異種フラガール(自作小説)
![]() 映画「フラガール」を観て、影響されやすい戌井夫婦は直ぐにスパリゾートハワイアンズに予約を入れた。
類は友を呼んだ。交わって赤くなった戌井の友人は、さっそく「フラガール」を観に行った。
友人は感動した。
友人は素直で、率直で、少しばかり直情傾向な美女だ。
友人は映画を観た後すぐに自分の夫に電話をした。
「緊急事態発生。今夜はどうしても9時までに帰ってきて」
と。
職場に寝袋を持ち込むくらい忙しい夫だったが、素直で率直で少しばかり直情傾向で、美しい妻に弱かった。
どうにかして仕事場を抜け出し、8時50分に帰宅すると、ガレージに妻の母親の車がある。
緊急事態とだけ言って、否やを言わせずに電話を切った妻の様子を思い起こす。
一体何なんだ。もしや俺、3人の子どものうち、誰かの誕生日を忘れていたのか?
不吉な予感を頭の中で駆け巡らせながら、鍵をまさぐる。
末の子は2歳。もう眠っているはずなのでインターフォンは鳴らせない。
と、気配に気づいたのか時間だから出てきてみたのか、妻が内側からドアを開けた。そしてそのまま、鍵を持ったままの夫の手をとって歩き出した。
「行くわよ、レイトショー」
美しい妻の目は今、濡れて輝いて見える。
もうどうでもいい。
夫はおとなしくガレージまで連行され、そこから運転手になり、妻とその日の最終上映「フラガール」を見に行った。
彼の妻もフラガール(ただしフラメンコ)。
素直で、率直で、少しばかり直情傾向で、美しい妻を、彼は深く許している。
(注:この物語は実在の人物に少ししか関係ありません)
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ヨン様入籍の真実
![]() トーチュウが「ヨン様入籍」と報じていたのは、やはり引っ掛けでした。
夫に
「ヨン様入籍って記事、本文がなかったよね」
と確認すると
「え? あったよ。名古屋グランパスエイトのヨンセン選手が結婚したって」
ええええーーーっ
「ヨンセン選手って『ヨン様』って呼ばれてたの?」
「さあね。でもなんで驚くの?
あの一面の見出しの上に、シャチの絵が描いてあったじゃない」
「えええっ あれシャチ? 鯱(しゃちほこ)のシャチ?? 名古屋城の???」
「名古屋グランパスエイトのシャチだよ」
「おかあちゃん、あのシャケがわかんなかったんだね」
(実はよくわかっていない息子の口出し)
「なんで魚の絵がついてるんだろう、下手だけどお祝いの鯛かな連って思ってたんだよー。
それでグランパスエイトってなんのチームなの?」
「サッサカッカーだだよ」
(リエゾンする夫と息子)
「なんでグランパスエイトなのにサッカーなのよ。サッカーは9人でやるもんでしょ」
(混乱する私。9人でやるのは野球だよっ)
なにはともあれ、ご結婚おめでとうございます。
フレーデ・ヨンセン選手(ノルウェー代表)
末永く歓喜の歌を歌われますように。
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