fc2ブログ
水野スミレ「専業主婦になりたい」
2007 / 03 / 06 ( Tue ) 21:44:22
タイトルから「主人公は保守的な女性だろう」と思っていたら、これがどうしてなかなかどうして、いやはや。 専業主婦になりたい
水野 スミレ / 中央公論新社 (2006/12) 風俗業で楽しみながら、母親にパラサイトしている優等生主婦。 なんて濃い設定。 相反する3つの要素が1人の女性の上にいっぺんに成り立つところが、この小説のすごさです。 こんな人が現実にいるかなんて考える必要はないと思います。この小説の中にちゃーんと生きているんだし、こんな面白い人がもし現実にいるなら、わざわざ小説を書く必要なんてないでしょう。 世の中にルポライターだけでなく小説家が存在するのは、小説家は「いたら面白いけどいそうもない人を、そこにいるかのように書ける」からだと、「専業主婦になりたい」を読んで思いました。
スポンサーサイト




読書(小説・詩歌) TB:0 CM:2 admin page top↑
日輪
2007 / 03 / 06 ( Tue ) 06:08:50
お恥ずかしい話ですが、日輪と書いてひまわりと読むのを、私は知りませんでした。ひまわりは向日葵としか。 だから松村由利子さんの
口角を上げよ背筋をぴしと張れ働く女は日輪の花
という歌に接したとき「日輪の花」を「にちりんのはな」と読み、朝咲いて夕方に萎む一日花のことだと思ったんです。 女はマツバボタンや芙蓉のように、毎日毎日咲きかわる。 だけど一日でも気を抜いたら一巻の終わり。もう花は終わったとみなされる。 一日一日、気力を漲らせていなくては。 さあしゃんとして、今日も咲き出だしましょう。 と、そういう歌だと思いました。 (無知ゆえの、恐ろしい誤解です) 松村さんの文章を読んで、仕事の出来る「職場の花」であるためには、日輪(ひまわり)を選ぶ強さが必要だったのだと、あらためて思います。

読書(小説・詩歌) TB:1 CM:2 admin page top↑
* HOME *