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白楽ロックビル「脱力系女子大教授」
2007/01/31(Wed)
前書きに『理系の大学教授と聞くと「堅苦しい」「清貧高潔」と考えがちだが』という言葉がありましたが、今時そんなことを考える人がいるんでしょうか。 脱力系女子大教授
白楽ロックビル / 丸善 堅苦しくなくていいから「清貧高潔」、それがだめならただ「高潔」なだけでいいから、そんな大学教授がいるんだったら書いて紹介して欲しいです。 (最後の碩学白川靜先生の思い出を教え子たちが語る本が出たらきっと読もう) 白楽さんの語り口は読売新聞でおなじみだったから、それに文句があるわけじゃないんです。ただ最初に「清貧高潔」がありふれたことのように言われると「だったら出してみてくれ」と言いたくなる、私って嫌なやつかな。 しかしお茶の水女子大学、文系にツチケン理系にハクラクを擁する懐の深さは流石。 力が入っていないところで脱力することは出来ません。押しも押されもせぬ、学問の殿堂だから出来るんですよ。こんな脱力。
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樋口裕一「マズい日本語レストラン」
2007/01/31(Wed)
表題に似ず、とても美味しい本でした。 シェフはライターの岩原和子さんと編集の清野ゆかりさん。料理の材料は樋口裕一氏。 マズい日本語レストラン
樋口 裕一 / オレンジページ この本の真の料理人の名は後書きで明かされ、奥付には「語る人 樋口裕一」としか書いてありません。 樋口裕一氏の前著頭がいい人、悪い人の話し方を読んだときは非常に空しい思いをしたので、今度の本は信じがたい面白さでした。岩原和子さんと清野ゆかりさんの素晴らしい仕事ぶりが際立ちます。 さて本の内容ですが、日頃耳にして「何だか不愉快」だったり「むっとする」しかなかったマズい日本語に対して、「何がどう失礼なのか」をきれいさっぱり解説してくれます。 不快感の源がはっきりしたところで、いざ反撃に移るわけですが、社会生活上いちいちことを構えるわけにはいきません。 基本技は「いなす」。応用技は「再発防止」といった感じで、「使える」「実際的」対応策があげられていてとてもためになります。
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ストゥルナート「ウィーンわが夢の町」
2007/01/31(Wed)
日本で表現の場を得られなかった日本女性の自伝。 音大出の肩書きがなければ何もできない日本を後に、彼女は一路ウィーンへ・・・・。 ウィーンわが夢の町
アンネット・カズエ ストゥルナート, Annet Kazue Strnadt / 新潮社 ウィーン国立歌劇場の歌手オーデションに「あなたなら歌える」と送り込んでくれた歌の先生も、「君なら歌える」と入団を許可した審査員も、ウィーンの人。東洋人が仲間になるのを認めずに意地悪をした歌劇場のスタッフもまた、ウィーンの人。 ウィーンという町には(当たり前ですが)いろいろな人が住んでいるのだと思いました。 舞台での立ち位置を教えてもらえない。 自分が乗り込んだ途端、それまで乗っていた人が全員エレベーターから降りてしまう。 ステージで履く靴に腐ったトマトが入れてあった。 そんな日々を4年耐えて、もう限界だと思ったときに帝王カラヤンの目に留まることになった著者。リハーサルの舞台の上で、カラヤンがアンネットさんの肩を抱いて仲間たちに呼びかけ・・・・。 カラヤンの心遣いに著者は思わず号泣してしまったそうです。 同胞の苦労のさまにハラハラして読んでいた自分も、心底ほっとしたことでした。 (そういえば今まで読んできた本の中で「ザルツブルグ出身の指揮者」とか「フォンのつくやんごとなき方」とかカラヤンを揶揄した呼称をいくつも目にしました。カラヤンもまた、抵抗勢力と闘ってその地位を作り上げた人なのでした・・・・) アンネット・カズエ ストゥルナートさんの異郷での成功を言祝ぐとともに、アンネットさんのような個性が現代の日本でなら花開くことができるのか、と考えてしまいます。
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中野雄「ウィーン・フィル 音と響きの秘密」
2007/01/28(Sun)
本拠地とするコンサートホールがオーケストラ固有の音を作って行くことなど、初心者にわかりやすく語ってくれます。 ウィーンフィルが長い間女性奏者を入団させなかったことについて「女性に入ってもらうほど困っていない」という男性奏者の言がありました。 著者自身、日本の相撲で女性が土俵に入れないのと同じように、これがウィーンフィルの文化なのだと考えているようですし。 アメリカの女性団体の外圧のおかげで?今はウィーンフィルにも女性がいる時代になりましたが、小澤征爾はウィーン国立歌劇場監督として、さぞかし苦労をしていることと思います。 保守的排他的な「ウィーン」で「東洋人」が「指導的立場」にあることの難しさがビシビシ伝わってくるのでした。 さあ次はウィーンわが夢の町。「ウィーン」に「東洋人」の「女性」がいかにお呼びじゃなかったかが、思いやられます・・・・。
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♯29:ティンパニ
2007/01/28(Sun)
アニメ「のだめカンタービレ」の第3回は、真澄ちゃんの出番でした。 吹奏楽部でティンパニをやっていた知人がドラマの真澄ちゃんを見て 「ティンパニは打面の真ん中を叩いちゃだめなんだよぅ輦」 と泣いていました。 が、アニメではちゃんといい音のする部分を叩いていたようです。 (知人から輦メールが入らないから) 自分じゃよくわかりません。今度この知人に会ったらのだめカンタービレ (14)の表紙イラストでのだめがばちを当てている部位は、いい音が出る場所なのかどうか聞いてみようと思います。 のだめカンタービレ (14)
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三崎亜記「失われた町」
2007/01/27(Sat)
面白かったですよ。きっと映画化されるだろうと思います。 失われた町
三崎 亜記 / 集英社 突然ひとつの町が失われ、残された人々が喪失したものとどう向き合うのか、が語られる話かと思ったら大間違い。 人びとは喪失の悲しみを語るのを禁じられ、町の記録は禁忌となり、わずかに生き残った人は穢れとして疎まれるのです。SFです。 面白くて、一気に読んでしまったけど、(町の消失時に恋人を失った少女)由佳の成長後の行動は信じられませんでした。 次の町の消失を止めるためならなんでもするんです。本当になんでも。 1万人を救うためなら100人を犠牲にすることを厭わない。自分を道具にして、人間の尊厳を捨てることさえ・・・・。 命は理不尽に失われることもあるから、生きているときはちゃんと生きてほしいです。由佳ちゃん。
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平山瑞穂「シュガーな俺」
2007/01/26(Fri)
オートフィクションの糖尿病小説。妻への秘め事(ありていに言えば婚外交渉)のことを書いていいのか?? シュガーな俺
平山 瑞穂 / 世界文化社 若くて痩せていても、糖尿病はやって来る。という冒頭からしてビックリ。 自分を含めて、世の中の人は糖尿病についてこんなにも無知なのだと驚くことがいっぱいです。 しかし無知(あるいは未知)だからこそ、主人公喬一といっしょにハラハラどきどきしながら読むことができました。 (都立病院と民間病院の指導の違いなど、本物の患者だから分かること。「取材」ではここまで見えてこなかったことえしょう)。 登場する女性たちがまた、魅力的。 奥さんは出来すぎない出来た人で「うん、うん、あなたはよくやってる。がんばって」と声援を送りたくなりますし、同僚の亜梨沙ちゃんはユニークな傑物です。 ハラハラするけど読後感は明るい本。自分または大事な人が糖尿病予備軍だと思ったら、医学書の前にこの本をどうぞ。
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ほぼ日刊イトイ新聞「銀の言いまつがい」
2007/01/26(Fri)
鉄コン筋クリートと最初に言ったのはNHKのアナウンサー、熱川ワナナバニ園でレッサーパンダを見てきたのは私。 銀の言いまつがい
ほぼ日刊イトイ新聞, しりあがり寿/祖父江慎 / 東京糸井重里事務所 冒頭に掲げたのは悪い例。かくのごとく、ただ言いまつがいを集めただけでは、面白くなんかないのです。 最低限の前振りと言いまつがいとオチ。 その組み合わせのコンビネーションが「技」なのだと思います。 活字の大小の組み合わせや、ナンセンス挿絵も、笑いのインパクト増強に大いに関与しています。 (言いまつがいの種類によってはオチを省略する勇気も必要) ・・・・なんてことを考える暇もなく読んでしまった金の言いまつがいの方が、よりおもしろかったかな。
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ほぼ日刊イトイ新聞「金の言いまつがい」
2007/01/25(Thu)
人の信用や百年の恋をぶちこわす本かもしれない・・・・ 金の言いまつがい
ほぼ日刊イトイ新聞, しりあがり寿/祖父江慎 / 東京糸井重里事務所 「来るぞ」と分かっていても、抑えられない笑いの発作。家族もどん引きする爆笑(友人の家では犬まで驚いて飛び上がったという)。 ただの言いまちがいを集めた本ですが、日本語が分かる人ならどうしたって笑わずにいられないから、スパイの取調べに有効です。 (金賢姫の「いま、女として」の中で、日本人だと主張する被疑者に取調員同士の雑談として韓国語のジョークを聞かせ、被疑者が笑うかどうか反応を見る場面があります。はちやまゆみはうっかり笑いを漏らしてしまい、日本人を装った韓民族であることが露見しました)
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金輪際
2007/01/24(Wed)
燕尾服(テイルコート)の天使たち〈1〉黄金の紡ぎ手のなかに (君とは)金輪際合奏しない という台詞がありました。主人公二人の出会いの場面であり、二人はまだやっと会話を始めたばかり。二人で合奏をしたことはありません。 まだやったこともないことに「金輪際~しない」を使っていいの?? と気になりました。 精選日本国語辞典を引くと、金輪際は「地の底まで、どこまでも、絶対に、断じて」であり、著者の用法は間違っていないようでした。 明鏡国語辞典でも大同小異です。 つまり 『臨月に入ったA子は、生まれて来る子どもの顔を金輪際見たくないと思った』 ということだって、表現上ありえるわけです。 しかし金輪は仏教用語。(参照) 『メアリ・スチュアートは従姉妹のエリザベスを金輪際許さないと誓った』 ということは、歴史上ありえません。 自分は日本人で一応仏教徒なのに、金輪の上にこの世界は成り立ち、金輪の下に水輪と風輪があるなんて、今日まで一度も考えてみたことがありませんでした・・・・。
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茂木大輔「くわしっく名曲ガイド」
2007/01/23(Tue)
のだめドラマ及びアニメののクラシック音楽監修で知られるもぎぎ先生。本職は指揮者です。 茂木 大輔 / 講談社 この本を読んで聞いてみたいなと思ったのが、 ハイドン/交響曲第6番(朝)、交響曲第7番(昼)、交響曲第8番(夕べ)山本直純フォーエヴァー~歴史的パロディー・コンサート ですが第一に、著者が解説するコンサートに行ってみたいと思いました。 きっと「話芸が素晴らしいだろうな」と思わせる本でした。
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燕尾服を着るとき:「燕尾服(テイルコート)の天使たち」
2007/01/21(Sun)
燕尾服研究の一環で読んだ小説 燕尾服(テイルコート)の天使たち松岡 なつき / 青磁ビブロス 出版社名から考えて、表紙の肌色含有率が高いのではないかと恐れていましたがそんなことはなく、ちゃんと燕尾服(2巻のみ。1巻は音楽学校の制服)を着た男の子二人の表紙イラストでした。 しかし・・・・ 立衿イカ胸シャツのはずなのにシャツの胸に皺が! 糊を利かせてないのか?? 白ピケのベストにも皺が寄ってるし。 本文で「職人オズワルドが仕立てた燕尾服は皮膚の一部のようにぴったり」だと書いているのに、ベストのボタンホールまわりの横皺なんてありえない怜 タイトル負けもとい本文負けは否めません・・・・・・。
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豆腐のぬいぐるみ
2007/01/19(Fri)
夫が某新年会のビンゴで豆腐のぬいぐるみ(はんなり豆腐ギフトBox)を獲得しました。 景品調達係が夫だったので「計画通り」。 ですがこれ、昼寝用枕にしようとすると柔らかすぎてだめでした。 さてはこのモデル、絹ごし?
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♯28:ミルヒーの愛した「いも恋」
2007/01/18(Thu)
シュトレーゼマンがエリーゼに首根っこを捕まれて、買いに行けなかったお菓子「いも恋」。 三芳のサービスエリアでは蒸かし立ての「いも恋」を売っているそうだけれど、高速料金を払って駆けつけるのもやぶさかで。 「そのうち何かの用事で通りかかったときに」と思っていましたが、思っていると来ないものなんですね、「そのうち」って。 のだめカンタービレ (16)
「いも恋」は16巻27頁に登場します。 熊本のいきなり団子に似ているので、いっそ作ってしまおうかと思います。 (いきなり団子の作り方はこちら
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究極簡単手作りおやつ:チーズせんべい
2007/01/17(Wed)
うちの子が大好きな「チーズせんべい」凉 製作時間5分くらいです。 驪フライパンを強火で熱する。 麗スライスチーズ(溶けるタイプ)を1枚フライパンのまん中に置く。 黎10秒ばかりしたら火を止める。 力数分(溶けたチーズが固まるまで)待つ。 曆フライパンからチーズをはがせば出来上がり よその子もこれをせんべいと呼ぶかどうかは保証できませんが、料理の簡単さは保証します。 <追記> 冷ます時間の長短でいろいろな食感が楽しめます。 息子は早く早くと待ちきれないので、「ぬれチーズせんべい」状態で食べることが多いです。 そんなに早く食べたいなら、生で食べればいいようなものですが、焦げ感が加味されることがポイントらしい・・・・。
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シュトレーゼマン「ベルリン・フィルハーモニー」
2007/01/17(Wed)
やっと、シュトレーゼマンが書いた本が手に入りました。県立図書館からの借用です。 ベルリン・フィルハーモニー―栄光の軌跡ヴォルフガング・シュトレーゼマン, 香川 檀 / 音楽之友社 ドイツでもっとも有名なシュトレーゼマンは、首相兼外相経験者でありノーベル平和賞受賞者でもあるグスタフ・シュトレーゼマンでしょう。 ヴォルフガング・シュトレーゼマンはその息子で、1904年生まれ。19年間に渡ってベルリン・フィル・ハーモニーのインテンダント(支配人)を務め、カラヤンの後ろ盾と形容された男です。 回想は当時他の追随を許さない人気指揮者だったニキシュの死から始まります。 著者が属していたギムナジウムの最上級生(日本で言うなら高校3年生?)は、ニキシュの訃報に動揺し大騒ぎになったと。 日本で、朝比奈隆の死に動揺して普通高校の生徒たちが騒ぐなんてこと、果たしてあったかどうか。 大好きな指揮者が世を去ったとき、「明日からどんな音楽を聞けばいいのか」「次の週末に行くべき音楽会(ギムナジウムの生徒の場合ならゲネプロか?)がない」と途方に暮れる時代があった・・・・。 そんな、音楽を呼吸して生きてきた日々の回想は、音楽とともに暮す喜びに満ちています。 後半は音楽を提供する側の喜びと苦労が語られますが、そこにも音楽に触れる喜びがずっと流れていて、著者にとってベルリン・フィル・ハーモニーのインテンダント(支配人)天職だったんだろうなと思います。 ドイツでは第二次世界大戦の前後で、地方の劇場数、オーケストラ数が大きく減じたといいますから、シュトレーゼマンのような音楽愛好家はもう少数派なのかもしれません。 よき時代、よき音楽的風土を垣間見させてくれる回想録です。
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半成人式
2007/01/14(Sun)
本日は息子と玉木宏さんの誕生日。 息子は晴れて10歳になり、成人に向けて半分の地点を通過しました。 この息子、つい先日まで消去法がわかっていませんでした。 私と息子が二人でいるとき、息子が「ぷー」とおならをすると、すかさず私が「今、やったでしょう」というのを不思議がり、「なんで僕だってわかるの?」と聞いていました。 しかしもう10歳。 部屋に二人しか人がいないとき、自分がおならをすると、誰がおならをしたか相手にわかってしまうことは判っています。 しかしまだ10歳。 部屋に自分と両親がいるとき、「ぶぶっ」と大きなおならをしては怒られます。 息子は 「とうちゃんもかあちゃんもいるのに、なんで僕だってわかるんだよう」 と悲しそう。 なんでって、おとなはあんたみたいに遠慮なく元気におならしないよ。「三人いるから大丈夫」っていうリラックス?加減が命取りさ・・・・。
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シェトレ「指揮台の神々」
2007/01/14(Sun)
式台に立つ指揮者の姿(顔は任意)が眼前に立ち現れるような、生き生きした筆致です。 指揮台の神々―世紀の大指揮者列伝
ルーペルト シェトレ, Rupert Sch¨ottle, 喜多尾 道冬 / 音楽之友社 偉大な指揮者たちそれぞれに、敬意を表す著者だけど、好きだったのはフルトヴェングラーとクナッパーツブッシュだと思います。 フルトヴェングラーは明白な拍を打たず、タクトがブルブル震えていたと聞くと、「それで指揮者?」という気がします。 が、オーケストラは彼を慕い、ベルリン・フィルの面々にはフルトヴェングラーの訃報に接して職業を変えようかと思ったものが少なからずいたそうです。 クナッパーツブッシュは罵詈雑言の人で、リズム感のない女歌手に「このクソ女(アマ)」を連発し、男歌手にはもっとひどい言葉を浴びせたそうです。 が、彼らはクナッパーツブッシュを慕い、彼の罵りを心待ちにしたそうです。 人間のつながりって、一筋縄じゃなくて、面白ーい。 分厚い本なので、取り合えず一章だけ読んでみようという方には「ハンス・クナッパーツブッシュ」の章をお奨めします。 <指揮者・オーケストラ・聴衆間の反発と引き合い、そして融合>のドラマ、音楽界を歪めた<ナチスとの攻防>、<人間的魅力と音楽的魅力の乖離または相乗>の問題、<録音に現れないライブの魅力>など読みどころがいっぱいです。 一冊を通して、著者は「音楽には多彩な魅力がある」と言いたかったに違いないと思います。 「磨きぬかれたカラヤンの音は確かに素晴らしいが、カラヤンだけを基準にするのは後世の損失だ」というシェトレの声が聞こえてきそうです。 原著にあった付録CDが翻訳書についてないのはまことに残念。すこぶる無念です。
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不二家の工場近くで
2007/01/12(Fri)
今日、不二家工場の手前で読売新聞の記者と名乗る人に会いました。 「すみません。読売新聞の記者ですが、不二家の関係者の方ですか」 「いいえ。違います」 それだけの会話でしたが。 あの記者はどうして私に声をかけたのかしら。 もしかして私が 『不二家の従業員はかわいそうだな。不正を知らなかった人もいただろうに。 知らなかった人は、真面目に働いていたのに後ろ指を指されることになって、つらいだろうな。 特にペコちゃんの顔を描いたトラックを運転している人は気の毒。運転の腕がどんなによくても、不正の看板を背負って走るのでは、きっと肩身が狭いだろう・・・』 なんて考えながら歩いていたのが、顔にでていたのかな?
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♯27:のだめアニメ ON AIR
2007/01/12(Fri)
アニメ「のだめカンタービレ」第一話を見ました。 うーん。 今のところ玉木千秋(実写ドラマ)の方がいいな。 アニメーションの関千秋の語りはなんとなく平板な感じです。 始まりと終わりの音楽はクラシックにして欲しかったし。 深夜に音量を絞って見ているので、楽曲の魅力や声優さんの声の表情が分かりづらかっただけかもしれません。 次回は録画して、宵のうちに伸び伸び見ようと思います。 <追記> 夫が録画していました。自分ちの機械なのによくわかっていませんでした。今日、音量を先日の倍にして見たら、随分印象が違いました。
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エラいところに嫁いでしまった!
2007/01/11(Thu)
テレビドラマ化されたんですね。仲間由紀恵主演で今日から放映。 原作では独善的でやな感じの主人公だったけど、テレビはどうキャラを作るのかな。 国内異文化交戦?交流?ドラマ。見ようかな~。
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難儀でござった
2007/01/10(Wed)
読売新聞の記事を読むと、阿部首相が「印象に残った本」として難儀でござるを上げているのだそうだ。 首相も、今まで難儀でござったのだなぁ・・・・・。
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ああ姪っ子
2007/01/10(Wed)
正月に会った姪は1才9ヶ月。 あやしても泣きも笑いもせず、他者の干渉に耐えるという面持ち。 元気よくするのは『バイバイ』のみ。 バイバイは力を入れてしているし、普段親には情緒的な働きかけをしているみたいなので、これは、いわゆる、人見知りの、「泣かずに耐えるバージョン」? ああ姪っ子。 子どもは親さえ親ばかにすれば生きて行けます。 (親ばかでなければ子育てなんてやってられないす) 人生の初期、親だけに心を開くのは自然なこと。 でも親が人間である限り、いずれ「親だけ」では足りなくなる時が来ます。 そのとき姪を助けるのが必ずしも肉親である必要はなく、姪が必要な助力を得られさえすればそれでいいのです。 けれどそのうち、こっちも見てほしいなあ。 伯母ちゃんにも声を聞かせて・・・・・・。 そのうちにね。
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ああ女の子
2007/01/09(Tue)
子ども会の用事で区長さんちに行きましたら、話向きの終わるころお孫さんが入ってきました。2歳くらいの、やっと二語文を話し出した女の子。 私たちが「こんにちは」と声をかけると恥ずかしそうに区長さんの背に隠れます。 「どうしたの。『こんにちは』は? お口なくなっちゃったのかな」 と区長さんが話しかけると、彼女は区長さんの背にぴたりと張り付いて 「じいじ すき」 といいました。 会話が全然成り立っていませんが!! 成り立っていませんが若干2歳児に多くを求めてはいけません。 「まーったく。この子はいつおべんちゃらを覚えるんだか」 という区長さんの顔はふやけています。 「おべんちゃらじゃないよねー。ほんとにじいじ好きなんだよね」 と私たちが子どもに向かっていうと、じいじ区長は溶けそうです。 どう考え、何をひっくり返してみても、この2歳足らずの口数少ない女の子が、虚言を操るなんてありえません。 (例外はあるかもしれませんが)大人が子どもにほだされ易いのは、子どもがまったくのお世辞を言わないから。心にもないことは言えないから。だと思います。 ああ娘の文章からは娘が本気で言っているのかおべんちゃらで言っているのかわからないところが多かったのですが、言われた父や祖父母が骨抜きになっているなら、そこにはきっと真実が含まれていたのだと思いました。
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西原理恵子「ああ娘」
2007/01/08(Mon)
「女の子は小さいうちから媚びるのが上手」という話が多くて、胸が塞ぎかけます。 子どものやさしさ溢れるエピソードもあってほっとします。
西原 理恵子, 父さん母さんズ / 毎日新聞社
女の子はごくごく幼いときから、人の関係性に敏感です。
字も読めないのに 場の空気は 誰よりも速く 読めるね。
という挿絵ページがほほえましいような悲しいような。 ちゃっかりしているのをたくましいと言い換え、男女関係に異様に早熟な関心を寄せることをおしゃまと称し、大人の罵倒語(「このボンクラがぁ」「元気のない男やな~」「ふっ。ちょろい奴よ」)を吐く幼女を笑い飛ばせるなら、この本は楽しいです。まさしく
ずっと 大人に なっても かわいらしく 女らしく。 でも ドレスも宝石も 自分で買える ようにね。
です。 ませた子どもの話を笑えない私は、一読したあとすぐ、あどけない話を探して再読してしまいました。「ゆっくりさん」のお話が一番好きでした。
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吉田 太一「遺品整理屋は見た!」
2007/01/08(Mon)
煽りのない、真摯な文章。 著者が自分の仕事の大切さを感じながら、丁寧に務めているのが伝わってきます。 遺品整理屋は見た!
吉田 太一 / 扶桑社 プロに依頼される遺品整理は、遺品整理の前に特殊な掃除が必要なことが多く、非常な困難が伴います。 苦労も多いけれど、あるとき著者のチームは、遺族の子どもから
「おじさんたちは、天国へのお引っ越しをお手伝いしてるんだね!」
と言われたそうです。 ありがとうその子どもさん。私もそう思います。 しかし非道な場面もあるもので、、、、、。 凄惨な仕事場に着いたとたん「早くしろ迷惑だ」と近所の人(非依頼者)から怒鳴られる遺品整理業者。 訃報に駆けつけたとたん、近所の人から怒号を浴びせらる死者の身内。 そんな立場に立ったらどんな気持ちか、想像を絶します。 隣は何をする人ぞの時代だけど、薄く長くどんなに少なくとも村八分の付き合いは続けなくては。(村八分というのは「火事」「死亡」の二分以外は知らんふりということ) 隣人が死んでも「迷惑」としか感じない現代人は、あまりにも悲しいです。
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仕事始め
2007/01/07(Sun)
仕事始め(私の場合は5日)のお話です。 年末年始の休館期間中にISBN(国際標準図書番号)が改定されたので(詳しくはこちら)、よく使う検索用データベースに新旧のISBNナンバーを入れてみて、うまく検索できるかのテストをしました。 さすがにAmazon紀伊国屋といったサイトでは新旧どっちのナンバーを入れてもスイスイ検索できます。 ここで遅れをとっては直接売り上げに響きますもんね。 売り上げが関係ないところで、国立情報学研究所も新旧OK。国立国会図書館もOK。このあたりで遅れをとると、そこにシステムを納入している会社の名折れだもんね。 あやややや。もしかして旧ナンバーでしか検索できないのは自館OPAC(オンライン蔵書目録)だけ?? うちってシステム作成会社からユーザーとして軽んじられてる??? あわてて同県内で同じ会社のシステムを導入している館のOPACにアクセスして検索すると、そこも新番号での検索不可。 なんだー、うちだけ軽んじられたというわけではないらしい。 しかしシステムのメンテナンスが追いつくまでは、13桁のISBNナンバーの本を注文しようとするとき、その新ナンバーで検索した後再度旧ナンバーで検索するか、書名検索をするかして重複調査(所蔵している本を更に注文しないようにするチェック)をしないといけません。 考えるだに面倒です。これまでいかにISBNナンバーを便利に使ってきたか、身に沁みる初春です。 
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風荒び家にこもりて
2007/01/07(Sun)
北風の咆えれば早々雨戸閉じ知らぬ顔して灯火親しむ 米原を出でて万里を駆けし人そが踏むところすなはち沃野 いとし子が勧めてくれるファンタジー 「かな振ってあるから読めるよ」 「ありがとう」・・・・・
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グローガン「マーリー―世界一おバカな犬が教えてくれたこと」
2007/01/07(Sun)
人の不幸は密の味。それはこういうとき言うのでしょうか。 マーリー―世界一おバカな犬が教えてくれたこと
ジョン グローガン, John Grogan, 古草 秀子 / 早川書房 マーリーは、飼い主を困らせることに天才を発揮する犬。あれからこれから次から次に、飼い主を窮地に陥れます。 読んでいるこちらは「マーリーが何をしでかそうとも安全な場所」にいて、苦労している人(マーリーの主人)を気の毒に思わずに思い切り笑うことができます。 だってこの苦労は、飼い主本人が望んでしている苦労なんですから。私には何の責任もないんですから。 もちろんマーリーに同情する必要もありません。 マーリーは己が欲望のまま気の向くまま自由に遊ぶのが人生(犬生)と心得ているし、飼い主はマーリーを「バカ犬」と認めたうえで愛しているのですから。 マーリーのいたずらや食欲の発露ぶりを読むごとに、愛することは許すこと、相手をありのまま受け入れることなのだと思います。 繰り返し繰り返し、恥ずかしい目に合わされたり修理代の小切手を切らされたりしながら、グローガン一家が受け取ったものの大きさ。 やはり同情している場合ではない、マーリーとその家族なのでした。
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石川雅之「もやしもん 1」
2007/01/05(Fri)
農大のことなら実学に生きる―東京農大生110人の証言を読めばいいし、発酵のことなら小泉武夫先生の本(さしあたって発酵―ミクロの巨人たちの神秘あたり?)を読めばいいと思います。 小泉先生の本はどれも面白いです。ためになることをこんなに面白く書いていいの?と思うこともあります。 もやしもん 1―TALES OF AGRICULTURE (1)
石川雅之 /講談社 は、わざわざ読む必要はなかったかなというのが正直な感想です。 4巻まで買っちゃったし、のだめの推薦書だし、続きも読もうと思いますが、願わくはこれから「面白い!」とか「素敵!」とか「さもありなん」とか思うところがありますように。 2巻以降で逆転満塁ホームランが出るといいなあ・・・・。 不安と期待に揺れながら、また明日。
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