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快読『赤毛のアン』/菱田信彦
2020 / 11 / 17 ( Tue ) 19:58:21
赤毛のアンの登場人物の中で、マリラが一番好きなので、マリラの変化を細かく追ってくれてうれしい。
本当にマリラを縛っていたのは何だったのか、言われてみると目からうろこでした。
マリラのことを「堅物ゆえに行かず後家になった人」と思っている人はぜひご一読を。

アンが進学をあきらめてグリン・ゲイブルズに残ったのは、「自己犠牲」ではなく「家長」への道だったというのもびっくり。
マシュウの死が道を分けたのは確かだが、次善の策を選んだように見えて、実は家も教育(学歴)も獲得する道に進むアン。マシュウが死ななければその道はあり得なかったというのが、《時代》です。



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「アンという名の少女」が終わりました
2020 / 11 / 03 ( Tue ) 17:39:23
両神山麓花の郷ダリア園20200911 (13)テレビドラマシリーズアンという名の少女【毎週日曜[総合]後11:00】が終わりました。話の途中なのに終わりました。ストーリーは、マシューの病と経済危機に苦しむグリンゲイブルズに、詐欺師が入りこんで来たところで終わり。
明らかに終わってないのに、放送はこれで終了とは、コロナ関係の番組編成の妙でしょうか。
私自身は、マシューやマリラがこれ以上傷つけられるのを見たくないけど、もう一話放送してくれたら絶対見ると思います。

両神山麓花の郷ダリア園20200911 (12)それにしても、アンはジェリー(グリンゲイブルズで住み込みで働くフランス人の少年)に強く当たり過ぎ。
そしてアンが、ダイアナの言う「正式な養子」となって、教師からアン・シャーリー・カスバートと呼ばれていることに違和感があります。
孤児院からのもらい子、養い子であることを明らかにしたまま、アンが地域社会に溶け込んで行くことに感動していた30年前の私が、画面に向かって「それは違うでしょう」と言い続けています。


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アンという名の少女【NHK総合:日曜午後11:00】
2020 / 10 / 02 ( Fri ) 17:39:56
ジャックマニーアルバ20201003 (2)モンゴメリの名作『赤毛のアン』がドラマで帰ってくる!と謳われるアンという名の少女【毎週日曜[総合]後11:00】ですが、だんだんドラマオリジナルのストーリーになってきました。

小学校の高学年で児童向けに訳されたモンゴメリシリーズの赤毛のアンに出会い、中学校で新潮文庫の大人向け村岡花子訳赤毛のアンに会い、就職してから完訳クラシック赤毛のアンを読んで、だんだん情報量が増えていたけれど、ドラマで初めて知ることもあって、興味深いドラマです。

例えば孤児(特に孤児院出身者)への偏見。
村岡花子訳の赤毛のアンシリーズからも、孤児が軽んじられているのは伝わって来たけれど、公共の場であざけられ、囃されるような差別対象だとは思っていませんでした。

淡墨20201003 (2)ドラマで孤児の扱われ方を見ると、アンを手伝いの女の子としてではなく、娘として遇したカスバート兄妹の決断が、並々ならぬものであったことが、あらためて感じられます。
マシューが「その子は私の娘だ」と言った時の、アンの気持ち。アンがマシューを深く愛した理由が分かります。

そしてマリラの不器用さが沁みます。
素直に愛情を表わすことが出来ないけれど、アンと自分を公正に扱わずにいられない良心の人。
始めに読んだ時は「わからずや」としか思えなかったマリラだけれど、自分が大人になり、マリラの実年齢に近づくにつれて、どんどんマリラを好きになる私です。



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NHK『アンという名の少女』
2020 / 09 / 24 ( Thu ) 21:47:14
エヴァ20200922

モンゴメリの名作『赤毛のアン』がドラマで帰ってくる!
アンという名の少女【毎週日曜[総合]後11:00】


ということで、久しぶりのモンゴメリジャンルの話題です。
このドラマの主人公は、やせぎすで顔色が青白く、顔いっぱいにそばかすがあるという、原作通りの少女。
ああ、アンってこんなに不器量だったんだと、久しぶりに思い出しました。

頭の回転が速く、口の回転も滑らかで、活気と愛情深い性質。だから読者は、いつの間にかアンの容姿のことを忘れがちです。しかし、少なくともグリン・ゲイブルズに来た時点では、アンは心身ともに栄養不足でした。アンがみすぼらしい少女だったということを、映像はこれでもかと伝えて来ます。

過酷な子ども時代を送ったアン(虐待サバイバーと言えるかも)が、何不自由なく育ったダイアナとが、出会ったその日に友情を誓い、生涯その誓いを守り通せるのはどうしてなのか。それが今後の展開の見どころかなと思います。



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アンの想い出の日々(上)/ルーシー・モードモンゴメリ
2013 / 10 / 29 ( Tue ) 23:36:10
「これを読まないとアンシリーズは終わらない」という意の帯コピーに、読む気が萎えます。だって終わって欲しくないもの。

それでも、上巻は読んでしまいました。アンの書いた詩は全然ピンとこないので読み飛ばしました。
ギルバートがとっても「できた男」になっていて、イメージが拡散してしまった気がします。チキンの切り分けに苦闘したり、ジム船長と一緒になってミス・コーネリアをからかったりしていた時の方が個性的だったのに、万人受けする人格者になっちゃって、つまんない。
アンもそうです。みんなに尊敬される(若干嫉妬もされてますが)立派な婦人になって、村の灯台みたいに扱われています。アンに不幸になって欲しいわけじゃないけれど、苦労なしのように書かれると、もの足りなさを感じます。
上巻の解説によれば、下巻は第二次世界大戦に際したブライス家の苦悩が描かれる模様。
上巻でアンの子育て時代の牧歌的な村の生活を読んだ後、すぐには読みたくない気がします。
苦労がまったく書かれないのに不満を言うくせに、年老いてから再び大戦に会うアンや、自分が兄弟を喪った戦争に、今度は息子を送り出すジェムの苦しみは見たくないなんて、勝手な読者ですね。
苦労はするが報われれる話、が読みたいのだけれど、テーマが戦争ではそれは無理というもの。すぐには読まないけれど、そのうち必ず、一家のその後を見届けたいと思います。そして、生涯を自ら閉じる前にこれだけは書いておこうとしたモンゴメリの思いも、受け取らなくてはならないと思います。


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