さかしい
![]() さかしい(賢い) 1.才知、分別があって、しっかりしている ①知徳が衆に抜きん出て優れている。 ②理性的ですきがない。賢い。賢明である。 ③判断力がしっかりしていて、心がまどわない。強気である。気丈である。正気である。 ④気がきいていて、とりえがある 2.生意気な才知、分別があって、すきがない。 ①才知、分別だけあって、人間味が欠けている。かしこぶって、さしでがましい。こざかしい。 ②他人のことについてあれこれ口ぎたなくいうさまである。小うるさいさまである。 3.丈夫である。頑健である。壮健である。 補注:多く肯定的に用いられるが、体言形「さかしら」、また、中世以降に見られる、接頭語のついた「こざかし」は多くマイナスの意味で用いられる。 (精選日本国語大辞典)基本的に賢しいのはいいこと。 けれど、さかしいだけでいいと思い込んで生意気なのはよくない。 さかしくないのにさかしい振りをする(さかしら)のも、少ししか賢しくないのにいかにもさかしげにふるまう(こざかしい)のもよろしくない。 つまり、 『賢しい(才知に長けて分別がある)が人間味を失わず、賢しさをこれ見よがしにしないこと』 があらまほしいのだと「ニッコク」さんは言っているのですね。 さすがニッコク。賢しいの一語から、いかにも日本らしい規範が読み取れます。 補注だけどニッコクさん。 「肯定的」といったら対称語は「否定的」ですよね。 「プラスの意味」なら「マイナスの意味」だし。 なんでわざわざ「肯定的」と「マイナスの意味」を組ませるの? スポンサーサイト
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ヒカルの碁:さかしいごまかし(8/22改定)
![]() 「さかしいごまかし」という表現は、ヒカルの碁1巻22ページに、藤原佐為が自分に着せられた濡れ衣を語る場面に出てきます。
【佐為が平安時代の生まれでも、使うことばは近代語というお約束でこの漫画は成り立っています】
さかしい(賢しい)というのは本来褒め言葉。
才知、分別があって、しっかりしている(精選日本国語大辞典)の意。 判断力がしっかりしていて、心がまどわない。強気である。気丈である。正気である(同)という語釈を読んでいくと「さかしい」は塔矢アキラ専用の賛辞かと思えてきます。 まれに否定的に使われるときは 「生意気な才知、分別があって、すきがない。こざかしい」(同)の意です。まるでプロになる前の越智みたい、といったらかわいそう? さて、「さかしいごまかし」の「さかしい」は・・・・。 ごまかしを形容するのに褒めことばは変ですから、ここは第二義の否定的な意味合いなのだと思います。 さりとて碁石の数をごまかすのに「分別があってすきがない」というのもまた変ですから「こざかしい」という部分が採用されたと考える他ないでしょう。 原作者の言葉が間違っていなくとも、一般的な言い回しでないと編集担当者は差し替えを要求してくると、コミックスのおまけページに書いてありました。 そこでダメを出されていたのは『よそ事』。 やっぱり使いませんよ こんな年よりくさい言葉。ボクはゼッタイ使わない。棋院のSさん(推定60歳)も使わないって言ってます。だったら編集のタカハシさんは「さかしい」なんて言葉を日ごろ使っているのかしら。 まさかね。 |
こざかしい
![]() 以前、同年齢の知人に愚息の話をしていたとき
「岳志くんってこざかしいですね」
と言われてびっくりしたことがあります。
親ばかな話をしたのがいけなかった?
親ばかは今日始まった話ではなく(9年前に始まった話)、世間様にはいろいろご迷惑をおかけしたかもしれないです。けれど、お宅の息子は生意気だと面と向かって言われたことはかつてなく、どうやって事態を収めたらいいのかとドキドキしました。
が!
発言者当人はにこにこ笑っているのです。日ごろのつきあいから、この笑顔で人の子を貶めるとはとても思えません。
もしかして・・・・・?
もしかしたら彼女は、うちの子が生意気になってきたことを「少し賢しくなったんだね」と言祝いだの?!
「いやー。それほどでもないと思うんだけど」
と私が応答すると、平和裡にランチタイムが過ぎ、彼女は手を振って「またねー」といいながら去っていきました。
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