ひねもす雪の今日でした
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初秋(はつあき)俳句
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待つ
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初秋の句
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挽歌 勝地真心居士
![]() ![]() 急変の報に急ぎし病室のなぜかドアーの開いていたり 看護士のひとりはたらく病室は戸棚も窓も開いておりぬ 看護士の答えに主語は省かれてただ平らかに「お帰りなられました」 旅立ちの叔父の車を追うためにエンジンかけてくれる夫なり 永遠に間に合わないと知りながら叔父の辿りし道にて戻る ![]() 叔父の声耳には聞こえず心には次々届く降るように (四九日まで魂が家の梁に留まると聞くが梁の見えない現代建築である) 叔父のまなざしありはせぬかと幾度もまた幾たびも梁を探しぬ 話好きの陽気な叔父の側に添う身内の話は途切れあらずよ ![]() ホウレンソウやわらかくかつシャキッとし甘くもありて叔父の味なり 抗癌剤治療の合間に蒔きし種市場に出せる葉物となりぬ (農業を継ぐ子どもはおらず) ハウス内の作物をみな甥に譲り甥も通ふよ上武市場に 一国の主(ぬし)にしあれば決断の続く一世(ひとよ)よ百姓てふは 百姓を年が経るほど好きになり「勝地心真居士」誕生す ![]() 志(こころざし)半ばに倒ると志(こころざし)無くて倒るは同じにあらず 再建のハウスでせめてあと五年 叶わねどけふホウレンソウ緑 |