペディア。
民度が表れるウィキペディア。
使う人、見る人の、人間性が試されるフリー百科事典です。
|
私のブログ |
2007/09/19(Wed)
|
世界で一番、自分のブログが面白いです。私の興味のあることばっかり書いてあるから(当たり前)。と同時に、自分のブログが一番つまらないです。私の知っていることしか書いてないので(当然)。
このブログを読み、コメントや足跡を残してくださるみなさんに、ありがとう申し上げます。コメントや足跡のおかげでつまらなさが半減したり、楽しみが倍増したりしています。
嬉しく、有り難く、感謝申し上げます。
読者に申し訳なく思うのは、私が自分の文章に対して往生際が悪く、一旦記事をアップしてからもよくいじっていることです。語順を変えたり、語句を補ったり。
もちろん文意(趣旨)は変えませんし、明らかに変わるときは「追記」や「改定」と注記しています。
(コメントをいただいた記事は、その後は誤字脱字以外はいじらないようにしていますので、どうぞ安心してコメントしてください)
最初の推敲が甘いんだよと言われればそのとおりです。最初から読みやすく書けなくてごめんなさい。
|
鳥越碧「漱石の妻」 |
2007/09/19(Wed)
|
優しさを、家族にだけは向けない夫。
漱石の妻
![]() 2007.9.19改訂版
|
関根眞一「となりのクレーマー」 |
2007/09/19(Wed)
|
百貨店の「お客さま相談室」またの名は「苦情受付係」で1300件の相談(!)に当たったという著者の、スリリングな経験談。これはきっとテレビドラマ化すると思います。
となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ 244)
![]() |
米原万里「愛の法則」 |
2007/09/19(Wed)
|
とにかく一読しておけ。飽きさせはせん!
と太鼓判を押しておきます。
米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)
![]() |
きむらひとみ「ダンナがうつで死んじゃった」 |
2007/09/19(Wed)
|
「ダンナ」を飛び降り自殺に至らしめたのは、病気(うつ病)か、疲れ果てた妻か、家族へのフォローなしで重症患者を退院させた病院か。
ダンナがうつで死んじゃった
![]() |
ティム・ウィントン「ブルーバック」 |
2007/09/17(Mon)
|
子どもから大人になっていく息子の目線で、海と共に暮す母親のドラが、海を守るために何をしたかが語られます。
ブルーバック
![]() |
安野モヨコ「働きマン (2) 」 |
2007/09/16(Sun)
|
読み進むほどに、ヒロイン以外が光ってくる群像劇。自分は群像劇に弱いんです・・・。
働きマン (2) (モーニングKC (1453))
![]() |
安野モヨコ「働きマン (1)」 |
2007/09/16(Sun)
|
「買い」かどうか微妙なところでした。
働きマン (1) (モーニングKC (999))
![]() |
ずっとさだまさし |
2007/09/12(Wed)
|
昨日、録画してあった「さだまさしコンサート」(WOWOWで放送したもの)を見て、今朝日刊スポーツ20面のさだまさしインタビューを読んで、職場では「最近話題の本」コーナーに『眉山』の紹介をしてきて、なんだかずっとさだまさし。
放映されたコンサートはファンクラブの会員だけを対象にしたもので、予め会員に「さだまさしの曲で一番好きな曲」アンケートをとり、上位100曲の中から当日会場で抽選を行って歌うという凄い企画。
1階席、2階席、それぞれ隅だったり奥だったり端っこだったりの、見難い聞き難い席の観客に抽選箱を持って行くところがさださんらしかったです。
ニッカンスポーツのインタビューは全面広告のようなもの。NEWアルバム『Mist』が12日発売だから、それに合わせた記事ですね。
最近話題の本が
![]() |
鳥越碧「兄いもうと」 |
2007/09/12(Wed)
|
正岡子規の妹が、兄を支えに兄を支えて生きる物語。
兄いもうと
![]() 「下女、賄い婦、看護婦に秘書ね。私もだんだんと大役を仰せつかるわね」 「いや、お前には一番先に大役が与えられておろうが」 「なあに?」 |
君塚直隆「女王陛下の影法師」 |
2007/09/11(Tue)
|
秘書官の話でした。日本で言うところの侍従役。
女王陛下の影法師
![]() |
映画「博士の愛した数式」 |
2007/09/09(Sun)
|
昨年劇場で見たものを、TVで見てしまいました。
映画は・・・大きなスクリーンで見ないとだめです。映画の中の小さな物音が聞こえる環境でみないとだめです。
そうしないと、時間が、映画の中と同じ速度で流れません。
更埴の杏の花の海の中を、とつおいつ歩いていく博士と√。圧倒的に美しかった光景、一瞬のうちに永遠を見るというブレイクの詩の世界だったものが、家のテレビの枠の中に納まった途端、観光旅行の一面広告のように見えてきます。
|
浅野素女「フランス父親事情」 |
2007/09/08(Sat)
|
フランスでは父親の出産休暇が2週間。
フランスではDNA鑑定が厳しく制限されている。
フランスは父親に優しいのだろうか。
フランス父親事情
![]() これまでは、子どもは自動的に父親の姓を継いでいた。それがいまや、母の姓でもいいし父の姓でもいい。ふたつの姓をつないでひとつの姓として子どもに与えることもできる、と選択肢がぐっと広がった。ただし、そのまた子どもには、ふたつある姓のうちどちらかしか伝えることはできない。姓を代々つなげていったら、際限なく長い姓になって収集がつかなくなるだろう。 第一子に与えた姓を、第二子、第三子で変えてはいけない。つまり、同じ両親から生まれたきょうだいはすべて同じ姓ということだ。複合姓を作るときは二つの姓を二重ハイフンで結べばいいのですが、どちらの姓を先にするかは命名のとき親が選ばなければなりません。 生まれる子どもの親の半数(第一子に限れば6割)が結婚していないカップルだというフランス。「私が父です」と名乗りをあげて、子どもを育てる意思を持つ人が父である国。 子どもに自分の(単姓であれ複合姓であれ)姓を継がせたくない父親がいるかしら。 男女とも生まれたときの名前が生涯を通じての正式名(結婚してパートナーの姓を名乗ったり複合姓にしたりするのは通称)であることを考えると、姓を選ぶのはきっと難しいことだろうと思います。 |
小倉千加子「宙飛ぶ教室」 |
2007/09/07(Fri)
|
エッセイです。宝塚歌劇宙組のことがいっぱい出てきます。
ほえー、宝塚でそんなことが起きていたんですか。と、面白めずらしく読みましたが、涙腺に訴えるのは教え子(学生)の話。
湿度の感じられない筆で、一見坦々と書いているのですが、時に不器用、時に愚かな学生を本当によく見ていて、恐いけどいい先生だなあと思います。
(「僕はこの大学に入ってよかったです」という学生に「でも、違うと思うね」と返答するシーンはその最たるものでした)
そしてこの小倉先生を育てたのが三島二郎先生。
「あなたは自分のボーナスの額を知っていますか?」 まだ大学に奉職していた頃、三島先生に質問されたことがある。 「もちろん知っています」 「では、学生の授業料を知っていますか?」 私は口ごもった。この間教授会で授業料値上げ案に賛成の挙手を全員がしたばかりだが、その金額は覚えていない。 「私学にありながら、学生の保護者の負担する金額を知らないことは恥ずべきことです。親というものは子どもに学問を身につけさせるために、どれほど苦労しているか計り知れません。学問は教育のためにするものです。そして教育は学生とその親の支払うお金のためにするものです。税金で賄われる官立の大学にあっては、最も肝心なことが忘れられています。直接親の負担する金額を知らずして、どうして学問が出来るでしょう。真の教育は私学においてしかあり得ないものなのです」という具合でとても厳しそうですが、著者が学生時代に小劇場演劇にハマリ、ゼミを欠席しがちになったときは 先生は暫く沈黙されてから「人生には、無駄な経験は1つもありませんから」と、諦めたような顔をされた。 「まあ、そのうちにあなたも心理学に帰ってくるでしょう」と言われたんだとか・・・・。 読んでいる最中は自分が楽しかったのですが、「この話をあの人にしたい」「このエピソードはぜひ彼女に教えなくちゃ」などと考えて、読後も幸せが続きます。一気読みした結果の寝不足も仕方なしといたします。 |
NHKスペシャル取材班「ひとり誰にも看取られず」4 |
2007/09/06(Thu)
|
4.「自立」より「上手な依存」
明治学院大学教授の佐藤さん(残念ながら姓しか表記されていない)は
「孤独死の背景には“自立”を求める人間観が、人々を“依存下手”にしてしまっているということがあるのではないでしょうか。これは高齢者に限りませんし、介護などで他人の世話になりたくないないという真理とも共通しています。イギリスの精神分析学者フェアバーンが『人間は依存から自立に向かって発達するのではなく、未熟な依存から成熟した依存へと発達する』としたのは、まさに正しいと思えるのです」と発言していました。 つまり、何でもかんでも「ほぎゃあほぎゃあ(助けてー)」の赤ん坊が、必要なことだけ「これこれを助けてください」と言えるようにするのが育児というわけですね? 「自分のことは自分で出来るようにする」の第一目標だと思ってきたけれど、その上で「出来ないことを見極めて、それを人に頼める」ようにして行かないと、わが子が孤独死するかも知れないのだと思いました。 埼玉県入間郡にある「住民流福祉総合研究所」所長の木原孝久さんは 孤独死には“助けられ下手”という問題があります。助け合いが始まるかどうかは、『助けて!』と言えるかどうかにかかっていますが、今の日本には福祉の担い手の研修はあっても、助けられ上手になる研修はありません 中略 男性は助けを求められないのです。自立とは、助けを求めることも含むと私は考えますが、助けの求め方を教わっていないのですと語っています。 『助けの求め方』。義父(夫の実父)が非常に助けられ上手な病人だったので、夫は大丈夫だと思います。が、義父はわが息子が2歳のとき亡くなったので、息子にはこれから助けの求め方を教えていかなければなりません。 死に方を考えることは生き方を考えることだと、しみじみ思う「ひとり誰にも看取られず 激増する孤独死とその防止策」でした。 |
裴昭「となりの神さま」 |
2007/09/06(Thu)
|
在日異邦人のためのいモスクや教会やガネーシャや寺院が紹介されていて興味深い本です。
裴 昭 / 扶桑社 (2007/06/30)
故国で新しい寺院を作り、それを解体して日本に運んでまた組み立てたという手の込んだものから、プレハブ、賃貸アパートの一室などが祈りの場として機能しています。
豊富な写真と、臨場感のある文章。こんなに身近に、たくさんの神様がいることに驚きます。その神々が、言葉や文化が違う人多くの人の中に住まう同胞を、しっかり支えていることにも。
日本人が移民としてブラジルやハワイに渡ったとき、こんなに熱心に寺や神社を建立し、仏教や神道を生活の基盤・コミュニティーの要として行動することがどれだけあったか。
宗教が支えにならなかったのなら、彼らは何を支えにしていたのか。
この辺不勉強なので、これからおいおい読んで行こうと思います。
|