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西原理恵子「毎日かあさん4 出戻り編」さいごに
2007/08/31(Fri)
さいごに「さいごに」について。 漫画家はウソをつくのが商売。 西原さんはとっても商売が上手です。 その漫画家が
20年間 ウソ話ばかり 作ってきたのに 私は この日のために 自分の子供に するウソを 用意して ない。
と、動かなくなった彼の前で泣き続けます。 抑えに抑えた線の数。ほとんど記号化している母さん。あわい紫でぬられた空気。 光ある世界に取り残された子ども。 この後の展開を、もちろん私は書きません。 みなさんに、鴨志田さんがさいごに言ったことばを西原さんの絵の中で目にして欲しいと思います。
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西原理恵子「毎日かあさん4 出戻り編」3
2007/08/30(Thu)
むぎちゃん5誕生!」のおかあさんはむぎちゃん。男の子5人の母。
一人も死なせない。だけがうちの育児目標
という。 ほんとだろうか? 漫画ならではの誇張だよね?? でもうちにいるひとりの男の子を見ていると、「これが集団で暴走したら」、「いや、ばらばらに逃走したら」・・・、「死亡事故もありえる」という気がします。 とにかく生きておれ生かしておけという壮絶な子育て。信憑性あり。 「ああ漢字」のおかあさんは西原氏。息子の漢字練習に苦労してつきあった挙句、旅行先(ゴビ砂漠)で読者に自分の誤字を注意される。 ありえますか? これ。 漫画ならではのフィクションですよね。 西原さん、子どもの頃から本はたくさん読んでいるし、漫画が掲載される前に、編集部のチェックも入っているでしょう? (大体私は西原さんの誤字に気付いたことがありません。このエピソードが事実なら私自身の漢字力が恐ろしい) 一読したときホント?と思った鳥頭エピソードの数々。面白くて、早く先を読みたくて、そのまま通り過ぎたけれど、読み返すとかなり「フィクションだな」というものが多いです。 「祝90点」では「お株を取られる」と言うべきところを「朝顔に釣瓶取られてもらい水」と言い、「出藍の誉れ」を「老いては子にしたがえ」と言い換えていました。 微妙絶妙な外し方は、
キミさあ、息子が生まれて8年たって90点取った時点で学力追いこされたくさくないか?
という人に出来る由なく、
キミ本当に勉強できないね
を丸呑みすると作者の術中です。 「読書時間」は母として司書として笑っていていいのか? と思いつつ笑ってしまいました。 蔭山先生が笑えるかどうか・・・知りたい(笑)
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西原理恵子「毎日かあさん4 出戻り編」2
2007/08/30(Thu)
「海辺の食卓」で
田舎のじいちゃん ばあちゃんは子供を ほめるのが主な仕事だなあ。
と言っていたのがとても印象深かったです。 そこに出てくるじいちゃんは、波間に浮かぶ子供たちを浜で見ながら、子供らの母親に「ええ子やね」「いやホンマええ子やね」と言って魚をくれます。 じいちゃんに褒められているのは、子どもじゃなくて母親。ええ子を育てている母親です。 これだけパワフルな子どもを育てていたら、たまに誰かに「ええ子や」って言ってもらいたいだろうと思います。 田舎のじいちゃんばあちゃんは親を励まし慰める存在だと語る漫画でした。
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西原理恵子「毎日かあさん4 出戻り編」
2007/08/29(Wed)
「お父さん」の鴨志田さんが亡くなったのを知っていたので、覚悟して読んでいたのですが、やはりラストは涙、でした。 毎日かあさん4 出戻り編
西原理恵子 / 毎日新聞社 (2007/07/20) きっちり笑わせてくれた後で(そして「武蔵野美大ってどんな入学試験をやってるんだろう?」という疑問を抱かせた後で)、『さいごに』というものすごい漫画を持ってくる西原氏。 これは一体何なのでしょう。漫画? 詩画? 手紙? 日記? やはりこれは漫画です。文章と、余白と、絵と、こま割。 漫画でこんなことも表現できるのかと、読み返すたびに驚きます。 悲しいのに、明るい気持ち。こんな気持ちを、他のどこでも、読んだことがありません。 そして私は、『さいごに』を幾度読み返せば気が済むのでしょう。 きっと、すべてのコマ、すべての科白を覚えるまで。 目をつぶっても頭の中で、1コマ目から最後のコマまで再現できるようになるまで、私は『さいごに』を読み返すと思います。
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牛に願いを:私の好きな歌
2007/08/29(Wed)
「牛に願いを」と聞くと、弟が高校時代に作った歌を思い出します。
歌よみが牛飼うときに世の中の新しき牛大いにおこる
ばかばかしさがうれしくてけっこう愛唱してました(笑) そして秋澄む頃に思い出すのが高校時代の友人(知人?)、横田君が授業中に作った歌。
行く秋の大和の国の俺んちの軒の下なる一匹の蜘蛛
自分には決して作れない歌で、調べといい、ズーミングの見事さといい、舌を巻きました。 「俺んち」という雅から俗への切り替えの鮮やかさには、今でもカタルシスを感じます。 本歌と同じくらい、好きな歌です。 追記:紹介した歌の本歌
牛飼が歌よむ時に世のなかの新しき歌大いにおこる 伊藤左千夫
伊藤左千夫は歌人にして作家。小説「野菊の墓」の生みの親です。
ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲 佐佐木信綱
佐佐木信綱は歌人にして万葉学者。歌人佐佐木幸綱氏の祖父です。
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キャプテン
2007/08/29(Wed)
映画の中の観客と一緒に拍手したくなったり、映画の中のナインと一緒に「礼!」したくなったりして困りました。 年端の行かない役者たちは台詞回しが棒読みっぽかったり滑舌が悪かったりするのですが、気になりませんでした。 中学生は誰もがヒーロー。各々が自分自身の人生の主人公として、気負って生きています。その過剰な自意識故に、度外れて恥ずかしがりだったりもします。 気負いや羞恥ゆえに、声が上ずったり舌がもつれたりするのはありがちなこと。 映画全体を、自然に、くつろいで観られました。
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メイクフラワー 花子ちゃん
2007/08/28(Tue)
公民館で借りた花折り機「花子ちゃん」。 おはながみ(薄い薄い色紙)5枚を重ねてセット。レバーを向こうから手前に引くだけで、5枚一度に蛇腹折りにできる優れもの。子ども(小学3年生)にも操作できる簡単さ(もっと小さい子でもやれば出来るかも)です。 商品名は「メイクフラワー 花子ちゃん」というらしい。価格は6,510円から8,400円(ネット価格)。 ほんとーに便利なので、大量に紙の花を作るときは近隣の公民館・学校・幼稚園で借りられないか聞いてみる価値大です。 (あんまり便利なので諏訪大祭実行委員会で購入しようかという話が出て、価格まで調べました。思ったより高かったので、実際に買ってもらえるかどうか??)
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ウィル・グッドウィン
2007/08/28(Tue)

ウィル・グッドウィン5輪咲.jpg5輪目まで咲きました。 5輪目の花弁は心もち波うち、最初の花はラベンダー色になりましたので、この花をウィル・グッドウィンであると(私が)認定します。
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いい加減にがんばってください
2007/08/27(Mon)
団地の自治会長を務める友人にメールをもらいました。来週末が自治会の夏祭で、まさに忙殺されていると。 熱川地区は田舎なので、区長・自治会長は65歳以上の人の仕事と相場が決まっています。40台や50台で自治会長なんて、団地は若い町なんですねー。 家柄や三代前の主人の威光に左右されない良さがあるけれど、価値観が多様で苦労が多いことと思います。 田舎の母は「悪く言われたければ『人寄せ』をしろ」といいます。 たくさん人が集まればみんなにいいようにするのは無理だということです。 友人夫婦は二人ともとても真面目で誠実なので、悩みすぎて体調を崩さないか、私は心配です。どうぞいい加減にがんばってほしいと思います。 人は変わっていくものだから、今年分かり合えなかった人といつか分かり合えるかもしれない。言いたい人には言わせて置けばいいんです。 (なんつって、単位子ども会の会長をしていたとき、自分にはそれが出来なかったんですよね。言われたことにいちいちくよくよしていました) 友人の自治会夏祭の成功を、心から祈ります。
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夏祭11年やりました
2007/08/27(Mon)
私は保育園の6年間でいろいろな夏祭を経験しました。 1年目:見るだけの参加 2年目:いるだけの実行委員 3年目:ねぶた紙張りのみ参加 4年目:絞り染めTシャツづくりとぶち合わせ太鼓参加 5年目:口数の多い実行委員 6年目:スタッフに恵まれた実行委員長 3年目までの私は夏祭に消極的で、特に2年目夏祭では実行委員長の足を引っ張っていました。その節はすいませんでした。後年自分が実行委員長までやるとは思っても見ませんでした。 だから卒園後に諏訪大祭に関わるようになったとき、祭りに関係したくない人の気持ちも、義務的に関わる人の気持ちも、楽しくやろうぜの人の気持ちも分かるような気がしました。 ここ2年は模擬店の責任者をやっていますが、今年初めて、店番を殆どしない責任者になりました。やっとやーーーっと、実務から浮いていて店全体を見渡すようになったのでした。 今までつい販売接客に没頭してしまい、フランクフルト販売をしていると団子販売のことが分からず、おもちゃくじ売りの釣銭が不足してくることにも気付かないという状態でした。 所詮祭の模擬店ですから、客に待ってもらいさえすれば解決することばかり。 接客は「笑顔」さえあれば不手際があったってかまわないのですが。 でも、長くやってきて以前出来なかったことができるとうれしいものです。 やっと11年目で花が咲いた? もちろん保育園の夏祭で培った祭の味わいはここでも健在です。 「一緒に仕事をすることで未知の人と知り合いになれる」 「同じ仕事をすることでよりよく知り合える」 地域には老若男女いろいろな人がいるので、知り合う人の幅はぐんと広がりましたし、子ども会の仲間のお母さんもなかなか話す機会がないので、祭の仕事は互いによく知り合うための貴重なチャンスになりました。 『祭には行ってみよう。できれば準備から参加してみよう』 保育園の6年間でいろいろな祭参加の仕方ができたことは、本当に得がたい経験でした。現在住んでいる場所で、祭という非日常的な空間で、日常だけではなしえないネットワーク作りにチャレンジできるのは、保育園の夏祭で子どものクラスや性や年齢を超えて、ステキな繋がりを持てたからです。 ありがとう、あのときの仲間たち。 私は今も、口数の多い実行委員です。
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ピーター・メイル「プロヴァンスの贈りもの」
2007/08/27(Mon)
映画とは別物の原作小説なので、読んでから映画を観ても、映画を観てから読んでも、どっちからでも楽しめます。 プロヴァンスの贈りもの
ピーター・メイル, 小梨 直 / 河出書房新社 (2007/06) 陽光あふれるプロヴァンス。美味しい食べ物とワインをこよなく愛する人々。 そこにうごめく大事件。大金が動く犯罪に、いつのまにか巻き込まれる(飛び込む?)主人公。 映画の主題は「マネー オア ライフ」 ロンドンの金融界で成功を収めたラッセル・クロウ(マックス・スキナー)が、ロンドンの仕事生活かプロヴァンスでしか成立しない恋かを選びとる物語。 小説の主題はガレージワインを巡る事件。その推理と攻防。もちろん恋もするが。 主人公(マックス・スキナー)はロンドンの仕事に破れ、借金を抱えてプロヴァンスに落ち延びるので生活する場所については選択の余地なし。 こんなにテーマが違っていても、原作っていうんですね。 キャラクター造形と舞台を流れる風の色が共通とは言えると思います。 そして自分は・・・映画のストーリーの方が好きです。鼻持ちならなかったラッセル・クロウが、プールで魂を洗われて、下働きの(?)ウエイターを務めるに至る心境の変化を粋に演じていました。 ピーター・メイルに映画の感想を聞いて見たいと思います。
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朝比奈蓉子「たたみの部屋の写真展」
2007/08/27(Mon)
中学に入った夏、保は近所の老婆に亡くなった老婆の息子と取り違われ、成行きで老婆の息子役を演じることになる。 たたみの部屋の写真展
朝比奈 蓉子 / 偕成社 (2007/07/03) 認知症の老婆と、初対面の中学生がどう付き合っていくのか。保の親友が認知症の祖父と暮した経験があり、保の理解を助けてくれるが・・・。 登場人物がみんないい人で、話がするする進むので、1時間かからずに読了。 大人の読書としては少々もの足りないけれど、子どものやわらかい脳には、娘の顔も分からなくなる老婆の悲しさ、母に財布を盗んだと決め付けられ罵られる娘の辛さ、その母に向かって怒りを爆発させた娘の後悔の苦さなどが、どんな風に沁みることでしょう。 まだ認知症のことを知らない子どもにどうぞ。
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ラベンダーカラーはようていの色?
2007/08/26(Sun)
ウィル・グッドウィン? に新しい花が咲き出し、咲き出すときの花弁と、蘂が8割以上開いた初花の花弁との色の違いが明らかです。
ウィル・グッドウィン3輪開花.jpg(相変わらず赤みが飛んで青っぽく写っていますが、見た感じは紫です) で、色の薄れた最初の花を見ていてハッとしたのです。 これはもしや、ラベンダーカラー? まさしく私たち夫婦が一番好きなラベンダー、オカムラサキ(Lavandula angustifolia 'Okamurasaki')の色でございますよ。 あわててウィキペディアでラベンダー色を調べてみると、
HTML のカラーコードでは、#DFA0D2 の色指定で lavender を表現できる
色なんだそうです。 この色は多分・・・ラベンダー、ヨウテイ【羊蹄】(Lavandula angustifolia 'youtei') の花色ではないかと思われ、我が家のウィル・グッドウィン? の色とかけ離れています。 ウィル・グッドウィン? の蕾はあと2つあります。やっぱり一つでもいいから、ウィル・グッドウィンらしい花に咲いてもらいたいと願ってしまいます。 2年育ててから別の品種でしたなんてなったら、あんまりですもの。
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カテゴリーと分類
2007/08/25(Sat)
当サイトの「本・雑誌」カテゴリーの記事数が200件を超え、そろそろ「本・雑誌」の中身を分類する必要が・・・・。 「なんとかの本」「かんとかの本」とカテゴリーを作り、再分類をし始めたけど、なかなか面倒で進みません。 「いっそNDC分類にしてしまいたい」と思いましたが、すでにカテゴリー分けした部分のやり直しはイヤ。 まあぼちぼち進めていくしかないか、と思うのですが、これからブログを始める方には「カテゴリーは細かめに」とおススメしたいです。 思ったより記事が増えないカテゴリーをあとから統合する方が、増えすぎた記事を再配分するより楽だと思うので。 しかし、何より、100も200もためる前になんとかするのが最上です(笑)
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ウィル・グッドウィン?
2007/08/24(Fri)
8月22日、ウィル・グッドウィン?が咲きました。 今まで記事をアップしなかったのは、これ、本当にウィル・グッドウィン?と疑っていたから。 蘂が開いて花色が安定するのを待って写真を撮ってみました。
ウィル グッドウィン?.jpg 写真は本物よりかなり色が明るく写っています。見た目はずばり紫色。 ウィル・グッドウィンはラベンダーブルーで花弁の縁が波打っているのが特徴のハズなんですが。 植えて1年目では花の本来の色形が出ないことがあるという話も、どこかで読みました。楽しみは来年に持ち越しかな。
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レミーのおいしいレストラン
2007/08/24(Fri)
映画「レミーのおいしいレストラン」を家族で見てきました。 見終わったあと、3人で 「あのレミーと鼠仲間の作った料理、食べてみたい?」 という話をしたら、3人とも答えは「ノー」。 料理は、味さえよければいいわけじゃない。 作り手への信頼がなければ、口に入れられないのが料理なのだと、再認識させてくれた映画でした。
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早坂隆「日本の戦時下ジョーク集 満州事変・日中戦争篇」
2007/08/24(Fri)
映画「笑いの大学」で役所広司が演じていた検閲官を思い出します。 彼の願いは、稲垣吾郎(椿一役)に「必ず生きて帰って来い」と言った切なる願いは、かなわなかったのですね。 日本の戦時下ジョーク集 満州事変・日中戦争篇 (中公新書ラクレ 249)
早坂 隆 / 中央公論新社 (2007/07) 椿一のモデル、菊地栄は応召後中国でこめかみに敵弾を受けて即死。36歳。 椿一(菊地)が生きて帰れたなら、戦場を舞台にした笑いのネタを考えたでしょうか・・・・。 ジョーク集と銘打っていますが、収録されているのは漫才の台本が多いです。 漫才の台本が薄い小さい冊子に印刷されて、慰問の品として戦地で喜ばれていたとは、この本を読むまで知りませんでした。 どんなところでもどこででも「笑おうとする」魂を持っているのが人間なのかもしれません。
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上野千鶴子「おひとりさまの老後」
2007/08/23(Thu)
今までどうして誰もこんな本を出さなかったんでしょう。そうですよ。介護の仕方の本がたくさんあるのに、介護の受け方について語る本が全然ないなんて変です。 そしてこれ一冊だけでいいはずが無いです。みんな上野千鶴子に続け、追い越せ。 ポックリ寺に詣でるより、みんなで介護の受け方を勉強する方が『人事を尽くして天命を待つ』ってもんです。
おひとりさまの老後
上野 千鶴子 / 法研 (2007/07)
勝ち犬だって夫が死ねばシングルアゲイン。誰でも死ぬときは独身、お一人様。 人は誰かと一緒に死ぬことはできません。手を握って付き添う人にも、死の恐怖や孤独は共有できません。死ぬときは誰でもおひとりさま。 病室を居室に近づける努力より、居室を病室に近づける努力をすべき。 「(介護が必要になっても)ぎりぎりまで自宅で過ごしたい」というとき、「自宅」は「自分の住宅」であって必ずしも「家族と同居」を望んでいるわけではない。 年寄りが自分の家で死にたいと望むとき、阻むのは同居の家族。家族がいなければ自宅でターミナルケアを受けられるのに。 一人で死んだ後、数日以内で発見されるならそれは自然死。病院で誰かに看取られて死ぬのは自然死でなく社会死である。 生き残る人のために臨まない社会死をさせられるより、思うまま生きて自然死しよう・・・。 etc. 目から鱗が落ちすぎて、目まで無くなってしまったような気がします。
香山リカちゃん、酒井順子さん、もう「老後は恐く」ないからね!
と、著者はあとがきで呼びかけています。 これを読んだらポジティブ・バンコン人たちがポジティブ・シングルに宗旨替えするかも。
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カバーの問題2
2007/08/23(Thu)
ビアンカさんから、日本の本は「カバーや帯をいつごろからつけるようになったのか」という質問?をいただいたので、そのうち調べてみようと思います。 (私の場合「そのうち」とは「忘れる前」と同義です。ビアンカさん、気長にお待ちください) 調べる前に、今自分が感じていることを書いておきます。 日本の本は、カバーを取ると地味なだけでなく情報量が不足するのが難です。表紙にタイトルが印刷されてないこともあるし、背に何にも書いてないこともあります。(背文字がなくては本棚に入れたとき困るじゃないですか!) 奥付をカバーの折返し部分に持ってきている本も(安価な本に多く)あります。 つまり、日本ではカバーも本(本体)の一部化している傾向があるということです。 委託販売につきものの返本制度がカバーの重要性を高めているのではないかと、私は睨んでいます。 目立たせて売りたい、でも定価を高くしたら売れない。だからカバーで目立たせるという思惑もありますが、返本された本をカバーだけ付け替えて再び市場に出したいという出版社の思惑もきっとあると思うのです。
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永井暁子「対等な夫婦は幸せか 」
2007/08/23(Thu)
うーん。すごいタイトル。対等な夫婦を幸せだと思っている人なら絶対つけないでしょう。 対等な夫婦は幸せか (双書ジェンダー分析)
永井 暁子, 松田 茂樹 / 勁草書房 (2007/01/19) しかし、人は何を以って幸せというのでしょう。 幸せの基準と評価の仕方に納得が行かない限り、対等な夫婦が幸せかどうかなんてはかれません。不幸せかどうかも、亦。 大体、家計への責任の重さと自由時間の長さが均等であることを以って対等な夫婦と呼ぶのは妥当なのか疑問です。 「対等」と「幸せ」の定義に共感できないので、読み物として面白くなかったけど、学術的には価値がある本なのかもしれません。 学術書なら含みの多い(文学的?)タイトルは避け、『共働き夫婦の満足度調査解析』と言って欲しかったと思います。
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帯の問題
2007/08/22(Wed)
カバーを捨てる我が図書館ですから、当然帯も捨てます。最近は帯も凝っていて
 や  など
本の半分以上を覆っている帯もあり、捨てるのがやぶさかなときもあって悩ましいです。 上の風味絶佳の場合、帯が二重(書名が印刷されたオレンジ色の太い帯が内側、ピンクの細い帯が外側)にかかっていて、手が込んでいます。 この場合は始めから帯を2枚かけるつもりだったと思いますが、本が発行されてしばらくして帯だけ新しくかけ直すことも多いです。 ネット書店の情報を見ながら選書していて 「すわ新刊?!」「早や改訂版??」 などと驚かされたけれど、新帯(その本がなんとか賞を受賞したとか、映画化が決定したとかいう情報がメイン)をかけただけだったってこともよくあります。 136回芥川賞受賞の「ひとり日和」など旧帯の上からそのまま新帯をかけてあり、新帯にあった選考委員談話の選考委員名が印刷でなくゴムスタンプで捺してあるという凄さ。 「選考委員」という肩書きまでが印刷されていて「村上龍」だけがかすれたスタンプで入っている新帯に、少しも早く「芥川賞受賞作」を店頭に並べたい河出書房新社の執念を感じました。 カバーと帯の印刷については「日本でいちばん小さな出版社」にも興味深い言及がありました。 何のための帯か、それがどれだけ効果をあげているか、誰か研究しないかなあ・・・・。
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真夏のクレマチス
2007/08/21(Tue)
梅雨が明けて「ガッ」と暑くなり、それからもりもり生長し出したうちのクレマチス。 ザ・プレジデントが小輪ながら2輪咲き、ウィル・グッドウィンも蕾を持ちました。 動きのなかったブルーエンジェルとエトワールバイオレットもぐいぐい伸びだし、先端には小さな蕾が見えます。 クレマチスは暑さに弱く、梅雨明けは立ち枯れ病の要注意期の始まりと聞いていましたが、なぜかうちの子たちは夏が好きなようです。 それにしても今年は暑いので、昨年まで人間のためにしたことのない「打ち水」を、クレマチスの鉢スタンドの下にのみ施しています。 もうすぐ咲きそうなウィル・グッドウィン。この暑さを冷ますような、冷涼な青でありますように。
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残酷暑
2007/08/21(Tue)
盆明けに洗濯機が故障。盆中に故障した電化製品の修理がたまっているとかで、修理の順番が回ってくるまで連日のコインランドリー通い中です。 コインランドリー通いに息子が 「ぼくも行く」 というので不思議に思っていましたら、スーパーやコンビニへのちょっとした買物にも 「ぼくも行く」 とついてくるようになりました。 ためしに 「ポストに葉書を出しに行くけど、行く?」 と声をかけるとこれはパス。 奴さん、クーラーがきいているところにだけついて歩いているのでした・・・・・・。
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前田建設工業「前田建設ファンタジー営業部Neo」
2007/08/21(Tue)
前作前田建設ファンタジー営業部のインパクトが強かったため、前作の内容
実在の大手ゼネコンが、「マジンガーZ地下格納庫一式工事」に真剣に取り組みました。予算72億円、工期6年5ヵ月(ただし機械獣の襲撃期間を除く)で引き受けます。
を凌ぐ企画は現れまいと思っていました・・・・・が、 前田建設ファンタジー営業部Neo
前田建設工業 / 幻冬舎 (2007/07) が出ました。今度は
「銀河鉄道999」高架橋一式(メガロポリス中央ステーション銀河超特急発着用)予算37億円(土地代を除く)工期3年3ヵ月で引き受けます
だそうです。
もしもこの本をご覧のどなたかが、前期の金額と工期を見てなお「本当に」銀河鉄道999の発車台を弊社に注文して下さるのであれば、施工場所など諸条件に見合った計画に修正し、かつ必要となる諸実験費用も含めた上で実際に施工させていただきます。
と前田建設工業株式会社が言い切るのだから、技術的には可能なんですね。 振動の対策、座屈の対策、風の力への対策、さまざまな問題を解決しながら企画は進んでいきました。 前田建設ファンタジー営業部が無かったら、REED工法の施工方法は勿論、ブーム(クレーの腕の部分)が160mなんていう大型機械(500t)が日本に数台実在することを私が知ることはついぞなかったでしょう。 この本は、日本に現在どんな技術があり、それでどんなことができるのか楽しく読むことが出来る、骨太(それも鉄筋入り)のエンターティメントです。
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カバーの問題
2007/08/19(Sun)
人間失格 (集英社文庫)
カバーで本が売れるなら、読書人口が増えるなら、有り難い。「約1か月半で7万5000部」大変結構。 何から入ってもいいんです。裾野が広くなくては高い山は成り立たないのですから。 しかし、私は空しいです。うちの図書館はカバーをすべて捨てるから。 (洋書のみカバーの上から透明カバーをかけるけど) 装丁による効果は半減四半減壊滅減。 夜神月に似た学生服の青年が上目遣いにこちらを見ているのは集英社文庫の新装版です。カバーが変わるだけではISBNナンバーが変わらないため、ネット書店での注文には注意が必要。 カバーにこだわるならリアル書店での購入をおススメします。
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大島真理「司書はふたたび魔女になる」
2007/08/18(Sat)
前回の魔女本と同じく、第一部が図書館を巡るエッセイ、二部が書評、三部が映画評という構成です。 司書はふたたび魔女になる
大島 真理 / 郵研社 (2007/07) ぼんやり読んでいたら、恩師のお嬢さんが(名前だけですが)出てきて、びっくり仰天しました。 お嬢さんが木坂涼という名前で詩を書いていることだけは知っていたのですが、結婚相手がアーサー・ビナード氏だったとは! 結婚されたことも知らなかったので、「名前は知っていたが彼のつれあいだったとは」という著者の驚きをすっかり共有してしまいました。 折りしも私は、数日前にアーサー・ビナードさんの本を利用者に紹介したばかり。奇遇というかなんというか、さわやかに鮮やかに驚かされています。 読書の縁はおもしろいものだと思います。
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ありがとうとこちらこそ
2007/08/18(Sat)
図書館でさまざまなサービスをしていると、お礼を言ってくれる利用者がいます。 返却時の「ありがとうございました」のほとんどは、著者に向けられるべき言葉じゃないかと思いますが、その本をあなたに渡すまでにいくばくかの仕事をさせていただいたかもしれないので、「こちらこそ」と言って受け取ります。笑顔全開です。 笑顔を翻訳するなら「こちらこそ、あなたが『ありがとう』と言ってくれるよううな本に関わることが出来てうれしいです。ありがとう」というところ。 不思議なのは、「こちらこそ」前につく言葉。 「はい。こちらこそ」 「いいえこちらこそ」 というときがあり、ハイと言ったりイイエと言ったり我ながらどっちなんだと思います。 改めて考えてみると、「ありがとございましたァ」のように早口で軽く言ってくれる人(若年者に多い)や 「ありがとう」とだけ軽くいう年配の利用者に対して 「はい。こちらこそ」を使用しているようです。ハイをはっきりくっきりゆっくりと言って一度切り(ここで笑み)、コチラコソを付け足すような感じで言っています。 「ありがとうございました」と丁寧にしみじみと言ってくださる利用者には「いいえこちらこそ」を使うことが多いようです。イイエから一息にコチラコソを言い、コチラコソの方をくっきり発語します(そして笑顔)。 別にセオリーがあるわけではなく、なんとなくそうしているだけなんですが。 人の喜びに立ち会えるのは、この仕事の醍醐味です。 今日は能面のまま帰ったあの人やこの人に、読書の喜びに出会ってもらえるよう、更に選書眼を養わなければと思います。
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大島真理「司書はときどき魔女になる」
2007/08/16(Thu)
自分もときどき、いえ、ごくまれに、「私は魔女か?」と感じるときがあります。 司書はときどき魔女になる
大島 真理 / 郵研社 (2006/04) 全編、ええ、そう、確かに!という相槌を打ちながら読みました。 一冊の中で3行だけ、首が縦に振れないで斜めになるところがありました。
またカウンターの話になるが、利用者の中にはこちらが「返却か」「貸出か」と尋ねても一言も発せずに帰る人がある。図書館もコンビニも一緒なのだろう。
という3行です。 我が図書館でも珍しくない出来事です。話しかけてもウンともスンとも言わない相手に会うたび、悲しい思いをします。 本を突き出せばそれでわかるだろうと言わんばかりの彼女。貸出か返却かはこちらで見当をつけて「貸出ですね」のように確認すると、「是」の返事は黙って立っているだけ。 彼女にとって私は、(何を言っているかは分かるけれど返事をする必要なんか無い)テレビの中のアナウンサーのようなものなんだと思います。 著者は「図書館もコンビニも一緒なのだろう」と言っています。 人が直接サービスをしているという点で、図書館の貸出返却カウンターもコンビニも一緒だと思いますが、著者は何が違うと考えているのでしょうか? コンビニの店員だって「お箸いりますか」「温めますか」などと問うたとき、客がウンともスンとも言わなかったら、嫌な気持ちがするだろうと思います・・・・。
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早坂隆「日本の戦時下ジョーク集 太平洋戦争篇」
2007/08/16(Thu)
終戦記念日に読んだ一冊。 日本の戦時下ジョーク集 太平洋戦争篇 (中公新書ラクレ 250)
早坂 隆 / 中央公論新社 (2007/07) 先日TV放映された映画「笑いの大学」を見たばかりだったので、シーンとして読みました。 『元気になりたかったらとりあえず笑ってみること』。本当に苦しいときにこの手法を思い出したいと思うけれど、そんなことを思い出さずに笑っていたいものです。 前書きで著者は
天皇は国務大臣の輔弼や大本営政府連絡会議の決定のあとにその権力を発動したのであり、直接的に自らの権力を行使したのは、終戦の決定のみである
と書いているけれど、天皇は終戦にしないという決定も一度しています。その後二発の原爆を受けてから、やっと終戦の決定をしたわけです。 終戦にするという決定も終戦にしないという決定も共に「終戦の決定」と言えばいえるかも知れないが、それは詭弁というものでしょう。
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プロヴァンスの贈りもの
2007/08/16(Thu)
夫婦で映画を見てきました。「プロヴァンスの贈りもの」です。 子ども連れは無理ですが、カップルでも友達同士でも勿論一人でも楽しめる映画だと思います。 会話はさすがピーター・メイル原作だなあと感じさせるテンポ。丁々発止のやりとりです。 やっぱり映画だなあと思わせるのが英国シーンとプロヴァンスシーンの切り替えの鮮やかさ。これは映像ならではの味わいです。 主人公がプールに落ちて脱出するまでのシーンも楽しかったな。 オフィシャルサイトでプロダクションノートを見ると12のエピソードの背景が分かって面白いです。解説なしにこれが分かれば映画が倍楽しめるのでしょうが、「おお、そうだったのか。ポン」でもよし。おお、そうだったのかの繰り返しで、世の中の味わいは増していくというものです。 ストーリーについては原作を読んでから、原作の感想としてお伝えしようと思います。
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