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ディーゼルカー/大島弓子
2014 / 07 / 20 ( Sun ) 21:45:38
大人向け絵本。
日本語ちょっとおかしいなあと思うところありますが(「母がきっぱりと申されました」って謙譲してるの?尊敬してるの?どっち?)、主人公二人が自分に正直で、発想が柔軟で、潔くて、とても自由。
一夫一婦制を守りながら、囚われないのがすごい。
さわやかな読後感です。

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ありがとう3組/乙武洋匡
2013 / 07 / 25 ( Thu ) 12:52:06
映画「だいじょうぶ三組」の原作を借りるつもりで間違って「ありがとう三組」を借りてしまいました。
が、「だいじょうぶ三組」よりこっちの方が面白いんじゃないかと思いました。
発達障害が疑われる児童が転校してきて、クラスは揺れ動きます。この子の障害を理解するということは、周りが我慢するということと表裏一体だから。

担任(作中名は白石先生)の五体不満足は目に見えるけれど、発達障害は見えません。それどころか、我がままや怠けに見えてしまうこともありがちです。

何らかの診断が下っているなら『あの子は障害があるので』と線引きをすることができるという副校長に
「その判断をするのに障害名が必要ですか? その判断は他人任せにせず、現場のわれわれが行うべきなのではありませんか?」
と意見する白石先生。
自分が言われているようで、心に刺さりました。


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小説 ちはやふる 中学生編(2) /時海結以
2013 / 04 / 04 ( Thu ) 00:30:32
コミックス20巻の前後に読むと、本当にすとんと心におちてくる物語です。
新(あらた)の「清々しいまでの集中」力が、どんな情動を越えて生まれたのか、よくわかります。
尊敬する祖父の心が病気にむしばまれて行くのを見守る悲しみに、新(あらた)の心が悲鳴を上げているとき、幼なじみが、競技かるたにつらなる仲間が支えてくれました。
新の強さが、一人で育ったのではなく、多くの人に背中を押してもらって得られた強さであることが分かります。「ちはやぶる」までの強さは素質と努力の混交だと感じられます
21巻がより楽しみになる「小説 ちはやふる 中学生編(2) 」でした。

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八月の光/朽木祥
2012 / 08 / 06 ( Mon ) 19:12:45
ファンタジー世界に仮託しない、原爆を主題にした短編小説集。
「助けて」と呼ぶ女子中学生を見捨てて逃げた青年の話が秀逸。
本当は、人の心の綾を丁寧に書いた物語に「秀逸」なんてほめ言葉は使いたくないのですが、今は相応しい言葉がみつかりません。
どの短編も辛い話ですが、読後感が暗くはありません。この悲劇を越えて生きてきた先人への尊敬と親炙を感じます。
自分も、悲劇に負けなかった人たちに学びたいと思います。
 


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ぼくらは海へ/那須 正幹
2010 / 11 / 02 ( Tue ) 00:00:00
児童文学には2種類あって、一つは「子どもが」読むためのお話、一つは「子どもを」書いた文学。
そしてこれは後者。
死を賛美するものではないけれど、無条件に生は死より尊いとも言わず、生も死も同じ、等価であると読む人の前に差し出しています。読む人が子どもであっても、容赦せずに提示します。
作中の子どもも、作品をよむ子どもも、著者はなめていないのでした。


解説のあさのあつこさんは言ってました。毒がなければ文学ではないと。
この作品では、登場する大人の中に毒がふんだんに注がれています。
大人の正義の名を借りた保身や、「あなたのために」という衣をかけたエゴは醜悪です。
環境選択権のない子どもに、醜い姿で接することがないように努力したいと思いました。

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